ガンダムTR-6[ウーンドウォート]とは、雑誌企画『ADVANCE OF Ζ』に登場するモビルスーツである。
名称は植物の名と『ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち』に登場するウサギ「ウーンドウォート将軍」(新訳版ではウーンドワート将軍)に由来する。メカニックデザインは藤岡建機。
コンペイトウ技術局で開発が進められたガンダムタイプのモビルスーツ。TR計画の最終到達点であり、その構想とスペックは最終的に第3世代MSを凌駕したものとなっていた。
そして、このTR-6こそ現存する宇宙世紀のMS内である種の「最強」に近い存在かもしれない。
少数精鋭のティターンズは多数の兵器を用意するよりも一機のモビルスーツで多大な戦果を挙げられる、すなわち一騎当千の機体が求められた。“ティターンズの威光と権限の象徴”として相応しいモビルスーツには、一年戦争時に地球連邦軍、ジオン軍双方から恐れられる活躍を見せたRX-78-2「ガンダム」が選ばれる。
この「ガンダム信仰」とでも言うべき思想から生まれたのがTR計画の祖、ガンダムTR-1[ヘイズル]であった。
そこからテストベッドの役割を持ったTR-5までのTR計画機が製造される(ただし、最初のTR-1[ヘイズル]以外は俗に言うガンダムタイプではなくギャプランやハイザック、アッシマー等に関連する機体)。
最終的にTR-1からTR-5までの開発・運用で得たデータをフィードバックし、ティターンズが持てる限りの技術を尽したガンダムを製造した。これがTR計画の結晶「ガンダムTR-6」。名をウーンドウォートという。
| ガンダムTR-6[ウーンドウォート] | ガンダムTR-6[ハイゼンスレイⅡ] |
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| ガンダムTR-6(侵攻・殲滅形態) | ガンダムTR-6(バリエーション) |
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| ガンダムTR-6(レジオン) | |
| GUNDAM TR-6[WONDWART] ガンダムTR-6[ウーンドウォート] |
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| 型番 | RX-124 ARZ-124WD(RE-ZION鹵獲機) |
| 全高 | - |
| 重量 | - |
| 搭乗者 | エリアルド・ハンター アリシア・ザビ アリシア親衛隊クローン |
| 武器 |
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TR計画の到達点にしてティターンズの最終兵器、万能兵装システム「ガンダムTR-6」のコアとなる可変MS(TMS)。
サイズと設定画のポーズの可愛らしさが相俟って小柄な女の子のような印象も受けるが、一方で機体形状からは想像できないハイスペックを持っている。
特に多種多様なオプションを装着した際の変貌具合はもはや素体の愛らしい姿を残す事はない。
あくまで素体であるためサイズは1~5世代(第1期MS)と比較するとかなり小さい。資料によるとおおよそ10mとフォーミュラ計画以降の第2期MSよりも小型化していた。
背骨の可動式パーツ「ドラム・フレーム」を核とし、上半身・下半身ユニットなど様々なパーツを装着していく。
整備性の向上を目的とした機種統合計画が開発に織り込まれ、換装によってTRシリーズ各機、またティターンズの機体全ての形態を一つの機体で扱えるよう設計された。
RX-78「ガンダム」の正統量産機RX-81「ジーライン」を遥かに上回る豊富なパーツおよび拡張性の高さは、様々な戦況に対応出来る究極のマルチロール型とも言える。
純粋に戦闘に特化した形態は勿論のこと、中には「侵攻・殲滅形態」とも呼ばれる大型モビルアーマー形態や戦艦のような運用法を取る「弩級形態」も存在する。一方で、TR-6開発計画はコストなど度外視としており、予算・リソースはティターンズへの優遇という形で賄われていたようだ。
