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独り言(ひとりごと)とは、「聴く相手が居ないのに一人でしゃべっていること」である。
あるいは、その「しゃべっている内容」の事も指す。
概要
ややかたい(フォーマルな)表現では「独言」や「独語」とも呼ぶ。例えば後述するような、精神疾患の症状の一つとして表現する際などには「独言」「独語」という表現を用いる。ただし「独語」には「ドイツ語」という意味もあるので、誤解を防ぐためには「独語」より「独言」の方が望ましいかもしれない。
程度の差はあるが、誰でも行う可能性があるものである。「あーしまった」「やっちまった!」など、「思わず」の独り言を口走ってしまうような経験がこれまでに皆無、という人はあまりいないであろう。
また、「一人暮らし(独居)の人」「話し相手が居ない人」では独り言が多くなりがちであるという話もある。これは孤独感によるストレスなどが関連していると言われる。
こういった「誰もが行う独り言」「環境によって増える独り言」のほか、ある種の発達障害の人々のなかには独り言が多めのタイプの人々も混じっているとも言われる。
また、「フィクションのキャラクター」は現実の平均的な人間と比べて独り言が多めになるケースがあるとも言われる。これは「そのキャラクター一人しかいない場面でも、台詞を皆無にはしづらい」という作劇上の事情があるため。とは言え「内心の描写」などで済ませて、「ひとりごとがやたら多い人」になってしまうことは避けることも多いが(ちなみに避けなかった例→「あかりのひとりごと」の記事を参照)。そういったフィクション作品に過度に慣れ親しんだ人、すなわちオタク系の人も影響されて独り言が多くなるかもしれない。
さらに、統合失調症やその類縁疾患などの精神疾患では、明らかに独言や空笑(独り笑い)が増えるケースがあることが知られている。ただしこれは「本人にしか聴こえない幻聴に対して受け答えしたり笑ったりしている」ものであったりして、その場合は本人の内面的には「独り言」ではないことになる。
独り言が多いタイプの人の中には「悪口と誤解されやすいのでは」と心配する人もいるらしい。「ボソボソと聞こえにくい声で独り言を話していると、周囲からは悪口のようなやましいことを言っているように聞こえてしまうかも……」という理屈であるようだ。
もしそのような心配があるなら、独り言の内容が「うっしゃあ!」「よっしゃ行くぞ!」「バッチリ!」「今日も一日がんばるぞい!」「頑張れ頑張れできるできる!」などのポジティブなものになるように癖をつけるとよいだろう。「なんかあの人いつも自分を鼓舞してんな」「スポーツ選手かよ」といった微妙な目で見られるかもしれないが、「悪口などのやましい事を言ってる」と誤解されることは少なくなるんじゃない?「内容はともかく、純粋にうるせえよ!」と別の文句を言われるかもしれないが。
なお「自分は独り言が多いと感じる」「そのせいで悪口を言っていると誤解されて、自分にしか聴こえない声で罵声や暴言を浴びせられることも多いと感じる」という2つの要素が揃ってしまっていた場合、やや要注意かもしれない。
なぜなら、「自分にしか聴こえない声で罵声や暴言を浴びせられる」というものは、精神疾患の一症状である「幻聴」の特徴的なものであるからだ。前述のように「独り言が多くなる」という症状自体が精神疾患で生じうるものであるので、この2つが揃っている場合は精神疾患の可能性が浮上してくるのである。
もし精神疾患であれば早期治療が望ましく、またもし違ってもそこまで損はしない(受診する時間と受診料はかかってしまうが)ので、上記2つの症状が揃っている場合は、気軽に一度メンタルクリニックなどを受診してみよう。
関連項目
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