「永遠と」とは、十中八九「延々と」の誤記である。
読みが「えいえん」「えんえん」と非常に混同しやすいというのは言わずもがなである。「永遠」は『状態が限りなく続くさま、時間を超越しているさま』、「延々」は『時間、距離、関係などが長く続くさま』ということで意味的にも似通った部分があると言えなくもない。これについては「永遠」は限りがなく「延々」は限りがあるという解説をされるケースもあるが、比喩的表現などではそのような区別を行うことはあまり意味がないかもしれない。
その上でこれらを区別すべき論拠としては、口語的解釈として「永遠」は形容動詞ダ型活用、「延々」は形容動詞タルト型活用に当たるもので、活用形として後者に「~と」が存在するが前者には存在しない、という点が挙げられる。つまり、「永遠と」と書いた場合には「永遠(だ)」+「と」という2単語として解釈するほかないと言える。(ここでは、形容動詞がそもそも品詞かどうか、形容動詞は歴史的に2単語から出来ているものではないか、といった議論は一旦省略させていただく)
では、「永遠と」と書かれている場合に意図して「永遠」「と」という意味合いを持たせている可能性について考えてみる。「と」は様々な意味を持つ助詞で、例えば並列を表す形で「永遠と絆のRPG」のような使い方は問題がないものだが、たいてい誤記だなんだと話題に上がるのは副詞的用法をされるケースである。
最大限に単純化して考えると「延々と続く」に対して「永遠と続く」はどうなのよ、という話である。前述のとおり「永遠」はダ型活用なので「永遠に」という活用は存在し、「永遠に続く」ならば問題はない。日本語は省略されやすい言葉なので、「永遠に」という意味を想定しつつ「永遠続く」と書いてしまうこともあるかもしれない。さらにそれだと何となく収まりが悪く、状態変化の意味合いを込めた助詞「と」を付けて「永遠と続く」と書いても、まあ大丈夫なのでは?
といった好意的解釈によって間違いではないかもしれないという考え方も完全に否定されるべきではないという一定の立場を尊重しつつ、だいたいはただの誤記なので「延々と」と書いたほうがいいと思う。
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最終更新:2024/11/08(金) 04:00
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