>(:|三) ))) カサカサ...
jp | ゴキブリ |
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de | Schaben |
es | Cucarachas |
tw | 蟑螂,小強 |
ゴキブリ(蜚蠊)とは「御器かぶり」が転訛した名前を持つ、「黒くて硬くててらてら光ってて暗くて狭くて湿ったところが好きな、わりに速いせーぶつ」であり、昆虫網ゴキブリ目のうちシロアリ以外の総称である。[1]
ニコ動画タグ「ゴキブリ」ではゴキブリ関係の動画は全てこのタグに所属し隔離される。
また忌避すべき愛らしい名称から別名「G」とも呼ばれることがある。
当項目では概要のイラストとアイコンを除き、それ以上の写真等は掲載していません。
リアルなゴキブリの写真が見たい方は記事下部にあるスクロール窓を参照してください。
概要
ゴキブリ(蜚蠊) |
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長い触角、扁平な楕円形の体、発達した脚、油を塗ったがごとき体表等の特徴を持つ。触覚の感知能力は非常に高く、六本の足は瞬発性に優れ、何れも生存に適した進化を遂げている。おそらく日本人にとってもっとも身近な昆虫の一種であろう。
約3億年前の古生代から絶滅せずに生き残っており、現在は熱帯を中心に全世界に約4,000種が存在する。この為「生きた化石」とも言われる。又3億年も種として残存しているので「リア充」の範疇に入るかもしれない…ゴキブリ爆発しろ!
菌類、樹液、朽ち木、生物の死骸、仲間の死骸、糞、残飯、人間の垢や毛髪、和紙や油、プラスチックやゴムまで何でも食べる雑食性である。この雑食性のために、森では重要な分解者としてシロアリ共々一定の地位にいると言える。
散らかった家や下水道に居るイメージが強いが、地球上のゴキブリの大半は山の中などに棲息しており、全体のごく一部がたまたま都市部の棲息環境に居るだけに過ぎない。屋内よりも夜間の公園の樹木の方がよほど出没しやすく、夜中のゴルフ場なんて実は凄まじい事になっているが、野生のゴキブリは前述の通り自然の中で生きるごく普通の虫なのでそれでどうこうという事は全く無い。
主に害虫として認識されるのは所謂「人家生活型」の一部のゴキブリであり、便所や台所を経て健康者に病原体を媒介したり、熱・電磁波に釣られてか、機械類に侵入して内部の配線等を切断・破壊したりする。
活動している人間を襲って傷つける事は無いが、就寝中などにゴキブリに噛まれた事例は存在する。
また窮地に陥ると飛翔しての逃走を試みるため、時に人を驚かす。
ゴキブリの羽はあまり飛行には適しておらず、どちらかといえば滑空に近い。そのため、床から飛んで逃げるということは不可能であり、壁のある程度高いあたりに張り付いた状態から、羽を広げて滑空するというケースが多い。なお、このとき人間をわざと目指していると思われることがあるが、その理由は、適度な高さにある人間の体を着地点として定めてしまっているからであり、体を低くすると向かってこなくなることがある。
本来は皮膚からは殺菌作用のあるフェノールやクレゾールを分泌する森林に住まうきれい好きの昆虫である。人家生活型の生活をするゴキブリは何でも食べる雑食性故の不衛生な腐敗物・ゴミ等との接触があり、様々な病原体が検出され、体表面の病原菌の付着・ゴキブリの排泄物を通して病原菌の伝播の危険性がある。感染症ウィルス(ポリオウイルス・赤痢腸チフス・コレラ・腸炎ビブリオ・サルモネラ菌等々)や食中毒ウィルスなどが検出された例もある。[2]
このように、特に噛むこともなく毒も持っていないにもかかわらず純粋な不快さだけで害虫の頂点へ上り詰めた、ある意味無双の実力者である。
一応夜間に人間が寝ている間に噛みついたり、唇などから水分補給しようとしたりすることはあるが・・・
御器(食器)をかぶることから明治時代まで名前が、「ごきかぶり」だったが、文献の誤植で、「か」の部分が抜けてしまいそのままゴキブリとして誤って広まってしまったとされる。
種類
住居に侵入したり、内部で繁殖することで知られるゴキブリだが、実際にはそれらの習性を持つ種は全体の1%以下にすぎない。
日本で目撃される、主な種は以下のとおりである。
クロゴキブリ
「ゴキブリ」と聞いて多くの人が思い浮かべるであろう姿の種。
いかにも「ゴキブリ」らしい、あのイメージ通りの見た目ならおそらくコイツだろう。
その名のとおり、黒い種。幼虫は黒い体に2本の白い線、成長中の個体は赤茶色、成体は黒色である。
北海道を除く殆どの地域で生息しているが、本州でも太平洋側は宮城県、日本海側では新潟県以北では活動がほとんど見られない。 成体で約3cmほど。
日本で最も多く確認される種のひとつであり、住居に侵入する。
が、意外にも繁殖力は比較的低い種であり、むしろ巣を中心にした行動範囲が非常に広い種である。
また、生息分布はむしろ森林に多く、枯れ木などの重要な分解者としての地位を担っている。
飛ぶのは主にこいつ。加えて行動範囲も数百メートルと非常に広く、繁殖力の低さを行動力でカバーしている。
つまり、近所にこいつの巣があると配管等を伝って自分の所まで進撃してくることがあるということだ。
繁殖サイクルは意外にも長く、成体になるまでは1年以上掛かる。フンや、特に1cm近くある卵は見分けやすく、きちんと対策すればすぐ駆除可能。自宅内に子ゴキやフン等の兆候が全く無く、大型の成体が突然ぽつんと現れた場合は、自宅に営巣済みの可能性は低いので、過度に怯える必要はない。出現しても、丁寧に各個撃破を繰り返していればいつの間にか居なくなっている事が多い。
チャバネゴキブリ
その名のとおり、茶色っぽい種。一見して分かる赤成分の強い赤茶色と、Gらしい風格がなく遠目に小さいコオロギ程度に見える体躯が特徴。黒い2本の線が走っている。かなり小型な種であり、成体でも15mmを超える個体は殆どいない。また、羽が退化しており飛べない。
飲食店では最も多く沸く種。職種によってはクロゴキブリよりもこちらに馴染みがある人も多いだろう。ビルのような建造物を好み、食材を放置していない限りは一般住居に営巣することは少ない。
というか、土台行動範囲が2~7メートルと非常に狭いため、例え隣室・隣家に巣があっても侵入してくることは少ない。一般家庭で繁殖するのは、既にチャバネが繁殖している飲食店に勤務している住人が持ち込んでしまったときか、新しく引っ越した物件ならば前に住んでいた人が繁殖させてしまっていたときぐらいしかない。
その代わり、繁殖力が非常に高く、俗に言われる「1匹見かけたら○○匹棲んでいると思え」というのは主にこの種を指す言葉である。産卵数と繁殖サイクルが高く、仮に温度と餌の量が最適な状態で1年放置した場合、単純計算で2万匹に増殖するといわれる。また世代交代頻度の高さから薬剤耐性が強く、毒エサを撒くとクロゴキブリが全滅する一方でチャバネは平然としていたりする。一度営巣されると根絶が難しく、体が小さい為に人の目や想像が及ばないような僅かな隙間に潜んで生き延びる(例:冷蔵庫の扉の縁のゴムの間やカーテンレール等)。気付くのが遅いと、人がまともに住めなくなり引っ越しを余儀なくする事例もあるので、早急に対応する事。行動範囲が狭いということは、一度出現したら家の中に巣がある可能性が高い、そして向こうから出ていく事は無いという事なので、こちらから手を打たなければみるみる増殖する。行動範囲が狭いので、同じ部屋の中でも巣の近くの一角ほどよく出没し、離れた一角には来ない事が多い。頻度の高い箇所を探せばすぐ近くにあるはずだ。根本の出現地点に関与しない限り、出現した個体を駆除しても何度でも現れる。
クロゴキブリと違い卵を持ち歩く。潰した時だけでなく、危機を察知するとその場に卵を残す事があるので、本体を仕留めても周囲を必ず確認する事。
しかし寒さに弱く、温度が一定でないと繁殖力が急激に弱まる。夏場に大量に発生しても、冬場に冷え込むと一気にその勢いは弱まってしまう。東海以南が主な生息地。もっとも、北海道であっても札幌市内のすすきのの繁華街ならば、非常に小型だが繁殖していることもある。
ワモンゴキブリ
赤茶色をした大型の種。本項の見出し2にあたる欄のアイコンに、最もよく似た種。
住居に侵入する種としては最も大型であり、大きければ5cmを超える。また、攻撃的であり、人をかむこともある。
