磁気定数または真空の透磁率とは、電磁気の国際単位系(SI)で使われる定数である。電流の大きさと、電流間に働く磁気的な力の大きさの関係を与える。記号μ0で表される。
概要
二つの電流の間には電流の大きさに比例した力が働く。例えば、真空中で距離r離れて平行におかれた二つの導線にそれぞれI1, I2の電流が流れているとすると、導線の単位長さ当たりに働く力ΔFは次のようになる。
二つの電流の向きが同じなら引力、逆向きなら斥力が働く。この式の比例係数μ0が磁気定数である。
かつて、この関係は電流の単位の定義に使われていた。二つの電流の大きさが等しく、距離が1mのときに、1mあたり2×10−7N(ニュートン)の力が働くような電流の大きさが1A(アンペア)の定義。磁気定数はこの定義によって厳密に次の値を持っていた。
しかし、2019年5月20日より、電流アンペアの単位が、電気素量e=1.602176634×10-19Cをもとにしたものに改訂されたため、μ0の値は誤差を含むものになった。
関連項目
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