エアポケットとは、航空機が飛行中に突如として下降する現象の俗称である。
少なくとも地球において、エアポケットなる現象は気象学的には存在しない。
飛行機は、簡単に言ってしまえば、向かい風のおかげで飛んでいる。飛行機が離陸前に助走しているのは自らが高速で走行することで向かい風をつくるためだ。人間は追い風のほうが楽に走れるが、飛行機は向かい風のほうが都合がよいのである。
というのも、飛行機は主翼の前から後ろへ空気が流れることで揚力を生んでいるからだ。
さて、ここに一機の飛行機があるとする。飛行機は巡航高度で安定した快適な飛行を続けている。そこにいきなり追い風が吹いたら、いったいどうなるだろう? 繰り返すが、飛行機は前から後ろへ空気が流れることで浮いていられるのだ。
後方からの突風を受けると、主翼の後ろに風が当たることになる。極端な例だが、追い風によって、主翼の後ろから前へ空気が通ることになったら? もちろん揚力を発生させることができなくなるから、飛行機はただの鉄の塊(※)となってガクンと急降下する。これが乗客からするとまるで落とし穴に嵌ったように感じられることから、空のポケット、エアポケットという意味不明な名称がつけられたと考えられる。どこのだれが最初にこんな言葉を捏造したのかはいまもって判明していない。マスコミの造語という説もある。
もちろん空に落とし穴など存在しない。エアポケットの正体はただの乱気流である。だがエアポケットという通称は日本ではかなり浸透していることから、旅客機の機内アナウンスでも用いられることがないでもない。
「エアポケットに入ることが予想されますので、お席にお戻りのうえ、シートベルトの着用をお願いいたします」
というアナウンスがあっても。「エアポケットwwwそんなもんねえってのwww乱気流って言えよwww」などと茶々を入れないように。プロが素人に合わせているだけである。
※飛行機が鉄の塊と表現されることは多いが、ふつうの飛行機には鉄は1パーセント以下しか使われていない。また、塊だと内部に荷物も人間も積めない。よって正しくは「アルミまたはチタンまたは炭素複合材の筒」である。
↑乱気流でかなりぐらぐら揺らされているのがわかる。
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最終更新:2025/12/06(土) 01:00
最終更新:2025/12/06(土) 00:00
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