非常に温暖な地域に生息地は限られており、日本国内では沖縄が主な生息地となっている。しかし、本州でも温泉地などで細々と繁殖していたケースがあるほか、最近になって和歌山県で繁殖が確認されている。
大きいぶん見た目が非常に恐ろしいが、動きは遅く繁殖力も低い。
ヤマトゴキブリ
クロゴキブリに似た種。人家で営巣することはまずなく、森林で繁殖する。
ペット
ゴキブリの愛好家は世界中に存在し、日本でもペット用として様々なゴキブリが輸入されている。
ペットとして代表的なのは、オーストラリアに生息している、名前の通り鎧をまとったような姿のヨロイモグラゴキブリなど。ギザギザの足はやはりゴキブリだが、ダンゴムシがより大柄で逞しくなったような姿と、温厚でのろのろした生態が人気で、ゴキブリ嫌いの人でも割りと拒否感は薄いかもしれない。
1993年6月4日には岡山市でゴキブリの品評会が開催された。当時は大きさだけを競っていたが、その後も好評につき続いていき、やがてゴキブリの大きさだけで無く艶、触覚のそり方、仕草などさまざまなものを競うようになった上、近年ではゴキブリレースも開催されるなど、年々エキサイトしている。
ちなみに、ゴキブリの知能は(昆虫にしては)飛びぬけて高いといわれ、海外には、餌付けなどである程度手懐けることができると主張する学者や愛好家もいる。科学的な実証も試みられているものの、この説に関しては今のところ確かな根拠は無い。が、何度かにわたってこちらに敵意が無いことを刷り込んだ場合、人間が近寄っても動かなくなるという結果が見られたこともあった。
利用
雑食かつ繁殖も容易なことから、様々な国で食用・薬用・実験用モデル生物として用いられている。清潔な環境下で育成すれば臭みも少なく、種類によっては可食部も大きい。調理法は食人口の多さゆえ多岐に亘るが、東アジアでは油揚げが一般的である。
日本でも、平安時代あたりまでは食用として利用していた節がある。
※ただし、これは食用種や野生種の話であり、一般家庭の台所などから見つかる個体は毒性物質の「生物濃縮」が進んでいる危険性が高く、食用は不適切である。
がしかし、2010年1月19日にニコニコ動画において、ゴキブリを食べているところを動画にしてうpした者が現れた。
投稿者は「ゲテモノキッチン」シリーズの廃水さんで、調理内容はゴキブリ味噌汁と生食である。
興味のある方は検索してみましょう。
その他、ある種は、漢方の世界では血行促進の妙薬として利用されていたこともある。
養殖
卵生の繁殖形態であり、オスゴキブリとメスゴキブリの交尾によって卵が発生する。が、単為繁殖も可能。
板状の卵鞘が並んだ卵から子ゴキブリが数十匹現れる。
余談だが、ゴキブリのメスが放つフェロモン「ブラッテラキノン」は非常に誘引能が高く、約1億分の1gでゴキブリが動く。
アメリカ合衆国などには、モデル生物用としてゴキブリの養殖・販売を請け負う業者がいるという。
中でもワモンゴキブリは評価が高い。
日本でも兵庫県のアース製薬の研究所で約60万匹のゴキブリを飼育している。現在定番のゴキジェットやブラックキャップはこのゴキブリ達の尊い犠牲によって生み出されている。
駆除(対ゴキブリ戦争におけるABC兵器)
物理攻撃(Attack)
もっとも単純で威力も高いが、いわばその場しのぎの対処法であり、家の中で繁殖している場合は根本的な解決にはつながらない。
打撃
一番単純でわかりやすく、高威力。そりゃ流石に潰されれば生きていけない。
しかし、人によってはどれだけ必死に追いかけても仕留められないこともある。そもそも、ゴキブリの素早い動きに追いついて直接潰せれば苦労はしない、という人が大半のはずである。
叩き潰した場合に置き土産を残す場合があるので要注意。オスを潰した場合、危機によりフェロモンを出し、他のゴキブリが寄ってくる恐れがある。メスを叩き潰した場合、体内にあった卵や幼虫が四散する場合がある。駆除したつもりでも周囲をきちんと掃除しないと後に惨事につながるので注意。
また、死んだふりをする知能があるため、動かなくなっても物理的に完全に破壊するまで油断してはならない。
代表的な装備は以下の通り。
- スリッパ:すぐに使えるなど取り回しがよく、底部分が厚い為、威力もそこそこ。だがリーチが短い上、ゴキブリを潰した後では使うのにも気が引けるかもしれない。
- 新聞紙:丸めて棒状にして使用する。リーチの長さは随一で、仕留めた後に包んで捨てられるなど機能的。しかし所詮ペラ紙であるため、クリーンヒットさせても仕留め切れないことがある。
- ハエたたき:威力・リーチともに申し分ないが、いざ使おうと思っても、何処においてあるかわからなかったり、やっと見つけたと思ったら逃げられていたり、普段使わないので使いこなせなかったりする。
- 本:面の広い攻撃範囲が優秀。威力も高く、狙いの精密さもそこそこだが、攻撃範囲と重量は本のサイズ次第。メスを潰しても卵ごと範囲攻撃で押し潰すので爆散しない。しかし攻撃範囲の広さが仇となり、広い壁や床に居ないと狭くて攻撃できず、物陰に潜まれると不利。また本を押し付ける動きの為、外した場合の連打力が低い。無闇に連打せず、攻撃チャンスを見極めて確殺できるタイミングで一撃で仕留める必要がある。当然だが基本的に使い捨てになるため大前提として不要な本が必要。
- ティッシュ:素手の精密性を多く保ちつつ触れずに済む攻撃手段。本と違い柔らかく変形するため、狭い角に逃げ込まれてもそのまま押しつぶす事ができる。しかし、厚く重ねるほど衝撃が吸収されるので、入念に押しつぶさないと殺したつもりが生きている場合がある。
- 素手:命中率や威力は一番高いが、精神的な反動も一番。新聞紙などを手に巻くという妥協策と一緒に。
- ばあちゃん・オカンの素手:例外。ある年齢以上の女性はゴキに対する恐怖心が殆どないことが多い。最強。
ゴキブリは(虫にしては)知能が高い。人間にとって最も厄介な隙間に的確に走り込む判断力を持つので、突然ダッシュした場合も、逆にその知能の高さから無秩序に飛び回るハエ等より逃走先が予測しやすい。物陰の方向に向かって先回り攻撃すれば比較的容易に仕留められる。
万一見失った場合、ゴキブリの存在を知ってしまった為に、寝込みを襲われる危険に怯える事になり恐ろしい思いをする。できれば再捜索し確実に仕留めきるのが一番だが、それができない場合は、後述の設置兵器との併用で、人間本体が睡眠中でも罠の自動稼働での撃破が期待できる。
凍結
薬剤によるいわば毒殺ではなく、ガスの昇華・断熱膨張による冷却効果でゴキブリを凍結させる攻撃。
かつてライオンが発売していた「氷殺ジェット」が、このコンセプトで開発された商品だった。
薬剤がない分噴射量は多くなってしまうが、ゴキに対する殺傷力はそれまでの薬剤系兵器とは比べ物にならず、一度命中させればほぼ確実に仕留められたため、発売されるや否や瞬く間に対ゴキ兵器の上位に食い込んだ。薬剤を使用していないため人体には影響が小さいというメリットも持つ。
が、「凍結」というイメージが、可燃性ガスが使用されているという事実を想起しづらかったためか、引火事故が多発。発売停止となってしまった。恐らくもう入手は不可能である。
現在、引火性の低いガスを使用した商品「ゴキブリ凍殺ジェット」がフマキラーから発売されている。とある人の実験レポートによると、これだけで殺すにはかなり長い時間噴射しなければならないようである。その後「ゴキブリ凍止ジェット」も発売されたが、「凍殺」でなく「凍止」なのはそういうことなのだろう。動きは止められるようなので、その隙に別の方法でトドメをさすのが有効か。
熱湯
生命力の高さをある種誇大に喧伝されることが多いゴキだが、所詮は虫。バクテリアか何かというわけではないので、行動できる温度状況の広さはあくまで「虫にしては広い」程度である。実は熱にものすごく弱い。
大体セ氏70度以上の熱湯をかけると、即死する。ちょっと危険な上に準備が面倒だが、洗剤をかけるより後始末が楽。
沸騰まで行かずとも、お風呂のお湯側の蛇口を全開にした時の熱湯程度でもそれなりに効果はある。敏捷なゴキに熱湯をぶっかけるのは難しいので、上記の凍結系スプレーで動きを止めてから「メドローア!」とか叫びながら熱湯をかけるのも一興かもしれない。
台所の水周りに現れたときなどにはこの方法を用いるチャンスである。しかし場合によっては煮汁が出ることもあるので、注意はしておきたい。