その最たるものがガンダムTR-6専用の宇宙ステーションである。当時、ティターンズは地球圏の支配をより強固な物とするために「地球圏の守護者」として≪ある究極のガンダム≫を開発し、地球の何処にでもそれを向かわせるプランを構築した。…それで終われば良かったのだが、果ては地球圏に留まらず“TR-6ひとつで外宇宙に進出する”という途方もないプランも構築されていたようだ。
当初の開発思想がどうであれ、あらゆる可能性を秘めたガンダムTR-6が行き着いた先は、こうしたティターンズのエゴイスティックの権化であった。
また、開発の裏でTR-6のパイロットである「強化人間」の非人道的な実験も行われていたようで、ガンダムTR-6は最終的にサイコガンダム以上に、ティターンズという組織の“負”を凝縮させたMSとなっていったのである。
フルドドⅡを介して大型パーツを素着する事で、50m、100mと…まるで幾重にも積み重なった、小規模な移動要塞のような機動兵器に変貌していく。これが比較的小さいTR-6の到着点でもある。こうなると素体の原型など一切留めず、一見してガンダムタイプとすら判断がつかない。
肥大化した太股部分はジェネレーター内蔵式であり、サイズに不釣り合いな高出力を誇る。これはウーンドウォートが素体として開発されたため。 装甲は必要最低限の物しか持たされておらず、フレームが剥き出しになるほど薄いがそれも拡張を意識しているためであった。
OSは「OVER THE MIND計画」(通称:3号計画)で開発された「強化人間人格型OS」を採用しており、素体にはマルチロック対応システムが備わっている。
モビルアーマー形態は戦闘機とは似つかない特異な形状をしており、従来のTMSと違って空力特性には乏しく、宇宙戦用としての性質が強い。
ガンダムTR-6用のブースター付きウェポンカーゴ。カーゴにはガンダムTR-6[インレ]用の物も存在する。
搭載スペースはカートリッジ式で、搭載兵装案にはマイクロミサイル、Iフィールドジェネレーター、ビット、さらに核弾頭ミサイルやBC兵器、お風呂までも…。オプション風呂付きガンダムは他に「ガンダムアストレイ アウトフレーム」が存在するのだが、そんなに大事なのだろうか風呂機能。
ウーンドウォート素体にフルドドⅡを2基装備した推力・武装の強化仕様。フルドドⅡのドラムフレームに、通常では不可能な大型パーツの接続が可能。
ラーⅡ形態、ハイゼンスレイⅡ・ラー形態がTR-6の各種大型モビルアーマー形態のコア・ユニットとなる。しかし単体でも戦闘能力は高い。
ラーⅡ形態(フルドドⅡ)に、サイコガンダムの手足を装着した形態。
ヘイズル・アウスラ「ギガンティック・アーム・ユニット形態」に位置する巨大MS形態。新たに「脚」を接続し、サイズは40m級に変移。その姿から敵に与える心理的影響が大きいと思われる。
そもそも敵への心理的影響を検証する機体がTRシリーズの原点、ガンダムTR-1[ヘイズル]である。
そのヘイズルの検証試験データは「ガンダムヘッドがジオン兵に与える心理的影響」。検証試験は後に繋がる結果を残しており、違いはあれどヘイズルが見出した機体による心理的効果を活用した形態なのかもしれない。
5基のウェポンカーゴを装備した拠点防衛形態。
頭部ウェポンカーゴが冠を連想させる事から「クインリィ(女王)形態」とも呼ばれる。
コンテナには対艦大型ミサイルやマイクロミサイルを内装火器として搭載。高度な火器管制システムで大量の火器を制御しており、複数の目標を同時に捕捉・攻撃する。(マルチロックにはTR-6のOVER THE MIND計画OSが働く)
ウェポンカーゴは「OVER THE MIND計画OS」に対応した準サイコミュシステムが搭載され、マルチロックの他、オールドタイプでもオールレンジ攻撃が可能。
両肩にガンダムTR-6[アドバンスド・キハールⅡ]MA形態を計2機ジョイントしており、アドバンスド・キハールⅡはカーゴを装着したままMS形態に分離変形出来る。艦載機あるいは装着機の規模からガンダムTR-6[インレ]の規模縮小版といった感じで、インレを投入するまでもない作戦で使われる。
宇宙世紀0083年、ジョン・コーウェン中将主導で行われた「ガンダム開発計画」にて、本形態とコンセプトを同じくするガンダムが開発。そしてデラーズ紛争において「星の屑」を阻止するべく投入されたとの噂があった。そのガンダムは公式記録から存在を抹消されたらしく、半ば都市伝説の様に語られている。
グリプス戦役時代の連邦軍内では、当時を知る士官が記憶に留めているようだ。
