ガンダムTR-6[ハイゼンスレイⅡ]とは、公式外伝『ADVANCE OF Ζ』に登場するモビルスーツである。
この記事ではハイゼンスレイⅡ・ラー、リハイゼも解説する。
ティターンズの主力量産機「ガンダムTR-6」の換装形態の一つにして高速戦闘形態。本形態は『機種統合計画』でのガブスレイの代替後継機でもあるため、ガブスレイ形態とも呼称される。
ウーンドウォートとは機体構造が異なり、元あったドラム・フレームに新たにドラム・フレームをもう1基追加し、2基の背骨ドラムフレームを軸に、強化パーツを纏った「プリムローズⅡ(コア・ブロック)」を接続している。ドラム・フレームの追加によって全高は25m級に達し、第4世代MS並のサイズに大型化している。
ZZガンダムやSガンダム等の『Ζ計画』次世代可変機の対抗機という位置づけで、それらと同様に分離可変構造を採用。ハイゼンスレイⅡの上半身は「Gトップ・ファイター」、下半身は「Gボトム・ファイター」と呼称され、これらが合体・変形して人型のMS形態を構成する。
トップ側、ボトム側の両方にプリムローズⅡが内蔵され、最大搭乗員も2名に増えているが、片方から遠隔操作が可能であるため、サブ側のプリムローズⅡ搭載は必須ではない。
武装は脚部(膝、Gボトムファイター部)に内蔵したミサイル、両肩部の収納式アーマーにフレキシブルに可動するビーム・キャノンを1基ずつマウント。収納式のショルダーアーマーは「ル・シーニュ」のようにガトリングガンやミサイルポッドなど作戦に合わせて各兵装の換装を行える。
背部にフルドドⅡ用ジョイントユニット(メガ粒子砲内蔵型ブースター・ポッド)を装着しており、MA形態時にはメガ粒子砲部分が機首となる。また、増加スカートアーマーの左右にはスプレッドビーム砲も設置された。
腰両サイドのアーマーにはジェネレーターを内蔵したテールスラスターユニットが装備され、有り余る莫大な推力から重力下での飛行も可能。
また本形態には大気圏突入能力/離脱能力も与えられている。
機種統合計画においては、ガンダムTR-6[ウーンドウォート]がパーツを換装することで、既存ティターンズ/連邦機の後継機(代替機)に変化する。通常、TR-6の換装形態では「キハールⅡ」「ファイバーⅡ」「ダンディライアンⅡ」のように模した機体の名を継承していく。
ハイゼンスレイⅡも、名の通りガンダムTR-1[ハイゼンスレイ]に対応する互換形態なのだが、TR-1のハイゼンスレイはストーリーには登場せず、いきなりⅡから登場している。そのせいもあってか単にハイゼンスレイと言うだけでハイゼンスレイⅡを指すことはかなり多い(誤植かもしれないがコミック版の巻末で既にそうなっている。Re-BootのセリフでもⅡは省略している)。
発表当初は「高速戦闘形態」「アドバンスド・ウーンドウォート」と呼ばれていたが、連載終了後の2009年ごろから「ハイゼンスレイⅡ」に統一されるようになった。
機体名称はTRシリーズの元ネタ「ウォーターシップ・ダウンのウサギたち」に登場するウサギ「ハイゼンスレイ」に由来しており、ガブスレイとの語呂合わせと考えられる。ガブスレイの関連機設定はヘイズル強化コンペのフリー部門1位を受賞した読者公募の模型オリジナル機、RX-118「ハイゼンスレイ」を参考にしている。正確にはそれはRX-121Cハイゼンスレイのほうの話であり、ハイゼンスレイⅡになったのは後のことであるが。
ガブスレイⅡと呼ばれないのは特性が微妙に違うせいであろうか。
肩部に支援用Gパーツ[フルドドⅡ]を装備したハイゼンスレイⅡの上位形態。
「ティターンズの旗のもとに」のストーリー上、まともに登場した唯一形態でもある。
発表当初は「ウーンドウォートEX」「アドバンスド・ウーンドウォートEX」とも呼ばれていたが、これも2009年あたりで「ハイゼンスレイⅡ・ラー」に統一された。
腰部フロントアーマーにフルドドⅡのブーストポッドを接続したメガ粒子砲、肩部フルドドⅡのサブ・アームでTR-6用強化型ウインチ・キャノンを保持している。コンポジットシールドブースターは2基装備している。
カテゴリーは「エリア・ドミナンス(Area Dominance=領域支配仕様)」に変わり、地上・空中・宇宙全ての戦場を単機支配する絶対的な戦闘力を誇る。
フルドドⅡは大型パーツのコネクトに使用されるため、本形態からの換装パターンは限られてくる。
TR-6のラーⅡ形態(×2)からそれぞれダンディライアンⅡとファイバーⅡに換装。
最終的にダンディライアンⅡとファイバーⅡが合体し、100mを超える大型MS「ガンダム・インレ」となる。
TR-6初のゲーム参戦となった『GジェネOW』では唯一この形態が参戦し、4年後の新作『ジェネシス』ではTR-6の主要機体であるウーンドウォートやインレ等との同時参戦も実現した。
ヘイズル・ラーと同様に、フルドドⅡを腰部にもう1基装備すると「第二形態」と呼称される。