何かを購入する必要がなく、電気代もしくはガス代以外に金もかからないので、節約したい人にはお勧め。
が、遭遇してから沸かせても遅すぎるので現実的には使用可能な状況は非常に限定される。
風呂場や台所の排水溝から侵入してきて困る、という人は、家庭用漂白剤か熱湯を数日毎に流すようにしよう。
銃撃
人によっては(例:対ゴキのスペシャリスト・両さん)、ゴキをBB弾を用いるエアソフトガンで銃撃して仕留めることもできる。
確かに手軽な飛び道具で例えBB弾であっても直撃すれば一撃で殺傷できるパワーを有しているし、命中精度の高いモデルを使えば10m程度ならば十分命中が期待できるが、最悪四散する。
ゴキに対して余裕のある人間のみに許された余興、といった程度でとらえておこう。
当然であるが、18歳以上用のエアソフトガンは条例によって18歳未満の者が所持することを禁止されている場合も多く、初速も高いので跳弾により思わぬところの家具や窓を傷付けるおそれがある。
近距離であれば10歳以上用のものでも十分に戦うことは可能であると考えられるので[要検証]、くれぐれも条例や安全に気を付けた上で行って頂きたい。
パワーのあるエアソフトガンといえばガスガンを思い浮かべる人が多いが、初速とパワーソースには直接の関係はなく、むしろガスガンは連射・ブローバック・リボルバー等を楽しむのに適しているのであって、温度変化によって初速が安定せず、特に冬場はまともに撃つことすらできなくなる場合もあるので、対ゴキ戦闘用にガスガンを制式採用するのはあまりおすすめしない。
なお、大人から子どもまで楽しめる工作である「ゴム銃」を駆除に用いている人もいるらしい。
こちらは通常の16番の輪ゴムでは若干威力不足かもしれない[要検証]。
生物兵器(Biological)
対人戦争で用いられる生物兵器は大抵病原菌やウイルスであるが、こちらはモロに「生物」兵器である。ゴキを捕食する生物を利用するもの。ペットとして飼う物や、いわゆる益虫と呼ばれる生物を用いることもある。
- アシダカ軍曹(アシダカグモ)
- ゴキ対策を心得た人間ならば誰もが知っている、ゴキ駆除のエキスパート。次から次へとゴキを喰らい、1匹のアシダカグモが居るだけで、その家のゴキブリを数ヶ月と持たずに絶滅させる程の制圧力を持つ。
直接飛びかかるタイプの蜘蛛なので巣は作らず、人間や人間の食料には一切手を出さず、、殲滅したら次の狩場を求め勝手に家を出て行く、まさに仕事人。「軍曹」 は、そのいぶし銀の生き様を尊敬する人々がつけたもの。ゴキブリの移動速度に対抗できる数少ない存在(残りはゲジゲジくらい)だが、長距離では不利なため待ち伏せをとることが多い。 - 働きぶりだけ見れば紛うことなき益虫なのだが、最大の問題点は、外見がゴキブリと同レベルに恐ろしい事。人間の掌を広げたくらいのサイズで、壁や天井を猛スピードで駆けまわる姿は不快害虫そのもの。捕食中の現場を目撃した日には、ダブル不快害虫のツープラトンでトラウマ間違いなし。
- 性格は臆病で、人間の歩く振動を感知しただけでも物陰に隠れて出てこない。出動中の軍曹に撤退願いたいときは物音を立てるだけで良いので簡単だが、作業中や睡眠中にじっとしていると出てきて体の上を走り回る可能性はどうしようもない。その辺りに目を瞑れるならまともな駆除手段として実用可能。
- ヤモリ
- 害虫を食べてくれることから今の名前を得た爬虫類。窓に張り付いていたり、部屋の隅っこを散歩していたりする。人によっては可愛いという。
単純な捕食能力ではアシダカ軍曹をも超えるが、腹が膨れると興味を失って何もしなくなるうえ、体が小さいのでそうなるまでが早い。そのため駆除能力は若干下。 - ムカデ
- ゴキに負けず劣らず怖い外見の節足動物。
捕食能力は一流で、アシダカ軍曹と同様に食欲より戦闘を優先する獰猛さも持つばかりか、しばしばゴキの巣にカチコミすら仕掛けるバーサーカー。巣を制圧したあとは、好物の卵を堪能する。
だが、何分外見がやばい上、アシダカ軍曹と違ってヒトにも喧嘩を売るという欠点がある。よく噛み、しかもたいてい毒があるのでめちゃくちゃ痛いという正真正銘の害虫であるので、部屋に住まわせるのは非常に厳しい。庭に放って門番になってもらうぐらいが妥協点か。 - ゲジゲジ
- これまたキッツイ外見の虫。正確に言えばこいつもムカデ。軒下などによくいる。
ムカデと同程度の駆除能力を持つが、人には一切危害を与えないという、まさに上位互換な益虫。
だが、やっぱり外見がえぐいせいで不快害虫に認定されている(アシダカ軍曹も同様)。
純粋に移動・攻撃だけに特化した零戦のような体で、ゴキブリを執拗に追いかけて捕食する。その代わりに打たれ弱く、ゴキを殲滅する前に自分が乾燥などで死ぬことも多い。 - エメラルドゴキブリバチ
- ゴキに麻酔をかけて捕獲し、ゴキの体に自分の卵を産み付けて放置、孵化した幼虫に生きたまま食わせるというホラーさながらの生態を持つハチ(他の昆虫やクモを幼虫の生餌にするハチ類は割とたくさんいる)。
性質上一匹あたりのゴキ捕獲数が多くなく、そもそも日本には生息していない事から生物兵器として利用するのは困難か。一応近縁種であり、同じような生態を持つセナガアナバチが本州以南に生息するが・・・・・・
彼の荒業は動画で見る事ができるが、あまりにグロすぎる為視聴するのも困難かと思われる。詳細は概要を参照せよ。というか、こいつ自体がブンブンと飛び回るので、考えようによってはゴキブリよりも質が悪い。 - 猫
- 必殺の猫パンチ。
- 好奇心旺盛で、ゴキを追いかけ、遊び、主人の下へもってくる。
- また、Gに噛み付いた口で人間をペロペロしてくる事もある。
- 始終寝ているばかりで大して役に立たないようにも思えるが、目線が人間より低く動体視力もあり、暇を持て余しているので人間が思っているより警備力は高い。実際に鼠駆除の益獣として飼われていただけの事はある。ゴキブリ側も始終部屋に居る猫を警戒して出てこなくなるので、飼っているだけでいつの間にか遭遇率が下がる。ただし守備範囲は猫の興味を引くサイズで動き回る物に対してのみと限定的で、ゴマ粒サイズの幼虫や隠れた巣の駆除に対しては全く役に立たない。
- 猫は動く物に対しては興味を持つが、同時に見慣れない物に対しては臆病でもある。生物兵器の中では知能が高く個性があるため、ビビりな性格だと「高速で動き回る知らないデカい虫」に臆病さの方が勝って猫の方が逃げ回り、全く役に立たない。
また、ゴキ用に設置してあるホウ酸団子は、猫が好んで食べる味や匂いではないが、好奇心旺盛な為に触れたり齧ってみたりしてしまう可能性はあり、居ると設置できずかえって対策を練りにくくなるかも。 - 容器でガードされており、そこに体を突っ込んでゴキブリが食べる時以外は簡単に触れられない構造のブラックキャップならば誤食の危険はないと思われるが、容器ごと転がして遊ぶ可能性がある。
- 猫に限った話ではないが、言うまでもなくバルサンは要注意。犬猫は有機リン酸への耐性が低く、ハムスターや小鳥などは体重が軽いので文字通りの致命傷になってしまう。隣室などと横着せずに、大変でも預かってもらうかケージに入れて一緒に外にでるなりしよう。
化学兵器(Chemical)
化学薬品を用いてゴキの内外からダメージを与える。ゴキ退治用の商品は大半がこの方式である。
噴霧(スプレー)系兵器
ゴキジェットプロ
- スプレー系最強のゴキ兵器。薬剤系でこれ以外の噴霧系兵器はお勧めできない。
通常版ではなく、「プロ」版であることに留意されたい。さらに「プロ」版には緑色と黒の2種類のパッケージがある。この通称GJPは、同社のアースジェットなどと比べてもまさに別格の強さを誇る鉄板兵器である。 - 従前からコンビニやスーパーなどでも販売されていた緑色の「ゴキジェットプロ」と比べて、黒の「ゴキジェットプロ 秒殺・まちぶせ」は配合している成分の関係上医薬品であり、平成26年の薬事法改正以前は薬局でしか購入出来なかったという曲者である(現在は一部のスーパーなどでも販売されている)。神経に作用する薬剤が多く、ガス圧が非常に強い。緑色のゴキジェットプロに配合されているイミプロトリンは神経に素早く作用し、ゴキの動きを瞬時に止める効果がある。触れずに遠くから処理でき、威力も高く非常に優秀。他の方法で処理するにしても1本は常備しておいて損はない。
