概要
機械的な音が特徴の曲。インストゥルメンタル。
10-34といえばプランク単位系における係数「プランク定数(h=6.626068×10-34 m2 kg / s)」が思い浮かぶ。プランク単位系では「時間の最小単位」としてプランク時間という概念が存在するため(※)、輝夜の持つ「永遠と須臾を操る程度の能力」との関連を匂わせる曲名となっている……のかもしれない。これについては以下で考察する。
※ただし近年では研究の結果、これが本当に時間の最小単位なのかどうかは疑わしくなっていることに注意
補足:プランク時間
プランク単位系は自然単位系の代表例であるが、ここで詳細を述べることは避け、プランク時間について簡単に説明する。以下では円周率をπで表す。基本的な三つの物理定数について、
- 真空中の光速度 c = 1 [長さ×時間-1]
- 万有引力係数 G = 1 [質量-1×長さ3×時間-2]
- 換算プランク定数 ℏ (= h / 2π) = 1 [質量×長さ2×時間-1] ※ディラック定数とも呼ぶ
としたとき、1単位時間は
プランク時間 tp = (ℏ × G / c5)(1/2) = 1 [時間]
となる(大括弧内は対応する基本プランク単位の次元)。これはSI単位系に直すと約5.39121 × 10-44 秒である。近年まではこの値は時間の最小単位であり、測定することのできる最小の時間であるとされてきた。
補足:須臾
現実世界では、須臾は10-15を表す数。命数法における位を表す数詞であり、無名数である。
東方Projectでは、蓬莱山輝夜は「永遠と須臾を操る程度の能力」を持ち、「永遠」と「須臾」をそれぞれ操るとされている。ここでは、「須臾」は「時間の最小単位」と説明されている。「時間の単位」と呼ばれているからには無名数ではなく次元をもった単位のはずなので、現実での用法とは明らかにズレがある。
また、ここで言う「最小単位」が表すものがプランク時間なのか、それよりも小さいのかなど正確な設定はすべて不明。そのため須臾が他のどんな時間単位に直せるのかも分かっていない。これは、現実で須臾が表す数が10-15だろうと1015だろうと、輝夜の能力と何ら関連がないことを意味している。
つまり、それっぽい小さな数だから使われているだけで、須臾そのものの意味は完全に無視されている、と言ってもいい。現実の値や単位などは忘れ、輝夜の操作する須臾は、便宜上「須臾」と呼ばれるだけの、幻想郷における時間の最小単位として扱うべきだろう。
考察および結論
双方を考察すると、以下のことが言える。
- 蓬莱山輝夜は須臾を操る [蓬莱山輝夜→須臾 の関係]
- 須臾とプランク時間はどちらも時間の最小単位として扱われる [須臾←→プランク時間 の関係]
- プランク時間とプランク定数は密接な関係にある [プランク時間←→プランク定数 の関係]
- この曲の10-34という部分は、プランク定数を想起させる [10-34→プランク定数 の関係]
つまり、結論としては、この曲と蓬莱山輝夜にはともに、「プランク定数と関係がありそうな匂いがする」という仄かな共通点があり、双方の間には関連性が微粒子レベルで存在すると言える気がする
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