なおこの形態単独のカラーイラストはないようで(白黒イラストなら存在。)、AOZ外の設定資料では拾われていない。ひょっとしたら「ガンダムTR-6[ハイゼンスレイⅡ・ラー] 第二形態」と正式名称で書いてある資料もないかもしれないが、記事はそのままとしておく。
誤解が多いがフルドドⅡは装着数に関係なく「ラー」である。ただしフルドド「Ⅱ」であることから「ラーⅡ」と表記する場合もあり、これは個数を意味するものではない。であるが、この場合のⅡは省略可能という説明がRe-Bootで発表されたので、「ハイゼンスレイⅡ・ラーⅡ」となることはないようである。
ハイゼンスレイⅡ・ラーの第二形態に、さらに背部に巡航用大型ブースターを接続した巡航形態。主に目標地点にはこの形態で移動し、不要となればブースターをパージする。第一形態でも装備可能である。
ガンダムTR-1[ヘイズル・ラー]第二形態 クルーザーモードを参考にしていると思われる。
型式番号:ARX-121R、ARZ-125
レジオン総帥のアリシア・ザビ専用機。
ハイゼンスレイⅡの改修機で、腰部ジェネレーター直結式メガ粒子砲やフル規格サイコミュを備えている事から第4世代MSに分類される。
装甲形状の変更に加え、赤を基調としたカラーリングに改められた事で一見してガンダムタイプとは認識しづらく、唯一腕部だけがベース機そのままのラインを残している程度である。
その変わり様はハイゼンスレイⅡを持ち込んだティターンズ兵から「魔改造」と称されている。
ハイゼンスレイⅡ同様、MA形態での大気圏突入と離脱能力を備える。MS形態における腰部パーツがMA時の機首に該当するため、メガ粒子砲による一撃離脱戦法を意識した設計となっている。
股関節部は他のTR-6同様にサブアームユニットであったが、パイロットであるアリシアの要望によりIフィールド・ジェネレーターに換装された。
本機の投入が決定した段階で、既にグリプス戦役の大勢は決していた。TRシリーズのテストパイロットを担当した「T3隊」隊長、ウェス・マーフィ大尉は現在のティターンズ司令部は実態がない状態と考えていた。
これ以上ガンダムを戦闘に投入しても戦場を混乱に導くだけと考えたマーフィは、本機の偽装撃破を命じる。出撃はするが最終的に自爆か、機体を破壊されるよう動くという事である。
ただし最終的にマーフィの考えに同意したアスワン艦長ベデルセンが命令を下した。ベデルセンはその後アスワンの轟沈で死亡したが、マーフィに命令書を持たせていた。
TR-6パイロットのエリアルド・ハンター中尉は本機で出撃。 途中で敵と遭遇したハンター中尉は、ガンダムのテストパイロットとして機体と運命を共にする事を選んだ。中尉はサラミス級一隻、ネモ六機を本機の破壊に利用するために戦闘を開始。 結果、一瞬でネモ三機とサラミス級一隻を撃破し、残存したネモ三機を撤退させた(中尉も自機撃破を覚悟で挑んだため驚いていた)。
中尉の高い操縦技術もあるが、TR-6の凄まじいハイスペック具合が伺える描写である。
ハンター中尉は戦場で対峙したエゥーゴのガブリエル・ゾラとガンダムTR-6の破壊で合意。リック・ディアス[シュトゥッツァー]に搭乗し、ガブリエル・ゾラと共に本機を破壊する。
ハンター中尉は嫌疑をかけられたが、優秀な弁護士の尽力と上記の真実を以て無罪を勝ち取った。
グリプス戦役末期にTR-6の系譜は途絶えたはずだった。
しかしTRシリーズは、火星に逃亡したティターンズ残党やエゥーゴの接収等によって各陣営の手に渡っていた。中でもハイゼンスレイⅡは、ガンダムTR-6[ファイバーⅡ]等の大型兵器として使用されている状態(ラーⅡ形態)で後のレジオン国勢力へ合流したとされている。
───U.C.0080年代(後期)
火星の支配権をめぐるジオン残党同士の戦争(建国戦争)において、ハイゼンスレイⅡ・ラー形態はアリシア・ザビとオメガの両名が搭乗し、勝利に貢献した。
───U.C.0091
オメガはアリシアの元から離れ、アリシアのハイゼンスレイⅡはリハイゼへ改修される。
レジオンはガンダムTR-6[インレ]の再建造を目指し、アナハイムはZZZガンダムを開発していた。
そして2019年4月17日『プレバン ガンプラミュージアム』にてHGでの立体商品化企画が発表、企画進行段階だが試作品が展示された、8月7日受注開始となった。カラーリングはまさかの正式配備カラー(ティターンズカラー)。差し替えで分離・変形も可能。同時にフルドドⅡ拡張セットも受注開始。ラーやラー第二形態も再現可能と思われる。
また、ハイゼンスレイⅡ・ラーの企画も進行中。こちらは試作機カラーでの発売となる予定。
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最終更新:2025/12/13(土) 17:00
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