- スプレー故に初撃のジェット圧で吹き飛ばして行方不明になる事があるのが欠点。そのため床壁面に垂直に撃つか、壁際に向かって撃つのが良い。そうでない場合は物理攻撃で一撃で始末できる広い場所に居るならそちらで攻めた方が良い。激しく動き回り狙いがつかない、あるいは狭い場所に居て攻撃しづらいという場面で真価を発揮する。
- 霧がかすっただけでも半身不随になる事が大半なので、仮に吹き飛んでも吹き飛ばした方角を探せば大抵瀕死で転がっている。大量に散布すればそのまま殺す事もできるが、基本的にトドメを差す能力には長けていないので放置しておくと回復する可能性がある。このため、単に紙などに包んで捨てるのではなく、紙の上から押し潰しておいた方が良い。
- 隠れたゴキブリを炙り出す簡易バルサン的な使い方も可能。付近に少し噴射して嗅がせただけでもじっとしていられず猛烈に慌てる。巣と思しき場所に噴射すると、居る場合は中がパニックになりガサガサと音がするので分かる。沈黙してから開ければ開けた瞬間に生きたGが噴出する事態を回避できる。
黒のゴキジェットプロはメトキサジアゾンという致死性が高くなおかつ残存効果もある成分も入っているため待ち伏せもOKと非常に高性能。小売価格が1本800~1,000円程度と他の噴射型兵器と比べても飛びぬけて高価だが、値段に見合った威力を持っている。
余計な商品には手を出さず、多少なり遠出することになろうとも、必ずこれを買うようにしたい。- ちなみに、空気中に散布する以上、大量に放つと人間にもそれなりにダメージが来るので注意。霧を直接吸い込むと舌が痺れる程度にはヤバイので、速やかに水でゆすいで吐き出す事。
洗剤
台所用がポピュラーだが、ゴキの体の油を落としてしまう効果があればトイレ用だろうがバス用だろうがかまわない。
ゴキが天井やら壁やらを這えるのは、その体を覆っている油のおかげであり、洗剤でそれを落とされると壁はおろか普通の床すらも滑ってしまい、満足に移動できなくなる。ましてそこに洗剤の粘性が加わるため、その場で足止めされる。また、ゴキの気門(呼吸するための穴、ヒトでいう鼻の穴)は油で保護されているため、この油が落ちて洗剤で詰まると窒息死する。
早い話、洗剤をまともに浴びせられれば致命傷であり、スプレー状の薬剤や打撃よりも効果があるのだ。
絨毯の上などでは使えないという難点はあるものの、死骸や殺虫剤の不快な匂いの代わりに洗剤の爽やかな香りを残すことが出来るなどの利点もあるため、選択肢としては有りである。
台所用洗剤をドロっとかけることができれば最高だが、狙いに難がありまず当たらない。ノズルから噴射するタイプの風呂・トイレ用洗剤の方が使いやすいかもしれない。直接当たらない場合は結界を作るように周囲を固めてしまえば脱出困難になる。
台所に出没する場合、シンクに洗剤を撒いておくと蟻地獄状態になり捕獲できる。
設置型兵器
ゴキに対する罠のようなもの。設置しておき、ゴキが引っかかるのを待つ。
ホイホイ
サムネホイホイの語源になるほどポピュラーで伝統的な設置型兵器。
家のようなデザインの箱であり、入ったが最後、ベタベタした床にくっつき、ゴキは二度と出てこられなくなる。
ゴキブリを決して逃さない機能と、その姿を見ずに捨てることが出来るのが特徴。
が、中が死骸で埋まることも珍しくなく、粘着力が弱まったその上を他の個体が悠々と闊歩し、逆に死骸に引き寄せられてホイホイに巣を作る事もあるので、こまめな交換が必要。
あまり経済的ではなく、巣がある場合はあまり効果がないので、後述の餌を用いた設置型兵器の台頭以降は左前である。
しかし逆に、巣を作る前の段階、侵入した1匹目を仕留めるためには大いに役立つ。毒餌では、食べてから効果が現れる前に産卵することもあるからだ。
ちなみに「ごきぶりホイホイ」はアース製薬の登録商標。似たような商品はいくつもあるが、発売と同時に大ヒットして以来あまりにも人気なため、このタイプの商品の名前そのものとして「ホイホイ」が広まっている。
毒餌系兵器
ゴキの餌となるものをわざと設置し、その中に薬剤を入れておくことでゴキを駆除する方法。
恐らく、最も効果的で主流な駆除方法。ベイト剤とも呼ばれ、プロの駆除業者も基本的にはこの手段を用いる。
とっさの対処ではなく予防に近いが、こちらの方が効率的で根本的な解決に繋がる。スプレーと違って毒を確実にゴキの体内に送り込める上、他のゴキにも効果を及ぼすためである。
というのも、薬剤を摂取したゴキはすぐには死なず(わざとそういう薬を使っている)、巣へ戻ったり暗所へ引っ込んだ状態でフンをして死ぬのだが、ゴキはフンや死んだ同類の体も食べる習性があり、他のゴキは毒性の残っているそのゴキのフンや体を食べてまた死ぬという連鎖を生めるからだ。この連鎖によって、最終的には巣が全滅するというわけである。効果は最強クラスで、食べた個体は数時間以内に確実に死に至る。フンによる二次効果は巣の全滅率3~5割と、効果は高いながらも不確実なのでオマケとして考えよう。
ただし、開封から一定期間を過ぎると薬剤の効果が消え、ただのいい餌になってしまうこともあるので、使用期限を超えての放置は禁物。設置日と設置場所はきっちりメモしておき、期限を過ぎたらすみやかに残らず回収しよう。
また、周囲に他に食べ物(髪の毛や皮脂等も含む)が散乱しているとそちらを好んで食べるので毒エサを設置しても見向きもしない。人間が普通の食事やおやつがある状態で乾パンを進んで食べないのと一緒。掃除もせずに適当に撒いても意味はないので、これを食べざるを得ない状況にしてやろう。
- ブラックキャップ
- 設置型兵器の中でも恐らく最強の兵器。即効性・毒性ともにトップクラスで、2chなどの匿名掲示板の対策スレッドでは真っ先に名前が挙がる。ニコニコ市場でも、売り上げはトップクラスである。
神経毒であり、食べたゴキブリは頭がパッパラパーになって死ぬ。
効くかどうかが不安だったり、何を買えばいいかわからないなら、とりあえずこれを買って設置することを勧める。 - 餌には誘引性があるが、有効範囲は数十cm程度なので外のゴキブリを呼び寄せてしまう心配はない。なので説明文どおりに屋内に設置するのが正しい。また1つでは範囲が狭いので、結界を張るように大量に一気に設置すると良い。逆に屋外や窓の側等に設置してしまうと、直接食べた個体の駆除こそできても余計な野生ゴキブリを家の周囲に集めてしまう危険がある。屋外に設置する場合は誘引範囲の小さい屋外用があるのでそちらを使う事。注意点として、屋内であっても人間が屋内だと思いこんでいるだけ、つまり気づいていない壁穴や隙間の傍に設置するとこれも外から呼び込むので塞ぐ事。
- 文字通り何かの蓋にしか見えないので、部屋中にばら撒いても日常生活の邪魔にならず扱いも簡単。たまに中を除くと餌の減り=生息数や有効状況が確認できる。もっとも、見て分かるほどすぐに減るような状況は既に相当だと思われるが。
- 時間が経つと餌がカビて使えなくなる。ゴキブリはカビた食品は食べないので逆に餌になるようなリスクはないが、効き目も0になる。メーカー側は半年を目処としているが湿気やホコリ次第でそれより長くも短くもなる。場持ちする環境なら実際2年くらい使えなくもないが、大抵はその前にダメになるだろう。
毒餌系の中では餌が堅い部類であり、あごが未発達の幼虫は直接食べてくれない可能性がある点も注意。 - コンバット
- ブラックキャップに負けず劣らずポピュラーで高威力の設置型兵器。
こちらもお勧めだが、期限(3ヶ月程度)を過ぎて設置しておくと巣になりやすいため、注意が必要。 - なお、「プロ」と「α」の2つがあるが、「プロ」は主に「チャバネ」用である(チャバネは飲食店に多いため)。黒いのが出ている場合、両方がいる場合は、「α」を買おう。
- ホウ酸団子
- 最も伝統的で古典的な設置型兵器。しかしその威力はいまだトップクラス。
ゴキブリの好むたまねぎ・ジャガイモをペーストにし、その中にホウ酸を練りこんだ団子。現在は市販されているが、自宅で作ることも多い。
ホウ酸を摂取したゴキはまず視力を失い、次に体内の水分を失い、さらには消化管が壊死していく。
目も見えないままフラフラになりながらゴキは水を求めてさまようわけだが、いくら水を飲んでも回復することはなく、最期は屋外で水を求め出たまま、もしくは台所や風呂場などで乾ききってミイラ化して死ぬわけである。流石にちょっと可哀想に思えるかもしれない(下の擬人化されたゴキたちがこういう目に遭うところを想像すると余計にである)。
