電気定数または真空の誘電率とは、電磁気の国際単位系(SI)で使われる定数である。記号ε0で表される。
概要
クーロンの法則によれば、二つの静止した電荷間に働く力は二つの電荷の積に比例し、電荷間の距離の二乗に反比例する。採用する単位系によって比例係数は違っていて、国際単位系では1/4πε0となる。
| F = | q1q2 |
| 4πε0r2 |
式で書くとこのようになる。ここでq1,q2は二つの電荷の大きさで、rは電荷間の距離、Fが力の大きさである。正電荷同士、負電荷同士には斥力が、正負の電荷の間には引力が働く。
電気定数ε0は磁気定数μ0および光速度cと次のような関係にある。
ε0 = 1/μ0c2 = 8.854...×10−12 F/m(ファラド毎メートル)
クーロンの法則の比例係数は電荷の単位の取り方によっていて、国際単位系の電荷の単位C(クーロン)は電流の単位A(アンペア)によって1 C = 1 A s(アンペア秒)と定義されている。磁気定数は磁気的な力の大きさからアンペアを定義するのに使われていた定数なので(現在は電気素量の値がアンペアの定義に使われている)、上の式は電気的な力と磁気的な力と光速度との関係を表したものと言える。横並びになって同じ一定の速度vで平行に運動する二つの電荷があるとする。これらの電荷間に働く電気的な力と磁気的な力の大きさの比は、電気:磁気=1:v2/c2となる。このような関係が成り立つのは、電気的な力と磁気的な力が相対性理論によって結びつけられているためである。
関連項目
- 1
- 0pt


