オールM 単語

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ゼンデンドウシャ

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オールMとは、
男とロマンである。

概要

 一言で言えば「最終鬼畜全部電動の編成。つまり「全部の車両モーターが付いている」というアツな編成のことである。
 以上。

 …一応、まじめに解説すると。
 電車の走行性を上げる方法の一つとして、編成全体の出を高くするということがあげられる。
そして、その「編成出を高くする(つまり車両の性を上げる)方法」の一つとしては、単純にモーターの出を大きくするというのがある。
 編成中の動の数が同じであれば、75kWより100kW・100kWより120kW・120kWより150kW・150kWより200kWのモーターを積んだほうが、当然ながら編成全体での出は大きくなる。

 例として、ここに4M4T・動台車は全部の軸にモーターが付いている、つまり動1両あたり4台のモーターを搭載している8両編成の電車列車があったとする。
(xM:Mつまり"モーターを積んだ車両"の数、xT:Tつまり"モーターを積んでいない車両"の数。4M4Tの場合は「8両編成のうち4両がモーター付き・残りの4両がモーターしの車両」ということになる)
 この電車に搭載されているモーターの一個あたりの出が、

  • 75kWの場合:75×4(台)×4(両)=1200kW
  • 100kWの場合:100×4×4=1600kW
  • 120kWの場合:120×4×4=1920kW
  • 150kWの場合:150×4×4=2400kW
  • 200kWの場合:200×4×4=3200kW

 …というように、モーターの出を上げれば上げるほど編成出が大きくなるのは割と簡単にわかるだろう。
 「じゃあひたすらモーターの出だけ上げていけば、高性電車が出来るのか」?甘い。
 単純にモーターの出だけを上げるだけでは、今度はが降ったりしたときに空転を起こしやすくなってしまう。
 機関車列車の場合は、場合によってはたった1両で100t近い重量にもなる機関車が自分の重さで踏んって、力技で高出モーター叩きだす動をレールに伝えるということが可であるが、重くても一両あたりの重量が40tくらいにしかならない電車の場合はこうは行かない。ていうか、そもそも体を自重理やりレールに押し付けて高出モーターパワーをレールに伝えるような車両が5両だの10両だの長編成を組んで、数十~数分おきに走ってきた日には保線チーム過労死します。

 そういうわけで、「編成出を上げればいいんだろ?要は編成全体の出が上がればいいんだろ」という発想で、「モーター一個あたりの出を上げるのではなく、編成中でのモーターを積んだ動率を上げる」という発想が出てきた。
 先ほどと同じく、8両編成の電車列車を例に取ってみると、
 8両編成でモーター一個あたりの出120kWの場合…

  • が4両の場合:120(kW)×4(個)×4(両)=1920kW
  • が5両の場合:120×4×5=2400kW
  • が6両の場合:120×4×6=2880kW

と、動率を上げるだけで、モーター一個あたりの出闇に上げなくても編成全体の出を大きくすることができる。
 カルダン駆動の明期にはカルダン駆動特有の、モーターと駆動用歯車の間に入る可撓継手のスペースを確保するためにそれほど大モーターを作れない(=磁気回路を大きく出来ない=出の大きなモーターを作りづらい)ことが多かったので、「75kWや95kWの高出()」を動の数でカバーするというのが当たり前みたいなものだった。
(当時の条件からすれば、130kWという化け物モーターを積んで、MT1:1を実現した東武8000系は規格外・外道変態オーパーツなのである)
この「編成出モーターを積んだ車両率で引き上げる」という考え方の行き着く先が、オールMである。
 たった75kWのモーターでも、8両全部の軸に付ければ75×4×8=2400kW。150kWの4M4T編成と同じ出を出すことができる。しかも少ない動率のままでモーター一個あたりの出闇に上げるだけより、空転が起こりにくい。モーター一個あたりの出を上げれば、もちろん更なる高出を得ることができる。
 というか新幹線の生みのの一人である島秀雄氏の考えを借りれば、電車なんてものは本来「全部の車両モーター付き、つまりオールMこそが正しい姿」なのである。長い編成に動1~2両なんてのはもう機関車列車名前を変えてもらいたい。

 尚、最近はE231系が4M6Tで120km/h、223系が3M5Tで130km/hの最高速度を叩きだしながら、なおかつ通勤電車として不足のない「起動加速度2.5km/h/s」を達成したりしているが、あれは技術の進歩で少ないM率でも高加速と高速運転を両立させられることが可になったというだけである。

オールM編成は「高出」「高加速にしても空転が起こりにくい」などの特徴を持つため、京急阪神いは地下鉄のような高加速運転を行う鉄道や200km/h高速運転を行う新幹線いは中に長い急勾配が待ち受ける東武近鉄特急で組まれることが多い。
 それ以外にも、JR九州717系900番台のように「2両1ユニットの電動のまま2連にしたために、電気系統の仕様の関係でオールMになってしまった」という例や、いは単純に「短い編成にしたらたまたまオールMになっちゃった」という例も存在する。こういう「本来ならオールMで使わない電車仕様が仕方なくオールMになっている」という電車の場合は、同じ形式の他の編成とべて異様に加速がよかったりすることもある(限流値をいじったり、いはVVVFインバータの設定変更などで性を抑えることも多いけどね)。

 但し、整備の際は一番手間のかかる動が増える(というか全部動)、電車を作るときにも高価な動だらけなので割高になる、消費電も当然増えて環境に関してものになるなどの弱点もいわけではない(消費電に関しては、全部の車両回生ブレーキを使える電動になっている=効率のいい回生ブレーキが使えるという時点である程度相殺できるという見方もできるが)。最近では阪神ジェットカー5550系・5700系モーターの出を上げたかわりにトレーラーを実質1両分挟んだ3M1T構成になっている。(それでもの日の空転に強そうでは有るが)

まあ、なんだかんだ言っても、「全部の車両モーター付きの電車」ってカッコイイよな!な!
さらにその電車モーター180kWとか200kWとかだったらさらに燃えるよな!

出撃・オールM軍団。

日本国内のオールM方式の鉄道車両

(この他にもあったら追加をお願いいたします)

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オールM編成の115系走行音。他の115系とは桁違いに加速がいいことが音でわかるだろう。

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