もちろん、ミイラ化しても体内にホウ酸は残っており、その死骸を食べたゴキも同じ目に遭う。
耐性のつけようがない強力な薬物なので、一番効果があるが、団子という特性上、ペットや幼児が誤って食べてしまい、脱水に陥るという事故が毎年起こっている。手が届かないように気をつけるのが一番だが、それが出来ない場合は、団子を入れるケースを買うか、以下のような、市販のケース入りホウ酸団子を買うと良い。- アースゴキブリホウ酸ダンゴ コンクゴキンジャム : 誘引剤に玉ねぎ成分を使用。食べやすいように独特の形状をしている。透明ケースで中が丸見えなので、目視で実際に食べられているかを確認可能。
- フマキラーホウ酸ダンゴ 半なまプレミアム : 7つの材料を贅沢に(?)使用した、やわらかい半生タイプ。
- インピレス ホウ酸ダンゴ : 動物性エキスと米ぬかエキスを誘引剤に使用。
- キング化学 やわらか半生ホウ酸ダンゴ : 誘引剤にラードを使用。使用期限まで堅くなりにくい半生タイプ。
- タニサケ製ゴキブリキャップ:アース製薬や金鳥と比べて聞き覚えがないであろう、小規模な会社「タニサケ」から発売されている毒餌。Amazonをはじめとする通販サイトで非常に高い評価を得ており、隠れた名兵器としてその地位を確立している。ブラックキャップなどが半年持続するのに比べてこちらは1年間と2倍持つので仮に冬から設置していても安心できる優れもの。冬明けからもうゴキブリが怖くなってしまうあなたに。値段は多少張るものの15個もありお得。
公式ページがやたらと素朴。
地域によって出現する時期に差はあるだろうが、大体4~5月に設置しておくと、侵入してきても繁殖できずに死に、上手くいけば姿を見ないままシーズンを過ごすことも可能。
もちろん使用期限は守るべきであり、7~9月あたりにきちんと交換をしておけば言うことはない。
バポナ
吊るしておくだけで殺虫成分を蒸散するプレートであり、既にいる連中にはバルサン以上に効き、入ってくる連中には忌避剤など目じゃないほどの予防力を持つ。
密閉された空間では特に効果的。これさえあれば、絶対にゴキブリに遭うことはないといっても過言ではない。
が・・・・・・。
威力に見合ったリスクも有る。
というのも、何せパポナが蒸散する成分は、農薬にも使われている有機リン系の薬剤であるので、吸引すればペットどころか人間もただではすまないからである。
もちろん、リビングや台所など、人間が頻繁に入る場所での使用は厳禁であり、購入の際には薬局で記名と捺印が必要になる。 →2012年5月31日に劇薬指定が解除され、不要になった。「劇」マークが表示されていても購入できる。
燻蒸・燻煙型兵器
薬品を燻蒸して部屋に散布し、部屋中の害虫を根こそぎ掃討するタイプの兵器。ゴキのみならず、部屋で繁殖したダニなどにも有効な対策として、多くの種類の製品が発売されている。
主な製品としては、バルサン、アースレッドなど。しかし、これらの中にもさまざまな種類があり、効能もさまざま。
- 燻蒸型
いわゆる「霧」状に薬品を散布するタイプ。使いやすいが、噴射ガスを使用しているため、火気の管理をしていないと引火の恐れもある。また、薬品の粒子が若干大きいため、ゴキが巣を作るような小さな隙間に届かないときもある。 - 燻煙型
着火して、「煙」状の薬品を散布するタイプ。若干使用は難しいが、薬品の粒子が小さく、細かい隙間に巣がある際にも大きな効果をもたらす。が、近所に断ってから使わないと、煙そのものであるため、漏れた煙を見て火事と勘違いされてしまうこともある。このことは説明書にも書いてあり、注意して使おう。
また、いずれも火災報知器に反応する場合がある。火災報知器にも種類があるため、どちらに反応するかは不明だが、燻煙型ならばまず間違いなく反応すると考えてよい。報知器をビニールで覆った上で、テープで密封してから使うなどの注意が必要。
当然だが、要するに毒ガスの無差別攻撃なので、人体にも被害を被る。使用は外出中に行う事。成人の体重なら万一吸い込んでも死亡までは行かないが、本人以外の家に居る幼児やペットの存在を忘れないように注意。
使い方
- 密閉する・退路を断つ
最も重要。これをしなくては、特に行動力のあるクロゴキブリなどは、薬品散布中に外へ逃げ出し、薬品の匂いが消えた頃を見計らって戻ってきてしまい、全く意味が無くなる。詳しい場所は下の予防の欄に書いてあるが、ドアや窓はもちろん密閉し、外部へつながる隙間・穴を徹底的にパテやテープで密閉しよう。
後々の侵入防止にもつながるし、万が一生き残られても、対策を採りやすくなる。絶対にやろう。 - 棚を開ける・家具を動かす・置いてあるものを処理する
棚の中や、家具の後ろにいる連中を仕留めるために、例えば冷蔵庫は薬剤がいきわたるように壁際から数十cmほど放し、食器棚・シンク下の扉などは全て開き放とう。この場合、薬品が食器などにかかることになる。カバーなどをかぶせるのもいいが、それでゴキも保護してしまっては元も子もないため、出来ればかけずに散布し、これらを使用する段になったら一度丁寧に洗ってからにしよう。
また、天体戦士サンレッドでタイザ君も犯したミスだが、食品などをおいたまま散布して薬品がかかってしまうと、まず食べられなくなる。もともと、食べ物を置きっぱなしにしておくなど、それこそゴキの思う壺なので、処分するか冷蔵庫にしまっておこう。また、万が一かかってしまったら、どう処理を施そうとも絶対に食べないように。
寝具にかかるのも避けたい。散布する間は外にでも干しておくか、繁殖がひどい場合はゴキを一緒にしまわないように注意してポリ袋などに入れた状態で散布しよう。万が一かかってしまったら、天日で干すか、出来れば洗濯しよう。 - 近所に断りを入れる
燻蒸型の場合は可能性が低いが、燻煙型の場合、薬品が漏れる様は、まんま火事の煙である(1.の項目を考えると漏れているということは対策が不完全だということだが、最悪換気扇などからでも漏れてしまう)。目撃されればほぼ確実に通報されて騒ぎになる。隣近所にはできるだけ断りを入れておこう。伝えるのが難しい場合は、玄関扉に「バルサン中」とでも書いた紙を貼っておくなりしよう。
断りを入れるのにはさらに理由がある。特に団地などで焚いた場合、部屋の中にいた連中が隣室・隣家に引っ越してしまい、そちらに住んでいる人がとばっちりを食らうことが多いほか、そこで繁殖してこちらに出戻りした結果被害が倍増してしまうことも珍しくないからだ。
団地などでは、隣室などに声をかけ、全ての部屋でいっせいに使用するのが望ましい。一戸建てなどでも同様である。もし、隣に住んでいる人が「今日バルサンしますから」などといきなり無責任に言い捨てて行ったときは、こちらは部屋を密封するか、急いで同時にバルサンを使い返そう。 - 使用する
上の項目の通りきちんと準備したら、部屋の中央で燻煙・燻蒸を開始し、出かけよう。タイザ君はやり遂げたが、散布中に中にいることなどほぼ不可能だし、無理に挑戦しても百害あって一利ない。害虫共がもがき苦しむ様を想像しつつ、外で暇をつぶそう。
製品によってまちまちだが、散布後はしばらく間を置かなくてはならない。早く入りすぎると、まだ空気中に薬品が浮遊していて健康を損なう。説明書に寄れば、あまり遅すぎてもダメなようだ。 - 掃除する
使用後は大半が死滅するものの、逃げ惑った挙げ句部屋のど真ん中で死んで卵を落としていたり、僅かに生き残った個体がフラフラになって彷徨っている事があるので、掃除するまでは終わった気になってはいけない。死骸を見つけたら処分するのはもちろんだが、床・家具に撒かれた薬品を徹底的に掃除しよう。有機リン酸を被った衣類や布団等は健康に悪い。
また、これはかなり勇気が要ることだが、死骸が多い場所の周辺を調べると、巣にたどり着けることが多い。下の項目で書いてある対策も重要だが、直接駆除できればそれに越したことは無い。もし見つけられたら、歯を食いしばって掃除しよう。 - 15日後にもう1度
使用後ではもっとも重要なことだが、これらの薬品は巣にある卵にはまず効かない。もともとゴキ共の卵はすさまじく強固であり、燻煙どころかゴキジェットプロを至近距離で吹きかけても、数日後には平然と孵化する。燻煙・燻蒸型兵器を使うときは、おそらく既に営巣されており、その駆除を視野に入れていると思われるので、ここに特に注意しなくてはならない。
