マクスウェルの方程式(Maxwell's equations、電磁方程式)とは、マクスウェルがまとめた電磁場のふるまいを記述した方程式である。
マクスウェルの方程式の使い所
電磁波や電気回路の現象はこの方程式に当てはめることができる。
電気回路の構成要素にコンデンサやコイルがあるが、これらの働きは、マクスウェルの方程式から理解できる。
電磁波は電波、赤外線、可視光線、紫外線、X線、などがあり、人間の目は可視光線を見ることができる。
電波は人間の目でみることができず、「電波がどう伝わっているのか知りたいっ」という時に、この方程式が使われる。
この方程式を扱う上で、スカラー、ベクトル、行列、微分・積分、偏微分が少しわかっていると理解ができる。(記事作成願う。気力次第で自分もします。)
この話は、波とか、光とか、通信とか、時間とか、宇宙とか、相対性理論とか、GPSとか、量子力学とか、とんでもないところまで発展ができる、夢のあるテーマです。
マクスウェルの方程式
マクスウェルの方程式は、以下の4式のことを言う。
微分形
rot H=J+∂D/∂t
rot E=-∂B/∂t
div B=0
微分形と積分形があるが、積分形は表記ができないため今回は書かない。
マクスウェルの方程式ではないがEとD、BとHの関係も現象を理解するのに必要である。多くの場合、以下の2式のような比例関係で表される。
D =εE
B =μH
ここの文字の意味は、磁界の強さ H(A/m)、電流密度J(A/m2)、電束密度D(C/m2)、時間t(s)、電界の強さE(V/m)、磁束密度B(T)、電荷密度ρ(C/m3)、誘電率ε(F/m)、透磁率μ(H/m)である。
太字のところ(H、J、D、E、B)は方向と大きさを示すベクトルであり、3次元である。(xyzなど)
太字でないところ(t、ρ、ε、μ)は、大きさを示すスカラーである。
つまずきそうなところ・注意点
誘電率εには真空中の誘電率ε0と比誘電率εsが存在し、ε=ε0*εsであるが、本によって読み取り方に注意が必要。
透磁率μには真空中の透磁率μ0と比透磁率μsが存在し、μ=μ0*μsであるが、本によって読み取り方に注意が必要。
ベクトル演算子∇(ナブラ)
xyzを使う直交座標系では
∇=ix∂/∂x+iy∂/∂y+iz∂/∂z
ベクトル演算子を用いる。これを使うと式を短く端的に示すことができる。
div
例を挙げると、空間中の領域内に、蛇口のような源や排水溝のような吸収するものが存在する場合、その領域の外にそれだけ流れ出ているか、流れ込んでいるか考える時に使う。
div A=∇·A=(ix∂/∂x+iy∂/∂y+iz∂/∂z)·(ixAx+iyAy+izAz)
=∂Ax/∂x+∂Ay/∂y+∂Az/∂z
rot(curl)
rot A = ∇×A = | ix | iy | iz | |
∂/∂x | ∂/∂y | ∂/∂z | ||
Ax | Ay | Az |
=ix(∂Az/∂y-∂Ay/∂z)+iy(∂Ax/∂z-∂Az/∂x)+iz(∂Ay/∂x-∂Ax/∂y)
grad(参考)
ここでは扱っていないが、gradは勾配を示す。
勾配とは、空間のある領域でスカラー量Φが場所の関数Φ(x,y,z)であるとき、その場所での傾きを示す。
grad Φ=∇Φ=ix∂Φ/∂x+iy∂Φ/∂y+iz∂Φ/∂z
計算機を用いての計算方法
マクスウェルの方程式をそのまま、活用していくことは少なく、単純化して考える。
計算はコンピュータを用い、その計算の仕方を指示する過程でマクスウェルの方程式を使う。
関連項目
親記事
子記事
- なし
兄弟記事
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