英霊とは、以下の意味を指す言葉。この場合の「英」は「優れている」「秀でている」と言った意味で、「英雄」「英断」「英才」「俊英」などに使われる時と同様である。
1. 死者の霊を「優れた霊である」としてたたえる言葉。現在では戦死者の霊を指して使われることが多い。しかし元来はそれに限定した言葉というわけではなく、優れた人物や惜しまれて亡くなった人物であれば、非戦闘員であったり、死因が戦争と関りが全く無かったりしても使われる言葉であった。戦死者を指す意味合いが強くなったのは明治以後であるとも[1]。
全く他に私心はござらぬ――諸君のために某計るに、東照神君の英霊の在す駿州久能山に籠もられるこそ策の上なるものと存ぜられ申す。[2]
2. 優れた才能。またはそれを持つ人(それが男性だった場合は「英霊漢」などともいう)。この用法の場合はこの言葉が指す相手が生きていても構わない。しかし現代では上記の1.の用法の方が有名であるため、存命の人物を評して使用すると怪訝な顔をされるかもしれない。
一かどの英霊を持つた人々の中には、二つの自己が住む事がある。[3]
関連項目
脚注
- *コトバンクの「英霊」のページ内、『精選版 日本国語大辞典』の解説に「明治以後は戦死者の霊をいうことが多い。」とある
- *国枝史郎「開運の鼓」 - 青空文庫
- *芥川龍之介「点心」 - 青空文庫
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