そこで、15日後を目安に再度燻煙しよう。その卵から孵った連中や、万が一密封が不完全で、駆除しきれてなかった連中が戻ってきていたときのためである。もちろん、再度密封などの準備を改めて行おう。
この期間には様々意見があるのだが、大体目安として1週間から2週間である。万全を期して15日、間を置こう。もっとも、心配ならこの間に何回かやっても良い。巣にある卵を根絶やしに出来ればよい。
ちなみに、これらの薬品には多少忌避効果もある。 - 徹底するなら更に定期的に
健康を考えると遠慮する人も多いが、1ヵ月毎を目安に定期的に行うと、連中への駆除効果はグッと上がる。遭いたくなければ、するに越したことは無いが、そこまでしなくても十分対策も取れるので、自己責任で行おう。
しつこいようだが、ゴキ共に逃げ道が用意されていては何度焚いても無駄である。必ず徹底して(出来れば詳しい人に協力してもらうなどして)逃げ道を塞ぎ、部屋中に薬品を撒き散らそう。
予防
清潔を保つ
上のような設置型の兵器を置くことも当然だが、何より部屋を清潔にしておくに越したことはない。
こまめな掃除、特に水周りの水気の除去はもちろん、食べかすを落とすなど言語道断である。
ゴキブリは食べかすのみならず、埃や虫の死骸、人髪、ダンボールまで何でも食べる。
台所の三角コーナーに生ごみを貯めたままで寝たり、生ごみの入った袋を開けっ放しで何日も捨てないなどはもってのほかである。ゴキブリだけでなく、コバエもよってくる。ショウジョウバエに至っては最速半日程度という驚異的なサイクルで増殖するので、朝に生ゴミを捨てに行くまでの数時間程度ですら生ぬるい。発生したらその場で即座に密閉度の高いゴミ箱に捨てるか、あるいは奥の手として生ゴミを冷凍庫に一時保管する事で完璧な防御力になる。
また、特にダンボールの扱いに注意しなくてはならない。断熱性が高く、いざというときには直接餌に出来るダンボールは、格好の繁殖場になる。ダンボールをそのまま保管ケースとして運用するのは極めて危険である。キッチン収納にするなど自殺行為。100円ショップレベルでもいいのでプラスチック素材等の(できれば透明な、暗いとダンボール程ではなくとも巣になる可能性がある)に買い替えよう。引っ越しを頻繁にする予定がある人でも、面倒でもそのまま使う事はせず、引っ越し直前に新しいダンボールを用意する事を勧める。配達されてきたダンボールも、できればすぐに開封して捨てる事。配送センターの環境によっては、ダンボールの紙の厚みの部分の中に個体や卵が挟まって配送されてくる場合があるからだ。
ペットボトルなら密閉されているので安全なイメージがあるが、そうでもない。飲み口の周りには糖分が付着しているし、例え未開封であっても結露した水滴を舐める事がある。丸出しの食材よりはマシであるができれば冷蔵庫内に保管しておきたい。
このように、餌になるようなものを連中に与えないことが大切である。人間のイメージする食料だけでなく、有機物は一瞬たりとも表に出さない、位の気構えが必要である。
余計なものが少なく、家具がきちんと並んでいる部屋では、ゴキが隠れたり営巣したりする場所が限られて発見しやすいというメリットも生まれる。
水場対策を完璧に
上に関連したことだが、ゴキブリにとっては餌よりも水のほうが重要である。もともと、一滴の水で数日~数週間生き延びる生命力を持つが、逆に言えば、水分がない場合は餌になりうるものがあっても沸きづらいこともある。
台所まわりでは、前述のように湿った生ごみをおいておくようなことがないようにしよう。
たまねぎや蒸したジャガイモの匂いを特に好むため、これらの食材には特に注意して処理しよう。
また、冷蔵庫などの裏や下は、温度が高く保たれてしまっている上、結露で水滴がつきやすい。ゴキブリが繁殖するには絶好の場所である。
まず、あまり壁に密着させて置かないこと。
そして頻繁に拭き掃除し、出来れば活動が盛んになる時期の前に毒餌をまいておきたい。万が一台所で沸いたが巣が見つからない、なんて時には、真っ先にチェックすべき場所でもある。最近では、周囲の壁に結露などが起こらないよう作られた製品も多いので、購入の際にはそれも考慮してみよう。
風呂場・洗面所についても同じである。
浴場内に巣を作ることはなくても、水を求めて侵入することは珍しくない。風呂に入って扉を閉めた際に存在に気づき、全裸でタイマンを迫られて絶望した人も多いはずだ。
使ったときに水をこぼしたままにせず、床は清潔にしておこう。
隙間を塞ぐ
人間が思っている以上に、ゴキブリはどこからでも入ってくる。
ゴキブリの体は柔軟で、体を扁平に変形させて、あのサイズでは考えられないような狭い隙間にも潜り込む。
玄関のドアの横や下の隙間、窓の隙間(または開け放しているときにこっそりと)に限らず、排水溝、換気扇、エアコン、排水溝と床の隙間、郵便受け、古い住宅ならば壁や隅に開いている穴、などである。
人間の感覚で穴が無いように見えても、2ミリもあればチャバネの成虫が素通りできる。幼虫であればそれ以下の隙間でも十分な侵入経路となる。そのため、完全にぴったり密閉されている、または細かい網目状のもの、それ以外は塞がっていない物と思って良い。
対策の基本は密閉。どこからともなく湧くとは言っても所詮は虫、テレポートしてくる訳ではないので物理的に一つも隙間がなければ外側で大量発生していようと完璧にガードできる。
塞ぐ場合は中途半端に塞いでも中に残った分がいずれ違う穴から再侵攻してくるので徹底的に。また、元々リスクの無い場所まで片っ端からベタベタ貼ると生育に適した閉鎖空間を増やしてしまうので場所は選ぶ事。
排水溝
特に、発生した際のもっとも大きな侵入口は、排水溝であることが多い。ゴキブリは水に浮きやすいため、パイプの中を泳いでいとも簡単に侵入する。
来るはずのない高層マンションで発生したときは、これが原因であることが多い。階下から順に上がってくるのだ。
対策としては、ゴミ除けの金網を設置できると良い。出来れば網目の細かいもの。台所では、生ゴミの処理も楽になる。
それが難しいならば、熱湯や漂白剤、パイプ洗浄剤を定期的に流すか、使わない際は物理的に蓋をしておくしかない。
排水溝については、台所に限ったことではない。風呂や洗面所などすべてである。特に風呂場などはゴミ除けの設置が難しいかもしれないが、使用しないときは栓をしておくだけでも効果はかなりある。
長期間使用しない水場がある場合は要注意。排水口のトラップが蒸発し、配管からダイレクトに虫が上がってくる状態になる。
台所、洗面所、風呂等のオーバーフロー穴(上部にある、水位が上がった時に溢れないように流す穴)は盲点となりやすいので注意。構造にもよるがこれらは下の排水口と違ってトラップを持たない物があり、配管から直接上がってくる原因となる。不安なら塞いでしまっても良いが、環境次第では逆に塞いだ中で湿気がたまり繁殖環境を作ってしまうので注意。また塞げば単純に洗面所の排水能力が下がる。やや強度は下がるがネットを張るのも手。
これら水場はゴキブリだけでなくショウジョウバエやチョウバエ等も湧きやすいのでこちらにも注意。特にショウジョウバエは産卵から成長まで半日~1日程と驚異的なサイクルで、ゴキブリほどの脅威ではないがこちらも増えやすく厄介なので注意。共に排水口への定期的な熱湯とネットでほぼ防げる(洗剤はショウジョウバエの成虫には効くがチョウバエには効かない)。これらが湧く環境ではゴキブリが繁殖し得る環境でもある。
換気扇・エアコン
稼動していない場合は、これらも立派な侵入口。
特にエアコンは、室外機の周囲が暖かい上に水滴がつきやすく繁殖に適した環境となるため、そこで沸いてエアコンを通じて侵入してくるという最悪のケースも起こりうる。
室外機周辺での繁殖は当然対処するとして、排気パイプの出口をストッキングなどで覆うと、ほぼ侵入は防げる。耐久性などが不安ならば、専用のネットを買おう。ホームセンターなどで取り扱われるようになっている。
換気扇についても同様。換気扇用の虫除けネットは市販されているし、サイズが合わない場合などは業者に相談すれば対策をしてくれることも多い。それが難しければ、換気扇の出口に定期的に忌避剤を噴布するしかない。最近建てられた物件ならば、最初から防止用の金網をつけてあることが多い。
