ファラリス(Phalaris)とは、1913年生まれのイギリスの競走馬である。
競馬の血統にちょっと詳しい人ならば、ファラリスの名前は親の顔より見たってって人も多いかもしれない。なんせ、ネアルコ・ネイティヴダンサー・トムフールなど現在のサラブレッドの90%以上がこの馬の子孫なのだから。しかしその知名度に反してこの馬が何をしたのか答えられる人は少ないかもしれない。ファラリスは性格は極めて温厚、馬体は立派、おまけに競馬の名門、第17代ダービー伯爵生産という完璧超人(馬)な上に活躍時は第一次大戦中で資料が散在していて面白いエピソードが残っていないのだから。
2020年まで記事が作られなかったのはこのせいかもしれない。
名前の由来は処刑器具「ファラリスの雄牛」の由来ともなった古代シチリアの暴君ファラリスから。
ファラリスはお抱えの調教師、ジョージ・ラムトン師に預けられた。
2歳にはニューマーケットでデビューし着外に敗れ、2戦目で初勝利を挙げた。3戦目では出遅れながらも2馬身差で勝利し、2歳時は3戦2勝だった。
3歳時の目標はクラシック第1戦2000ギニーステークスになるのだが、前哨戦のクレイヴンSでは3着、本番の2000ギニーステークスでは着外、スチュワーズHでは軽ハンデにも関わらず着外となった。これらの敗戦によりダービーは断念せざるを得なかった。
この後はビューフォートS、セントジョージH、ロイヤルSに勝利し、ライムキルンSでは2着に敗れた。
4歳になってからはスプリントのレースを中心に走ったが、この年は大戦の影響でジュライカップやキングジョージステークスなどのスプリント大レースが中止、とりあえず走れるハンデキャップ競走に出走した。クローファードHで2着、ブレッドバイH、チェスターコースS、セントアイブスHで勝利した。その後マイル戦のベリーセントエドマンズプレートでは前年のダービーとオークスを勝利したフィフィネラとの対戦となったが、ファラリスの勢いは止まらず勝利した。その後はスネイウエルS、チャレンジSを連勝し、ザ・ウィップでは単走で勝利して連勝を7に伸ばした。ケンブリッジシャーHでは連勝中の130ポンド(約59kg)以上のハンデからすると比較的軽い126ポンド(約57.2kg)というハンデとなったが、着外に敗れた。
5歳時にはアビンドンプレート、ジューンSに勝利し、ボーフォートSで着外に敗れた後ランウェイズプレートに勝利し、チャレンジSでは単走で勝利した。この年はジュライカップが開催されたのでこれを目標に調整していたが154ポンド(約69.9kg)を背負わされるとわかると回避し、引退した。
フィフィネラに勝ってはいるが距離の優位はあったし、スプリント戦に多く優勝しているが当時のスプリント戦はあまり価値が高いものではなかったしで、よくわからない競走成績であった。
現在でこそスプリント路線が世界中で整備されているものの、当時のダービー伯爵はスプリンターの価値がわからなかったので売却しようとしたが、大戦による混乱の影響で買い手がつかなかった。
ダービー伯爵の所有馬のまま種牡馬入りさせると、今度はファラリスの卓越したスピードが求められて人気種牡馬となった。
当初はスプリンター血統と思われていたのだが、初年度からチャンピオンS優勝馬のファロスを出すと、1925年にはマンナがダービーを制し、1928年にはセントレジャーを制するフェアウェイまで現れた。
さらにファロス・シックル・ファラモンドの子孫が物凄い勢いで勢力を広げ、今ではほとんどのサラブレッドがファラリスの子孫となっている。
ファラリスは1931年に種付け中に心臓発作で死亡した。享年16歳。
Polymelus 1902 鹿毛 |
Cyllene 1895 栗毛 |
Bona Vista | Bend Or |
Vista | |||
Arcadia | Isonomy | ||
Distant Shore | |||
Maid Marian 1886 鹿毛 |
Hampton | Lord Clifden | |
Lady Langden | |||
Quiver | Toxophilite | ||
Young Melbourne Mare | |||
Bromus 1905 鹿毛 FNo.1-i |
Sainfoin 1887 栗毛 |
Springfield | St. Albans |
Viridis | |||
Sanda | Wenlock | ||
Sandal | |||
Cheery 1892 黒鹿毛 |
St. Simon | Galopin | |
St. Angela | |||
Sunrise | Springfield | ||
Sunray |
クロス:Springfield 3×4(18.75%)、Lord Clifden 4×5(9.38%)、Stockwell 5×5(6.25%)
父Polymelusは31戦11勝でチャンピオンS優勝馬。種牡馬として人気だった。
母Bromusは10戦1勝と特筆すべき成績を残していないがラムトン師の薦めでダービー伯爵が購入した。
※太字はそれ以降のサイアーライン表が個別記事にある馬である。当該馬から先のラインはその記事を参照されたい。カーソルを置いてポップアップが表示される馬はニコニコ大百科に記事あり。
Phalaris 1913
|Pharos 1920
||Fastnet 1933
|||*フェリオール 1951
||||ソロナオール 1969
||Nearco 1935
||Pharis 1936
|||Ardan 1941
||||Hard Sauce 1948
|||||ミスオンワード 1954
|Manna 1922
||Miracle 1929
|||ミルトン 1936
||||カネリュー 1951
|||||カネケヤキ 1961
||Colombo 1931
|||British Empire 1937
||||Endeavour 1942
|||||Pretense 1963
||||||Sham 1970
|Sickle 1924
||Unbearkable 1935
|||Polynesian 1942
||||Native Dancer 1950
|Fairway 1925
||Fair Trial 1932
|||Court Martial 1942
||||*イーグル 1958
|||||ダイシンボルガード 1966
|||Petition 1944
||||March Past 1950
|||||Queen's Hussar 1960
||||||Brigadier Gerard 1968
||||Petite Etoile 1956
||||Petingo 1965
|||||*ソルティンゴ 1975
||||||スズパレード 1981
|||||Troy 1976
||Blue Peter 1936
|||Masthead 1944
||||Matrice 1951
|||||Manihi 1964
||||||Manikato 1975
||*ハロウェー 1940
|||スターロツチ 1957
|||タニノハローモア 1965
||Solferino 1940
|||*ソロナウェー 1946
||||キーストン 1962
||||テイトオー 1963
||Honeyway 1941
|||Great Nephew 1963
||||Shergar 1978
|Pharamond (GB) 1925
||Menow 1935
|||Tom Fool 1949
||||Tim Tam 1955
||||Buckpasser 1963
|||||Silver Buck 1978
||||||*シルバーチャーム 1994
掲示板
5
2021/12/15(水) 21:05:38 ID: 27EZBQJBaF
ノーザンダンサー、ミスタープロスペクター、ヘイルトゥリーズンが全部この馬の子孫なんだから、そりゃ血統表で必ず見ることになるよなぁ
6 ななしのよっしん
2023/03/30(木) 08:29:00 ID: ljYtpbdk0w
ウイポでファラリスフリーを狙うなら70年代がデッドライン
これ以降はライジングフレーム、ソロナウェーやネヴァーセイダイ等で一気に染め上がる
7 ななしのよっしん
2023/03/30(木) 22:51:10 ID: LwwdAJvEJS
ウイポといえば、どうしてファラリスが親系統になっていないんですか?(電話猫)
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最終更新:2024/04/19(金) 23:00
最終更新:2024/04/19(金) 23:00
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