期待インフレ率とは、経済学の用語である。予想インフレ率ともいう。
期待インフレ率とは、人々が事前に予想する将来のインフレ率のことである。
人々がどのように期待インフレ率を決めるかには2つの仮説がある。
1つは適応的期待の仮説と呼ばれるもので、人々が間近に観察したインフレに基づいて期待インフレ率を決めるというものである[1]。適応的期待の中で最も単純なものは、人々が「これから1年間のインフレ率は、いままでの1年間のインフレ率と全く同じインフレ率になる」と期待するものである。
もう1つは合理的期待の仮説と呼ばれるもので、人々がすべての利用可能な情報を最適に利用しつつ期待インフレ率を決めるというものである[2]。すべての利用可能な情報には、政府の財政政策や貿易政策に関する含む情報も含まれるし、中央銀行の金融政策に関する情報も含まれる。
期待インフレ率を測定する方法の1つは家計や企業やエコノミストに対するアンケートである。
日本では、内閣府の消費動向調査、日銀の日銀短観(全国企業短期経済観測調査)、公益社団法人日本経済研究センターのESPフォーキャスト調査が有名である。内閣府の消費動向調査は家計向け(消費者向け)、日銀の日銀短観は企業向け、日本経済研究センターのESPフォーキャスト調査はエコノミスト向けのアンケート調査である。
米国ではミシガン大学のミシガン大学消費者信頼感指数が有名である。その他にニューヨーク連邦準備銀行やフィラデルフィア連邦準備銀行やアトランタ連邦準備銀行がアンケート調査を行っている。
期待インフレ率を測定する方法の1つはブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)の測定である。
ブレーク・イーブン・インフレ率は、固定利付債の利回りから物価連動債の利回りを差し引いて得られる数値である。
固定利付債はインフレ率が変化しても元本が変化しないので、市場関係者が期待インフレ率を考え出し、それに従って利回りを決めている。一方で物価連動債はインフレ率の変化に従って元本が調整されて利回りが決まる。ゆえに固定利付債の利回りから物価連動債の利回りを引き算してブレーク・イーブン・インフレ率を算出すれば、おおよその期待インフレ率がわかる。
ブレーク・イーブン・インフレ率を微修正して期待インフレ率を算出する。
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最終更新:2024/05/01(水) 14:00
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