どちらも、本来ならば稼動しっぱなしが理想的なのだが、換気扇はまだ何とかなるかもしれないがエアコンを動かしっぱなしにはできないので、これらの対策を講じなくてはならない。
排水溝・排水パイプと床の隙間
普通、台所の下の収納スペースには、排水・下水路へ通じるパイプが露出している。これと通っている床に隙間があいていることが多く、侵入・繁殖の原因になる。洗面所についても同様。
新しい住宅なら、劣化もしていないし、この辺の補強もなされているのだが、古い住宅ではあろうことか水が滴っていることすらありがちである。
防水ガムテープや、隙間を埋める用のパテで塞いでしまおう。難しければ、やはりこれらの対策を練ってくれる業者もいるので、そちらに頼もう。
なお『パイプと床の隙間』は、これらに限った話ではない。外に通じるパイプと壁や床に隙間があれば、全て補強しよう。
また、排水溝そのものの周りにも、欠損などで床との隙間が出来ていることがある。これは特に風呂場に多いだろうが、こちらも補強しておきたい。が、ちょっと素人には難しいので、出来れば業者に頼もう。
ドアについた郵便受け
開けっ放しなど言語道断である。閉めておこう。空気穴的な物が空いている場合もテープで塞ぐ。
確率は低いがチラシに紛れて一緒に回収される可能性もゼロではない。不要な紙は溜めずにさっさと捨ててしまおう。
またゴキブリとは全く関係ないが、粗末な造りの郵便受けは覗き見の原因にもなるので防犯上の観点からも塞ぐ事を勧める。
ドア・窓の隙間・網戸
玄関のドアには、隙間を埋めるテープが効果的である。両面テープにスポンジがついたような専用のテープがあり、これをドアの枠の周りに貼れば、ほぼ大丈夫である。ゴキブリ以外の虫の侵入もついでに無くせる。
窓は左右の間に僅かに隙間があったり、あるいは一見きちんと閉まっているように見えても実は上下のレールとの間に隙間があり、窓の上下をずっと伝って入ってくる事がある。ゴキブリ以外にも窓の側から虫がよく現れる場合は非常に疑わしい。老朽化か、単に質の悪いものであることが多いので、きちんとしたものに変えるか、忌避剤を定期的にまくしかない。窓の開閉をしない前提なら強引に封をしてしまう手段も無くはない。
網戸の目をくぐるのは、大きさ的に幼虫にしか不可能なのであまり気にしなくても良いが、たとえば網戸がサッシから外れてめくれている場合は侵入経路になりうる。補強するか、直すかしよう。
網戸を通る虫すら気になるという人は、細かい目のものに換えた上で忌避剤を使おう。
ちなみに、網戸は左右の開けて良い方向が決まっている物である。適切な方向ではサッシとの隙間がパッキンで塞がるようになっているが、逆だと無防備になるので注意。
冒頭でも書いてあるがゴキブリの大半は都市部ではなく山林に棲息している。このため、イメージに反し、汚い隣家よりも窓の外に草むらが広がっている場合の方が侵入リスクは高い。
玄関
ドアではない。「玄関」そのものである。殆どの人はドアを警戒するが、足元をよく見てみよう。
玄関の彫り下がった部分とその周囲の間。ゴムやコーキング材できっちり埋められていれば良いが、隙間がある場合は非常に危険。奴等は床下によく潜むので、本拠地からダイレクトに直通している状態になる。よく注意して対策しているのに一向に減らないという人はここを見落としている事が多い。
壁などにあいた穴・隙間
こればかりは、自分で探して対策しなくてはどうしようもない。部屋の隅、天井の隅、家具の後ろ、ドアの横、発生する亀裂や穴はさまざまである。また、壁に家具がすえつけられている場所には特に起こりやすい。たとえば、壁に備え付けてある食器棚の奥や、壁との設置面である。キッチンはユニット構造の場合に壁との隙間が埋められていないケースもあり、この場合、汚れやすい台所という所もあり最高に危険。
一般に家具の影や冷蔵庫の裏によく居るイメージがあるが、これらは一時的な避難場所として溜まるだけで、本当の最重要拠点である巣はより人の目にとどまらない、大きく動かせない構造物の裏等にある。実際、冷蔵庫を動かしたらゴキブリが居たという事はあっても、ゴキブリの死骸が大量に散乱していたというケースはそうそう無い筈だ。本丸を叩かない限り、屋内を掃除して出張部隊をいくら各個撃破した所で何度でも湧いてくる。
配電・配管の周囲は大変危険。人間の目には盲点になりやすいが、外装1枚外せば裏は大穴があり思い切り外に通じている事がよくある。そしてその外装にもたいてい隙間があるので入ってくるという具合だ。特にブレーカーは要注意。家にもよるがまず100%巨大穴がある。ブレーカーの箱自体が巣になる事もある。その他も、「コンセントを使用せず壁面から電力が供給されている物」は全て隙間を警戒すべきだ。例えば天井の照明、インターホン、キッチンの蛍光灯の装置箱等。ただし、これらは配電盤へのスプレーで漏電、穴を塞ぐ工作中に感電といった危険があるので、できれば電気工事や駆除業者等立ち会いの上で行った方が良い。
壁面のコンセントやLANポートから侵入してくるケースもある。ゴキブリは壁裏の空間に棲みついている場合もあり、内装に穴が空いていない限りは内側には現れず問題にはならないが、小さい幼虫はここから現れる場合がある。コンセントに関しては普通の構造なら接点部が直接壁裏に通じてはいない筈だが、100%とは言い切れないのでテープで塞ぐか適当なプラグを差し込んで使用状態にしてしまおう。
壁の隙間は直接目視するのが確実だが、換気扇を作動させた上で近くに手や線香を置いて隙間風を探る方向もある。風の流れを感じる場合は完全アウトなので早急に塞ぐ。
やはり、ガムテープやパテで埋めるのが理想的。よほど執念深く塞いでいない限り、普通の人家はまず気付いていない穴があると思って良い。この状態でブラックキャップ等を安易に撒いても一時療法にしかならない。探すのは一苦労な上に見つけたときは泣きたくなるが、地道に対処するしかない。どうしても無理なら、業者に頼むか、人に手伝ってもらおう。
ちなみにゴキブリはダンボールは食べるが、ガムテープを食べる事はない。仮に食べたとしても消化できる酵素や細菌を持っていない。柔らかい厚紙や薄いフィルムを食い破る位の事はできるが、テープの素材と厚みなら問題はないだろう。ただし普通に剥がれる可能性には注意。徐々に剥がれる場合は端に小さく接着剤を塗り補強すると強固になる。
忌避剤
現在では製薬会社などから、ゴキブリの嫌う成分を含んだ忌避剤も売られている。これらを部屋の隅やドア・窓の隙間に噴布しておくと、侵入を防げることも多い。30cmぐらいの幅で、広く噴霧しよう。
また、ハーブやミントの成分を嫌うため、台所洗剤をこれらの匂いのするものに変えたり、ハーブやミントの芳香剤を部屋においておくのは非常に効果的である。
ただし忌避剤は殺虫効果はないので、たとえにおいを撒いてもそれを上回る好条件が整っていると、無害と学習した個体が平然と闊歩しだす可能性はある。他の直接攻撃手段と併用してこその方法。
ちなみに、なんでも食べるゴキブリだが、塩とレモンだけは食べられず毒になる。ただし自分から食べる事はないので適当に撒いても有効にはならない。一応、ゴキブリの通り道に塩を撒いておくと足の短い幼虫は塩が体に付着して特に有効ではあるが、地面にしか撒けず、回避して壁を伝って移動するようになるだけなので効果は薄い。これらは他の虫も苦手とするので何かの餌になる危険はないが、塩が結露で溶ける、付近の構造物を腐食させる、レモンが干からびてカビる等の事はあるので定期的に確認する必要がある。
家具の配置
家具と壁の間の隙間は掃除も人の目も行き届かず、格好の発生源となる。しかし一方で、ぴったりくっつけるのも得策ではない。というのも、人間の考える「ぴったり」というのは厳密には多少の隙間がある、あるいは設置時はなくても徐々にずれて隙間が発生するからである。
最もベストなのは、「あえて壁から大きめに離す」事である。ゴキブリにとって潜む理想的な隙間はぴったり隠れられる1cm程の隙間であり、これが大きな隙間になると潜めないと判断し巣等の重要拠点は作らなくなる。また遭遇して物陰に逃げ込まれても、こちらの攻撃が届きやすくなる。これは床も同様。床に置いたつもりでも底面の凹凸等で浮いた所に隠れられる。フックで壁に吊るす、棚を使って浮かせる等、ちょっとした物でも地べたに置かない配置にしよう。隠れる場所が一切なければどこに現れようと丸裸同然で、広い所で叩き潰す事ができる。
