ジョン・ドリンカー・コープ(John Drinker Cope)とは、「銀河英雄伝説」の登場人物である。
「螺旋迷宮」に登場する自由惑星同盟軍人で、”七三〇年マフィア”のひとり。自身の責務を確実に果たすタイプで、特に後退する敵の追撃を得意とした優秀な戦術家であった。石黒監督版OVAにおける旗艦は<ヴィヴァスヴァット>。
なお、名の「ドリンカー」はれっきとしたミドルネームであるが、この名前に反してコープはアルコールに対しアレルギー体質があり、戦勝の祝杯でもアップルジュースを飲んでいたという。
宇宙暦730年に同盟軍士官学校を卒業。以後ブルース・アッシュビーらとともに多くの戦果を上げ、一級指揮官(石黒監督版OVAでの階級は大佐)として参加した738年のファイアザード星域会戦では、「730年マフィア」として名を挙げる。その後745年頃までに中将に昇進し、第11艦隊司令官に就任。
宇宙暦745年の第二次ティアマト会戦では序盤、ヴィットリオ・ディ・ベルティーニ指揮の第9艦隊とともに前進。帝国軍の砲火が第9艦隊に集中したために隊列を保ったまま帝国軍に接近できたが、同じ理由で第9艦隊が遅れたために単独で進む形になり、敵の集中砲火を浴びることとなった。これを見たアッシュビーは「酔っぱらい集団(ドリンカーズ)になってしまった」と評しつつウォリス・ウォーリックの第5艦隊に援護を命じ、コープは艦列を立て直すとともに、突出した帝国軍の指揮官ウィルヘルム・フォン・ミュッケンベルガーを戦死させた間隙を縫って4.2光秒を後退。第11艦隊は無事味方に合流することができた。
この戦いでアッシュビーが戦死したため”七三〇年マフィア”は離散。コープは宇宙暦750年に大将に昇進し、宇宙艦隊副司令長官に任じられる。翌751年、パランティア会戦の指揮を執ったが、この時彼はいつになく精彩を欠き、帝国軍に翻弄されたあげく30万の死者を出して大敗、フレデリック・ジャスパーの救援も間に合わず戦死した。享年41歳、死後元帥に昇進。
第二次ティアマト会戦の直前の作戦会議において、彼はアッシュビーと激しく対立している。これはアッシュビーがこの時いつになく高圧的で自身の作戦に反駁を許さなかったゆえのこととはいえ、口論の末に痛烈な捨て台詞とともに席を立つというのは平生のコープらしくなかった。会戦中の会議の席でも二人は対立を続け、互いに無視を決め込んでいる。ただし両人共にこの対立を作戦指揮そのものに影響させることはなく、コープは事前のアッシュビーの指示に従い、「酔っぱらい集団になってしまった」ときもアッシュビーは的確にコープを援護させている。
パランティア会戦で戦死した際、ジャスパーが救援に駆けつけるも間に合わなかったが、このことが後にジャスパーがコープを見殺しにしたのだという噂を呼ぶこととなった。コープの未亡人はこの噂を信じてジャスパーを責め、後に謝罪したものの、コープの元帥昇進をジャスパーが伝えた際もついに対面することはなかった。
彼の「ドリンカー」のミドルネームにまつわる逸話として、アッシュビー戦死前のある時(石黒監督版OVAでは中将昇進後)、ウォーリックによってアップルジュースをシャンペンと入れ替える悪戯を受けた際の話がある。この時、コープがグラスを呷った直後に全身にジンマシンを出して倒れる騒ぎとなり、ウォーリックは同盟軍史上唯一の「ジンマシンを理由に始末書を書かされた提督」になったのである。
掲示板
12 ななしのよっしん
2017/08/31(木) 19:35:20 ID: 3GqEXfEx79
なんで同盟軍は帝国軍の「涙すべき40分」の損失の隙をついてイゼルローン回廊を制圧するくらいの攻勢に出なかったのか、と思ってたけど、その隙をつこうとして大失敗したのがパランティア会戦だったのかな。
パランティア会戦の敗戦とコープの死で同盟軍が意気消沈してる間に、帝国軍がイゼルローン要塞を建設しちゃった、とか。
13 ななしのよっしん
2023/12/11(月) 09:45:47 ID: otQ3703O84
コープのアッシュビー後釜失敗説、仮に有りだとして、なぜコープなのか?をちょっと考えてみた。
ジークマイスターがアッシュビーをリーダーに選んだ、の話の時にヤンが挙げた名前がウォーリックとジャスパー。只名前を挙げただけかもしれんけど、ここでローザス、ファン、コープ、ベルティーニではなくこの二人をまず挙げたとこに注目して、ヤン的に見ても一団の長としての適性はウォーリック、ジャスパーが上と見たとする。
で、アッシュビーの戦死とジークマイスターの引退に伴って、諜報分室・同盟政府・軍部は後任として誰を選ぶか、としたときに、ビュコックが言ってた「軍閥化は民主政治にとっての永遠の悪夢」が懸念として出てしてきた、というのがありそうだなと思った。
アッシュビーにジークマイスターが支援してるのを横目で見つつ、内心ではアッシュビーが政治の実権も握ったらどうしよう、みたいなちょっと気が気じゃない感じ。(案外謀殺説じゃないけどアッシュビーが戦死してホッとしてる所もあったかもしれない。)
その点で言えばジャスパーは下級兵士に慕われているし、
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14 ななしのよっしん
2023/12/13(水) 21:07:08 ID: 3GqEXfEx79
ジークマイスター分室からアッシュビーへの情報提供が情報部や統合作戦本部などの承諾を得ていないもので、それが判明して水面下で大問題になったということはないかな。それこそ査問会クラスの事情聴取が行われるレベルで。
で、その際にアッシュビーについて一番積極的に証言しちゃったのがコープで、その報酬として副司令長官に指名された。
ただ、実際にはコープには一個艦隊はともかく複数の連合艦隊を指揮統率できる職務遂行能力や組織運営能力はなかった、それが露呈したのがパランティア会戦だった。
そんな可能性も浮かんだ。
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最終更新:2024/04/30(火) 17:00
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