アンプとは、アンプリファイア(amplifier)の略で、増幅器のことである。
小さな信号(音声や電波のような電気的に変化する信号)を大きな信号に「増幅」する装置(または電子回路としての「増幅回路」)のことを指す。
わかりやすい応用例としては拡声器があげられる。これ以外にもテレビやラジオ、ステレオ、 最近ではパソコンに至るまで、音を電気的に扱うほとんどの機材に内蔵されている。
かつては真空管で構成されていたが、現在ではほとんどトランジスタやICに置き換わっている。 ただし、あえて真空管アンプを選んで楽しむオーディオマニアな人たちも多い。
エレキギター演奏者の間では、ギターアンプのことを単に「アンプ」と呼ぶこともある。
多くの場合、アンプといえば音声(低周波)のような可聴周波数を増幅する「オーディオアンプ」を指すことが多いが、電波のようにより高い周波数を扱えるように設計された高周波用のアンプもある。
例えば、アマチュア無線機の送受信側、テレビやラジオの受信部分にも電波を増幅するためのアンプが内蔵されている(注意点:「強い」電波を「送信」する場合、電波法や無線局免許で指定された範囲で法的な制約を受ける)。 電波を強くして送り出す装置として「リニアアンプ」「ブースター」と呼ばれるものや、逆に、受信した弱すぎる電波を強くすることで十分な大きさの音に戻せるようにする「プリアンプ」(あるいはテレビなどの「受信ブースター」)と呼ばれるものもある。
アンプのマイクとスピーカーを近づけると「ほわーーーーーん」といううるさい音が出る 「ハウリング」という現象が起きる。これは出力の一部が入力へ戻され、それが増幅されて出力され、また入力へ戻され...という現象を繰り返してしまうために発生する。空気中で音になってからではなく、電気信号の段階で同じことが起きることもありうる。
アンプとして使う場合には起きて欲しくないこの現象も、音を出すという目的であれば活用できる。そのような目的で組まれる「発振回路」もアンプ回路の応用の一つといえる。例えばシンセサイザーで音を出したり、無線機などで電波を発生させるために発振回路が使われる。アンプ回路に発振を起こさせるには「正帰還」、すなわち出力と同じタイミングで同じ方向に変化する(十分に大きな)信号を入力に戻せばよい。
ちなみに「負帰還」の場合は、出力と同じタイミングで逆方向(位相180度ずれ、つまり反転)に変化する信号を入力に戻す。この場合は発振を起こさず、増幅率を下げる作用があり、それによって周波数特性の偏りが軽減される。
なお、正帰還と負帰還の中間もありうる。それは、帰還させる際に抵抗だけではなく、コイルやコンデンサを挟み込むことで、位相のずれが中途半端になる回路を組んだ場合である。この場合、負帰還をかけたつもりでも部分的に正帰還になって発振を起こすことがある。
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最終更新:2024/12/27(金) 10:00
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