大きい「家具」でなくてもちょっとした小物の置き方でも同じ事が起きる。例えば本棚の本の裏など、小物だろうと虫目線ではまったく変わりない。できれば、そもそも物を多く持たないのが最も確実。
隙間が塞げない場合
簡単に塞ぐといっても、全ての隙間を塞ぐのは容易ではなく、また換気や開閉等、人間の日常生活も不便になりリスクが生じる。その場合は湿度を低く、気温を低く、風通しをよくすると良い。要するに室内より室外の方が快適だと思わせれば勝手に出ていく。ただしこれはあくまで次善の策であり、基本的には隙間を塞ぐ方が効果が高いのは忘れない事。温かい隙間等、快適な避難場所が提供されている状態で室内をガンガンに冷やした所で全く効果はないからだ。
根本的解決
寒冷な地域(標高の高い地域や東北以北)へ引っ越す。気温が20度未満になると、ゴキブリは活動能力が激減し、繁殖はおろか摂食行動すら取らなくなる。また0度近い時間が半日程度を占める気候が続くと、産み付けられた卵も死滅する。思いっきり散らかして暖房を使いっぱなしにしない限り、出現しない。
代わりにカマドウマと戦うことになるが。
電化製品が稼働していると無意味なので注意。雪国でも冷蔵庫裏や自動販売機等では生き延びる。
ちなみに、飲食店などに繁殖するチャバネは、北海道であっても札幌市内の繁華街ならば、暖かいため一部で生息している。が、あまり活動が活発でない上にサイズも余計小さい。
兆候を見逃すな
Gが頻繁に現れる場合、床のゴミ等をよく見てみよう。ホコリに混じって黒いゴミが多い場合は要注意だ。単に黒いだけなら、靴下に付着して持ち込んだ土や、服の繊維カス等で珍しくもないが、コーヒーや紅茶パックの中身のような粉っぽいカスが一箇所によく現れたり、掃除しても復活する場合、それは思い違いではなくゴキブリのフンの可能性が高い。また、床に一見ゴミのようだがよく見ると小さいてんとう虫のような甲殻を持った虫の死骸があるかもしれない。こうした場合は近くを探すと巣がある場合がある。ゴキブリの巣に「形」はない。ただ多数が集合している拠点を巣と言うが、確実に1点に集まる習性は持っている。
また現れるポイントも要注意だ。Gは室内を広く移動するが、やはり拠点の周辺を移動している頻度が高いので方向もヒントになる。
音で探す方法もある。音の出る物が無い場所から妙な音が聞こえる時は、今まさにそこに居る証拠だ。奴らは小さいが、虫にしてはコメムシ~カナブン程度と結構大きいので、高所から落ちたり、畳の上を歩く等するとそれなりの物音が発生する。また顎で硬い物(米粒、パスタ切れ端等)を齧ると「パキッ」という音がする。後でその方向を捜索してもいいし、完全に居場所が分かれば即急行して現行犯を捉えてやっても良い。なお、過度に音に反応してノイローゼにならないように。外気との温度差で軋む外壁や、電化製品の稼働音等で何もなくても音がなる事はある。
合ってるかどうか微妙な話
ゴキブリは、世界中に研究者がおり、その生態や利用法が日々盛んに研究されている(某地下闘技場のグラップラー曰く「魅力的な運動力学の宝庫」だがこれは本当かどうかは不明)。が、それでも今のところかなり謎の多い生き物であり、その習性については諸説あり、正しいものと間違ったものが混在している。
以下、それらの正しいかどうか微妙な話・完璧に間違っている話などを一部挙げる。
- 光に寄ってくる
大嘘。ゴキブリは夜行性の昆虫であり、光に対してはむしろ強い忌避性を持つ。光によってくる羽虫と混同された話であり、「夜中に明かりをつけたまま窓を開けていると飛んでくる」というのは全くのデマである。
なお、「1匹見かけたら○○匹いる」というジンクスは、この習性によって作られている。ゴキブリは例え部屋に居ても、明かりがついている間は暗いところに隠れており、明かりが消えている間を見計らって行動する。つまり、明るい間でも姿を現した場合は、明かりを気にしないほど餌が溢れている=大量繁殖に十分な環境であるか、よほど大量に繁殖してしまっている場合である。毒餌を食ったことなどで、明かり以上に緊急性の高い問題に直面している場合もある。 - 電気をつけていれば出ない
大嘘。暗い場所に「潜む」というだけで、行動を開始すれば明るかろうが平然と闊歩する。 - 高いビルに飛んでくる
ほぼ嘘。ゴキブリは基本滑空しか出来ないため、高い所へ飛んでいくのは不可能である。例えば、よっぽど近くに電柱があってそこから滑空してきたとか、近くに林や木があってそこから同じく飛んできたとか、そういうケースならば高いところにも飛んできたとは言える。盛んに飛ぼうとするのは事実だが。配管内に住み着いている可能性はあるが、基本的にゴキブリは地表に棲みつくのが本職で、家屋に侵入してくるのは全体のごく一部にすぎない。行動範囲から離れすぎているのでまず来ない。巨大なビルの高層階に人間が持ち込む事はあっても、それらが地上と相互に移動している事はない。
- 人類は滅びてもゴキブリは生き残る
やや嘘。元々熱帯性のゴキブリは中緯度地帯以北の冬の寒さに耐えられない。そのため暖房が失われてしまえば熱帯性の野生種を除けばほぼ絶滅する。 - 毒エサを使っていると耐性を持ったゴキブリが誕生する
やや嘘。毒エサを設置しているのに、たまたま毒エサをまだ食べていない個体が出歩いているのを見かけた、あるいは食べてから死ぬまでの猶予時間に平然とウロウロしている様子を人間が誤解したと思われ、実際には直接餌を食べた個体は確実に死に至る。食器洗剤を被った餌程度の軽い毒性ならどうにかなるかもしれないが、特に対ゴキブリ用として専門に用いられている薬剤は、ホウ酸等でゴキブリの体と直接化学反応を起こして殺すので、たんぱく質で出来ている地球上の有機生命体である限りは耐性どうこうでどうなる物ではない。しかし、そもそも食べようとしないケースは存在する。個体によってはにおいで選り好みをする為で、これは他に食べ物が無い状態にすれば食べやすくなる。一方で、直接的に耐性が生じやすいのはスプレー系の殺虫剤の方。散布が外れると毒エサより摂取量が少ないまま致死量に満たずに逃げやすく、その子孫が耐性を増していく。これは迷信ではなく実際に確認されており、他の虫でも同様の事が起きている。世代更新サイクルが早く行動範囲が狭いチャバネゴキブリは特に耐性を持ちやすく、かつて有効であったピレスロイド系は現在では効かない。対ゴキブリ用でない汎用の殺虫剤が効かないのはこれが原因。現在の市販の対ゴキブリ用スプレーは一種に依存せず別の成分を配合しているので大丈夫だが、これも将来もずっと効くかは不明。一方でクロゴキブリは世代交代が遅く、外から入ってくることが多いので耐性ゴキブリは殆ど居ない。
- 下水道に多く棲息している
やや嘘。下水道は硫化水素が多く発生し、生物にとって過酷な環境でもあるので意外と多くない。居るとすれば直接汚物やガスを受けない部分。むしろ雨水用のマンホールの方が多い。生息数は環境次第だが、街全体が不衛生になりがちな繁華街は住宅地より多いと思われる。実際に洪水等でマンホールが逆流すると、繁華街の場合は地下からゴキブリが噴出してきて騒ぎになる事がある。都市部の地下には駆除不能なほど大量に居るのは事実だが、マンホール内でおとなしくしている分には自然の棲み分けのような物で特に問題はない。というか無理に駆除しようと刺激した結果、街にGが溢れて警察が出動した事例がある。外に居る分は考えるだけ無駄なので自分の家だけガードしておこう。
結論
こまめな掃除。
侵入経路の閉鎖。
そして、ゴキの出現に負けない心。
これらを備えておけば、もうゴキは怖くない。
が、万が一手に負えない場合などには、信頼の置ける駆除業者を調べて依頼するのが最も確実で楽であることは覚えておこう。金はかかるが、良い業者ならどんなケースでもまずきちんと駆除してくれるし、予防などについてもあなたの家事情に則したプロの助言をもらえて、非常に良い。
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蔑称関連
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脚注
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