ランタノイド(英:Lanthanoid)とは、原子番号57番から71番までの15元素の総称である。
概要
ランタノイドは、右の元素の周期表で緑で塗られた部分とつながっているものである。周期表を見慣れない人からするとわかりづらいかもしれないが、これは下にはみ出ている原子番号57番から71番の元素が全て3族の第6周期に属するということを意味している。
なぜこのようにはみ出しているのかというと、最外部の軌道にある電子数が同じまま、内側の4f軌道にある電子数が異なるという原子構造をしているためである。より簡単に言うと、外側は同じ構造をしているが内側にある電子の数が違う。外側の電子配置が似ていると元素の性質も似てくるので、ランタノイドは全て似た物理的、化学的性質を持つ。そのため、これらの元素を分離することは非常に困難である。例えば、かつてジジムという元素があるとされていたが、実際のところランタノイドであるPr(プラセオジム)とNd(ネオジム)の混合物だった。このため、プラセオジムは「緑色のジジム」という意味があり、ネオジムは「新しいジジム」という意味がある。
ランタノイドからLa(ランタン)を除いた14元素はランタニドと呼ばれることがある。また、ランタノイドに同じ3族のSc(スカンジウム)とY(イットリウム)を加えたものはレアアース(希土類元素)と呼ばれている。
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用途
単に「ランタノイド」と聞くと、「自分たちの生活にそんなものは関係ない」と考えてしまうかもしれないが、身近なところでもこの元素は使われている。ニュースでレアアースの話が時々されていることを考えれば納得できる。
Nd(ネオジム)が強力磁石の原料になっているということは知っている人が多いだろう。また現在ではほとんど見かけないが、カラーテレビのブラウン管にもイットリウムやユウロピウムを中心とする希土類元素が使われる。他にも蛍光灯やハイブリッド自動車などにも使われる[1]。
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関連項目
脚注
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