ニコニコ大百科

なむ

なむー

なむなむ

なーむー

そして、学校から数10メートル離れたころ、青さんは唐突にこう言った。
「今日は腹減ったなー」
青さんはよく独り言をいう。
「じゃあこの前のハンバーガー屋さんに行きましょうよ！」
私は咄嗟にそんなことを言った。本当に何の意図もなく、つるっと口から出た言葉だった。
「あの店高そうやんけ～」青さんはそう言いながらも渋々その店のある方までついてきてくれた。

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そしてとうとう店の前に到着した私は、あの時と同じ、何とも言えないパンと肉の匂いを思い出していた。
「ここまで来たらホントに奢ってもらいますからねー」
「はいはい」
そんなことを言いながら私と青さんは赤いサッシの下を抜け店のガラス戸を開けた。

なむ

なむー

なむなむ

なーむー

なむ

注文するメニューを店員に尋ねられ、それはごく当たり前のことなのだが、私はその特別な状況も相まって少し緊張してしまった。
青さんに促され、選んだのは「チーズたっぷりレタスバーガー」しかもトッピング付きだ。我ながら、どうしてこう高くつくのを買ったのだろうか。
青さんは「高いの頼むなあ～おい。まーいいけど」といって財布から自分の分と、後輩の私の分のお金を支払った。

なむー

なむなむ

なーむー

なむ

なむー

なむなむ

手作りらしく、ハンバーガーができあがるまで数分かかるそうだ。
私と青さんはその間、店の敷地内にあるベンチに腰かけて、静かに、けれど激しくその到着を待った。
私も青さんも、ハンバーガーを二つ持った店員さんが来るまで何も言わなかった。

なーむー

なむ

なむー

なむなむ

ハンバーガーは、一言でいうと「超美味かった」
貧弱な中学生の語彙をして、その程度にしか言い表せないのを私はひどく億劫に感じた。
青さんは私と対照的に控えめなバーガーを食べていた。彼はただ一言、「うまいな」と言っただけだった。
それがなんだかおかしくて、私は笑ってしまった。
青さんは、そんな私の手元の、減ってるのか減ってないのか分からない特大サイズのバーガーを見て、「はよ食えよー」
などとぼやくばかりであった。

なーむー

なむ

なむー

なむなむ

なーむー