ゆるキャン△前の山梨

ゆるキャン△前の山梨とは、都道府県対抗シリーズにおける2017年以前のアニメ紹介動画での山梨県についてのタグである。

概要

都道府県対抗シリーズのアニメ紹介の動画において、2017年以前は山梨県を舞台として作品はほとんどなく、すぐ紹介が終わってしまうというオチがついていた。2018年にゆるキャン△がアニメ化される前の山梨県が舞台（または舞台とされている）アニメは以下の作品があった。

• 最臭兵器（1995年）
• ハングリーハート WILD STRIKER（2002年）
• イリヤの空、UFOの夏（2005年）
• ペルソナ4（2011年）
• 迷家-マヨイガ-（2016年）

このうち「最臭兵器」は実在の知名や施設、さらに甲州弁ネタまで披露するなど元祖山梨のご当地アニメともいえる作品であるが、この作品は「MEMORIES」というオムニバス形式であったため、最臭兵器単体では紹介できないのである。また、「ハングリーハート WILD STRIKER」は設定上は山梨県が舞台となっているが、施設や風景はすべて架空で、山梨県内にモデル地が皆無なのである。まあ作者が別の作品で出身地の地名をサッカーが盛んという理由だけで縁もゆかりもない他の県に移動させることをやっているから…そのこともあり、上記2作品はアニメ紹介動画からも除外されている。

上記2作品に続いてOVAとして発売された「イリヤの空、UFO」は夏も身延線市川大門駅や甲斐市のボウリング場跡地などファンによってモデル地が特定されているが、実際は山梨にある施設を使用しているだけで「山梨が舞台」ではなく（実際OVAでは東京都や群馬県の風景や施設も登場している）、ペルソナ4についても中央本線の石和温泉駅や富士吉田市の商店街がモデルとして登場しているが、こちらも山梨県内にモデル地はあるが「山梨が舞台」ではない。この2作品はwikipediaでは当初こそ山梨県が舞台のアニメ作品として紹介されていたが、出典なしということで現在では記述が消されている。（アニメ紹介動画での扱いについては後述。）

一方、迷家-マヨイガ-は作品内の納鳴村のモデルが道志村で、実際村内の道の駅などの施設がモデルとして登場する。また、放送後の村内イベントでは迷家-マヨイガ-も参加し、出展ブースや声優のトークショーも行われ、ニコニコ生放送の特番として「TVアニメ『迷家-マヨイガ-』スペシャルニコ生～本当に道志村役場からお届けします～」が放送されるなど、山梨県が舞台のアニメとして公式から認定されている。ただ別の言い方をすると山梨県が明確に主舞台とされる単独アニメ作品は2016年の「迷家-マヨイガ-」まで存在しなかったことになる。ちなみに舞台となっている道志村は11月から4月までの休日は公共交通機関で訪れることができないという山梨の中でも特に僻地で、聖地巡礼を行なう場合は非常にハードルが高い場所のため、盛り上がりは非常に限定的であった。

このような状況のため、2018年に発表された「2018年版訪れてみたい日本のアニメ聖地88」では山梨県は1つも選ばれなかった。山梨県以外にも選ばれていない県はあるが、いかんせん山梨県の周辺都県（東京都、埼玉県、神奈川県、静岡県、長野県）は嫌がらせのごとく有名なご当地アニメが多いため、虚しさが増す状況になっていた。

アニメ紹介動画について

上述の通り山梨を舞台とする単独アニメは迷家-マヨイガ-まで存在しなかったが、都道府県対抗のアニメ紹介動画は当然それ以前からある。では山梨県が舞台のアニメとして何が紹介されていたのかというと、先の概要で述べた通り本来であれば山梨が舞台ではない「イリヤの空、UFO」と「ペルソナ4」である。

上述の2011年度版と2014年度版で山梨県が舞台として紹介されているアニメは実は山梨県が舞台ではないが、そうなると山梨のアニメが該当なしで紹介できない状況となってしまう。テーマ上「なんとしてでも47都道府県すべてを紹介しないといけない」ことから、動画制作者の苦肉の策であることが伺える。尤も本来他県が舞台である作品が出張してきた話を舞台として持ってきているという山梨県以上に苦肉の策を行なっているところもあるけど。

ゆるキャン△後の山梨

ゆるキャン△前ということは当然ゆるキャン△後の山梨もあるのでここで解説する。

2017年7月にゆるキャン△の2018年冬アニメ化が決定し、制作段階でゆるキャン△サイドはリアリティを求めるため山梨県に協力を要請した。すると山梨県は全面協力を打ち出し、以下の内容でゆるキャン△をアピールしていった。

