日独防共協定

日独防共協定とは、1936年11月25日に日独間で結ばれた協定である。正式名称は「共産インターナショナルに対する協定」。のちにイタリアも参加した事から日独伊防共協定とも呼ばれる。

概要

大日本帝國とナチスドイツは、ヨーロッパで活発的に動く共産主義者を脅威として捉えていた。また両国は国際的孤立を深めている時期であり、孤立している国同士で提携する事は実に魅力的であった。国の経済状況が似通っていた事もあり、まず日本がドイツに接近。コミンテルン(共産党の国際的統一組織)の活動を抑えようと交渉をドイツ側に打診したが、最初は難航して話がまとまらなかった。

1935年5月頃、駐独陸軍武官の大島浩のもとへフリードリヒ・ハックという人物が接触。非公式ながらナチス党外交部長リッペントロップと交渉の場を設ける事になった。交渉は順調に進み、1936年に入ってからは公式に政府間で交渉が始まった。そして広田内閣時の1936年11月25日に調印式が行われた。

協定内容は平たく言うと「コミンテルンの脅威に対して情報交換を行い、必要な防衛措置について協議・協力する事」であった。だがこれは表向きの内容であった。防共協定には秘密付属協定が付随しており、その内容は明らかにソ連を仮想敵にした事実上の軍事同盟であった。仮にソ連から攻撃を受けた場合、日独が協力して立ち向かう訳である。

締結後、日本政府は防共協定を拡大してイギリスやヨーロッパ諸国に加入させようと働きかけた。こうする事で深まっていた国際的孤立を解消しようとしたのだが、イギリスとの交渉が難航して失敗。代わりに1937年11月6日にイタリアが参加。防共協定に日独伊の三国が所属する事になった。さらに1940年にはこの防共協定を発展させた日独伊三国軍事同盟が締結される事になる。

関連項目

• 日独伊三国軍事同盟
• 軍事関連項目一覧
• 政治
• 歴史