癶とは、両足を開く、背ける、出発するという意味の漢字である。
漢字として
- 意味
- そむく、出発する、行く、という意味がある。
- 〔説文解字〕に「足、剌癶(ラツパツ)たるなり。止𣥂に從ふ。讀みて撥の若くす」とある。剌癶はバラバラというような意味の擬声語。
- 字形
- 止+𣥂の会意。止と𣥂はどちらも足趾の象形で、𣥂は止を左右反転した字。癶は止と𣥂を左右に並べているので、両足のならぶ形である。ちなみに止と𣥂を上下に並べた字は歩。
- 白川静は、左右の足を並べる字形なので、出発するという意味であるとする。甲骨文に囗を上に置く字があり、征と同じく城邑を攻める意味があるという。
- 音訓
- 音読みはハツ、訓読みは、そむく。
- 規格
- 常用漢字ではない。JIS X 0213第二水準。
- 部首
- 癶は部首癶部を作る。意符として足の動きに関することを表す。冠に置かれはつがしらと呼ばれる。
異体字
- 𣥠は、篆文をそのまま楷書にした字。癶はこれの隷書。
- 𠇿は、〔五音集韻〕にある古文。
互換文字
AA
その形状から昆虫(というかゴキブリ)の足や、まつ毛の長い目を表すのに使われる。
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