拠点防衛形態にサイコガンダムの手足を接続した状態をフルアーマー・クインリィと呼ぶ。
背部の球状の装備、試作飛行システム「ダイダロスユニット」によりこの図体でも大気圏内の浮遊を可能とした。ダイダロスユニットに関しては後述のガンダムTR-6[ダンディライアンⅡ侵攻・殲滅形態]を参照。
実はギガンティック・ユニットやウェポンカーゴの準サイコミュシステムは、ガンダムTR-6をサイコガンダムの代わりに強化人間に搭乗させるというプランの下、搭載された機能である。
ガンダムTR-6[サイコ・インレ]同様、当初のオールドタイプが扱うプランから逸脱し始めていた事が伺える。
高速戦闘形態、ガブスレイ形態とも呼ばれるTR-6の代表的なMS形態。当初雑誌ではアドバンスド・ウーンドウォートという名が付けられていたが、後にハイゼンスレイⅡに改名している。
→詳細は「ガンダムTR-6[ハイゼンスレイⅡ]」を参照。
初代AOZに出るTR-6の戦闘形態は、本形態に支援用Gパーツ「フルドドⅡ」を装着した「ハイゼンスレイⅡ・ラー」という総合性能向上型であり、ゲーム『Gジェネレーションオーバーワールド』にて、TR-6全形態中(もちろんウーンドウォートやインレを差し置いて)唯一出演を果たした。
Ζ計画の可変機「Ζガンダム」等の対抗馬として設計された形態であり、大気圏突入能力や大気圏離脱能力も与えられた他、バウやZZガンダム同様に複数のコア・ブロック(とドラム・フレーム)が追加されている。
TR-4[ダンディライアン]の大気圏突入モジュールを装備したMA形態。
コア・ユニットとしてウーンドウォートを内蔵し、素体に装備したフルドドⅡにダンディライアンのパーツを装着。
大気圏内外の高速戦闘において高い機動性を持つ。 伸縮自在な大型クローは攻撃の他に、接地時の足やAMBAC肢としても機能している。
巨大ユニット「ダンディライアンⅡ」を装着し、換装を行ったMS形態。カテゴリは「侵攻・殲滅兵器システム(invasion and destroy weapon system)」。敵地に侵攻し、強大な火力を用いて目標を殲滅・破壊する。単機で戦況を覆し得る殲滅・侵攻兵器というカテゴリがTR-6本来の姿なのである。
ダンディライアンⅡは、TR-6の最終形態[インレ]を構成する下部ユニットに使用される。サイズは目測でウーンドウォート4~5機分。50m級かそれに準ずるサイズだと思われる。
ギャプランTR-5[ファイバー]の運用データを基に開発された長距離侵攻・高火力ユニット。
「侵攻・殲滅兵器システム(invasion and destroy weapon system)」にカテゴライズされる。
ガンダムTR-6[キハールⅡ]を搭載可能であり、戦場まで運び戦闘ユニットとして展開する。キハールⅡだけでなくヘイズルやキハールなど、他のモビルスーツも搭載出来る。
弾道軌道による超音速侵攻で敵地に切り込み、圧倒的な火力とキハールⅡの展開を以て制圧する。
TR-6最終形態[インレ]の上部ユニットとなる機体。
TR-6の最終到達点にして決戦仕様。ファイバーⅡとダンディライアンⅡの2機の侵攻・殲滅形態が合体した形態。
二機の巨大MAが合体したその全高は既に「100m」を超えており、グリプス戦役時における機動兵器の中では破格のサイズを誇った。
→詳細は「ガンダムTR-6[インレ]」を参照。
実はこのインレも量産機であり、ウーンドウォートの項で書いたようなとてつもない運用プランも用意されていた。
TR-6はインレが到着点だが、発展機・仕様変更機があり、その形態の一つがサイコミュ、核ミサイル、BC兵器などを搭載した「サイコ・インレ」というやたら禍々しい形態である(これについてもインレの記事を参照して貰いたい)。
本形態での変貌具合はもはやガンダムタイプと言い難く、その様はまるで小規模な移動要塞のようである。
型式番号:RX-124KH-2
試作アッシマーTR-3[キハール]のデータを基に開発された[キハールⅡ]ユニットを装着した形態。
本機は決戦兵器・ガンダムTR-6[インレ]の護衛随伴機として開発された。
頭部カバー・メインカメラをキハールと同型の物に換装。頭部アンテナは回転式であり、通常は正面に向いている。
MS形態の脚部は足裏の表面積が小さいウーンドウォート素体から換装しておらず、歩行には適さない。ホバーユニットを装着しており、地上ではホバー走行で移動する。
