アンブレイカブル(競走馬)とは (アンブレイカブルとは) [単語記事]

アンブレイカブル(Unbreakable)とは、1935年生まれのアメリカ生産イギリス調教の競走馬である。

概要

アメリカの名士でケンタッキー州レキシントンにエルメンドーフファームを構えるジョセフ・E・ワイドナー氏によって生産・所有された。
アンブレイカブルの父Sickleは第17代ダービー伯爵の生産馬でワイドナー氏の手によってアメリカに輸入されたもの。母Blue Grassはフランス産馬でオーガスト・ベルモント氏に1歳時に購入されアメリカに輸入され、ベルモント氏の死後ワイドナー氏の所有となった。

アンブレイカブルはベルモント氏所有のままイギリスに送られ後に「サー」の称号が贈られることになる名調教師セシル・ボイドロックフォート師に預けられた。半兄のHurryoffはアメリカで走っているのに何故ワイドナー氏がアンブレイカブルをイギリスで走らせようと思ったかは不明である。

2歳(1937年)

アンブレイカブルはヨークのゼットランドプレートで2着になり、アスコットのウィンザーキャッスルSでも3着に惜敗した。ニューマーケットのエクセターSでは2馬身差で初勝利を挙げた。ニューマーケットのソルティコフSではジムクラックS優勝馬Golden Sovereignを3馬身差で破った。グッドウッドのリッチモンドSではフランス産馬のPactolusとKhan Bahadurを3馬身差で破った。ニューマーケットのミドルパークSではのちのセントレジャー馬Scottish Unionの3着に敗れた。
2歳時の成績は6戦3勝だった。

3歳(1938年)

3歳初戦はケンプトンパークのコヴェントリーS(現存するアスコットのコヴェントリーSとは別)に出走するがPaschの着外に敗れた。2000ギニーステークスでもPaschの5着に敗れた。今までスプリント戦でしか勝っていないにも関わらずダービーステークスに果敢に挑戦するが、フランスのBois Rousselの8着に敗れた。アスコットの1マイル戦ウォーターフォードSでは2馬身差で勝利した。リヴァプールの10ハロン戦ノーズリーディナーSでは2着に惜敗した。現在でもG1として現存するサセックスSでは2着に敗れこのシーズンを終えた。
3歳時の成績は6戦1勝。

4歳(1939年)

古馬になってからの初戦はエプソムのシティ&サバーバンHだったが着外に敗れた。ハーストパークでの7ハロン戦ヴィクトリアカップでは勝利しこの距離では力が発揮できることを証明した。
4歳時の成績は2戦1勝。
そしてこの年を最後に引退しアメリカに「帰国」することになった。

通算14戦5勝。

種牡馬として

アンブレイカブルは初期のうちから58戦27勝でプリークネスS優勝・1947年最優秀スプリンターのPolynesian、135戦(!)22勝のInseparable、79戦13勝のSturdy Oneを出したが、ステークスウィナーは最終的に13頭にとどまった。そしてPolynesianは歴史的名馬Native Dancerを出した。ワイドナー氏の死去でエルメンドーフファームに所有が移され、1952年に死亡した。

血統表

Sickle 1924 黒鹿毛	Phalaris 1913 黒鹿毛	Polymelus	Cyllene
			Maid Marian
		Bromus	Sainfoin
			Cheery
	Selene 1919 鹿毛	Chaucer	St. Simon
			Canterbury Pilgrim
		Serenissima	Minoru
			Gondolette
Blue Glass 1917 鹿毛 FNo.4-i	Prince Palatine 1908 鹿毛	Persimmon	St. Simon
			Perdita
		Lady Lightfoot	Isinglass
			Glare
	Hour Glass 1909 青毛	Rock Sand	Sainfoin
			Roquebrune
		Hautesse	Archidoc
			Hauteur