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• 2017年11月にやまなし観光推進機構が許可のもとゆるキャン△の特設サイトを開設。公式イラストのモデル地を紹介し、現地撮影のうえ公式イラストとの比較を掲載した。また同月15日のコラボカフェでもゆるキャン△をPRするなど、まだアニメが放送されていないのにもかかわらず舞台や聖地を山梨県がアピールしていった。
• 2018年1月4日にゆるキャン△第1話が放送されるとその翌日に特設サイトにて第1話のモデル地が紹介されるという更新の早さ。その後も山梨県内が話の舞台であれば翌日には紹介されるという更新の早さで支援が行われる（但し長野県や静岡県がモデル地の場合は更新に2～3日を要していた）。
• 山梨県内ではケーブルテレビを介すればTOKYOMXなどでリアルタイムに視聴することができた（山梨県のケーブルテレビ事情を参考）が、地元テレビ局の山梨放送も4月より放送を開始（山梨放送が日本テレビ系列以外の深夜アニメを放送するのは非常に稀）。その後も随時再放送を繰り返している。
• アニメ放送終了後、主要人物が通学する本栖高校のモデル地周辺の住民によって『五条ヶ丘活性化推進協議会』が結成される。推進協議会によって最寄りの身延線甲斐常葉駅から本栖高校までの案内標識が設置され、本栖高校のイベントにも全面協力。地域内にある薬局や郵便局にもグッズが置かれる。
• アニメで紹介された商品や企業も全面協力を実施。「ラッキードリンクショップ」のモデルとなったハッピードリンクショップがゆるキャン△とコラボレーションを実施し聖地近くにラッキードリンクショップを出店したり、犬山あおいのバイト先のスーパーもゆるキャン△グッズの特設コーナーを設置し、その充実ぶりから「アニメイト身延店」と称されるようになる。ちなみに大垣千明のバイト先は閉店しているが、所在地である身延町とデベロッパーによって建物を「酒の川本」仕様にしてしまう。
• 作品内の架空のアイテムを次々と商品化。「しまりんだんご」が実際に郷土土産品として販売を開始したほか、犬山あおいのウソ話「蕎麦鵜丼」も地元ホテルが期間限定で販売。
• 鳥羽美波の酒癖までイベントのネタとし、2019年2月には「グビ姉の利き酒会」を甲府市の式場で開催。鳥羽美波（と志摩リン）の中の人も参加し、地元の日本酒が振る舞われた。
• 舞台である身延町には日蓮宗の総本山である久遠寺があり、聖地巡礼を奪われている状況である…と思ったら久遠寺もゆるキャン△とコラボレーションを実施。交通安全祈願祭を実施したり交通安全ステッカーを販売したりしている。
• 2020年1月にテレビドラマが放送されると、それまで架空だった本栖高校の校舎や商業施設が実際の施設や店舗名で登場。当然作中に登場した各キャンプ地もすべて実際の施設で撮影が行われている（さすがに架空であるキャンプ用品店は再現できなかったが、代わりに甲府市内にある店舗で撮影）。
• そして山梨県がゆるキャン△のための県の特別予算を組み、2020年2月にJR東海と共同で「ゆるキャン△梨っ子号」を運行。

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このように今までアニメの舞台がなかった分の反動が凄く、山梨県（特に舞台となっている身延町周辺）は狂喜乱舞状態となっている。また、この状況を見たのかKADOKAWAも山梨県北杜市を舞台としたスーパーカブのアニメ化を決定（名目上はホンダ・カブ1億台突破記念）したり、まえせつ！でも県内の温泉のロケのため山梨県のフィルムコミッションへ協力を要請し、それに応えて支援を行なったりしている。ご当地アニメ不毛の地がいまや嘘のような状況である。

ちなみにアニメ紹介動画の2020年版ではゆるキャン△をはじめ、山梨県の舞台紹介は増えつつある。ひっそりとペルソナ4が除外され、代わりにアニメ化の際山梨県の痕跡が消されたあさっての方向が追加されているけどそこは気にしない方向で。2020年秋アニメとして放送されている神様になった日も山梨県内に主要モデル地があるため、2021年度版以降のアニメ紹介動画に掲載される可能性がある。

関連項目

• 山梨県
• ご当地アニメ
• 都道府県対抗シリーズ
• 子供に優しい東京都
• 人も街も崩壊する神奈川
• 新聖地埼玉
• key半島
• 西の強豪兵庫
• 懇願する長野