キハールⅡは少なくとも6機は製造され、いずれもファイバーⅡ、インレの艦載機となる予定であった。
カラーリングはティターンズカラー(濃紺色)が目立つタイプと陸戦カラータイプ(TR-3と同色)がある。オレンジはキハール重力下仕様の色からも部隊内では地上用としての見方が強い。
早期警戒用センサーレドームを装着した電子戦仕様。
レドームユニットはブースターポッドを外して装着されており、キハールⅡの索敵能力を飛躍的に向上させた。
なおEWAC装備時は、基本的にMS形態に変形せず中間形態までで留める。
両肩にウェポンカーゴを装着した形態。MA形態でTR-6の「拠点防衛形態」の両腕部を形成する特殊機。
ウェポンカーゴの重量増加に対応するため、かかと部分にパーツを装着し接地を安定させた。 パーツは接地板とハイゼンスレイⅡと同じ部品を接合した物。 「履かせる」といった表現の方が伝わりやすいかもしれない。
ウーンドウォートの頭部オプション「ハイメガ粒子砲」を標準装備しているため、火力も高い。
ギャプランの両腕+ムーバブル・シールド・バインダーと、ヘイズルの脚を接続した形態。
パーツ評価試験用の機体故に特化した性能はないが、不足のない戦闘能力を発揮できる。
ギャプランTR-5[アドバンスド・フライルー]のパーツとヘイズルの脚を装着した形態。
フルドドⅡ、スラスター、ウェポンカーゴを追加し、火力と機動性の向上を図った。両腕と中央のフロントアーマーに開放バレル式ビームキャノンを3基装備。ビーム・キャノンは長射程で遠距離からの一方的な射撃が可能。この形態は射撃形態とも呼ばれるが、腕が使えないため、格闘戦時は専用形態に変形する。
ダブルシールド保持タイプのブーストポッドを装備した形態。
ブーストポッドのシールド保持ラッチにコンポジット・シールド・ブースター2枚をジョイントする。 ライフルモード時にバレルを前方にスライドさせて高出力ビーム・キャノンを放つ。
ハイザックの腕とマラサイの脚を取り付けた形態。
ウーンドウォートからデチューンされており、(高性能のウーンドウォートと比較して)ロースペックだが、それ故に一般パイロットでも扱いやすくなっている。 ハイザックやマラサイに慣れたパイロット向き。
AOZ第3作『A.O.Z Re-Boot ガンダム・インレ -くろうさぎのみた夢-』に登場。型式番号:ARZ-124WD
アリシア・ザビを総帥とする火星ジオン残党軍「RE-ZION」で捕獲運用されている漆黒のウーンドウォート。
レジオンに合流したティターンズ残党勢力よりもたらされた機体をベースに、数機が生産された。キハールⅡやリハイゼ等のベースとなっており、元のウーンドウォート同様豊富な換装形態を持つ物と思われる。TR-6用オプションパーツの色はレジオンのシンボル色の“赤”に統一している。
TR-6を開発ベースにしたレジオンの展望は、究極形態TR-6[インレ]の完成であった。
ウーンドウォート鹵獲機の換装形態は、一部新規設計機を除き全て上記で解説した各形態に準ずる。
型式番号:ARX-121R、ARZ-125
レジオン総帥のアリシア・ザビ専用機。ハイゼンスレイⅡの改修仕様で、腰部ジェネレーター直結式メガ粒子砲やサイコミュを備えている事から第4世代MSに分類される。
装甲形状の変更に加え、赤を基調としたカラーリングに改められた事で一見してガンダムタイプとは認識しづらく、唯一腕部だけがベース機そのままのラインを残している程度である。その変わり様は、ハイゼンスレイⅡを持ち込んだティターンズ兵からは「魔改造」と称されている。
ハイゼンスレイⅡ同様、MA形態での大気圏突入及び離脱能力を備える。MS形態における腰部パーツがMA時の機首に該当するため、メガ粒子砲による一撃離脱戦法を意識した設計となっている。
股関節部は他のTR-6同様にサブアームユニットであったが、パイロットであるアリシアの要望によりIフィールド・ジェネレーターに換装された。
季ノ木氏によるTR-6の3Dモデリングシリーズ。
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最終更新:2025/12/06(土) 21:00
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