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テイエムオーシャン

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テイエムオーシャンとは、1998年生まれの日本の元競走馬・元繁殖牝馬である。

主な勝ち鞍は2000年阪神3歳牝馬ステークス、2001年桜花賞・秋華賞。

概要

~2000年

父ダンシングブレーヴ、母リヴァーガール、母父リヴリア。父は凱旋門賞馬で、種牡馬としては病に苦しみながら欧州、日本それぞれで活躍馬を出した名種牡馬。母は1勝馬だが、桜花賞を逃げ切った快速牝馬エルプスの子。したがって小岩井農場の基幹牝馬ビューチフルドリーマーから続く由緒正しい牝系である。母父リヴリアは伝説的名牝Dahliaの子で、皐月賞馬ナリタタイシンなどを輩出したなかなかの良血である。
生後数日たったある日、「テイエム」の冠名でお馴染みの竹園正繼氏が牧場で偶然テイエムオーシャンを見かけた。幼駒の頃は小柄だったテイエムオーシャンだが、竹園氏は「これは走りそうだ」と気に入り、同行した調教師の反対を押し切って購入。「テイエム」の冠名で走ることとなった。

西浦勝一厩舎に入厩し、2000年8月の札幌でデビュー。3番人気にとどまるが、後の重賞馬ウインラディウスらを尻目に逃げ切り。続く条件戦も先行してあっさり勝つが、札幌3歳Sは同期のダービー馬ジャングルポケットに敵わず3着に敗れる。しかし牡馬相手に逃げて粘ったのだから褒められるべき3着だろう。
その後阪神3歳牝馬Sに直行し、先行策から楽勝。鞍上の本田優にとってはゴールドシチー以来14年ぶりのGⅠとなった。4戦3勝にGⅠ勝ちとなり、文句なしで最優秀3歳牝馬を受賞する。

2001年

明けて2001年は定石通りチューリップ賞から始動し、ポイントフラッグ(後のゴールドシップの母)に4馬身差をつける完勝。こうなれば桜花賞はもらったも同然で、1.3倍の断然人気に応え2番手から突き抜けて3馬身差の完勝。同じ舞台を逃げ切った祖母エルプスに負けない快速を見せつけた。

牝馬三冠の期待も背負い、オークスも1.8倍の断然人気。しかし好位から4角までは良かったものの直線で伸びず、外からレディパステルとローズバドに差され3着に敗れてしまう。このレースでは「もっと放せば勝てただろう」と鞍上の本田への批判がかなりあったらしい。

仕切り直して、秋はローズSを使わず秋華賞へ直行。今度は2番手からきっちり前を捉え、ローズバドの追撃を封じて勝利。二冠を達成する。オークスから直行で秋華賞を勝ったのは初となった。のちに2006年カワカミプリンセスが達成しているが、ちなみにどちらも当時の鞍上は本田優だった。

その後エリザベス女王杯は5着、有馬記念は初めて後方待機を試すが6着と連敗。しかし牝馬二冠を評価され最優秀3歳牝馬を受賞する。・・・あれ、また?

実は2001年、日本の競走馬の年齢表記が数え年(満年齢+1)から満年齢表記に変わったため、1998年生まれの競走馬は2年間「3歳」だったのである。牡馬の方は2000年と2001年で最優秀3歳牡馬が異なるので、「3歳」と名の付く表彰を2年連続で受けた唯一の馬になったのだ。これだけ聞くと珍記録だが、2年にわたって表彰される実績を上げるのは難しいことだし、結構すごいことである。

2002~2003年

4歳の初戦は夏までずれ込み、札幌記念で戦列に復帰。+38kgという唖然とするような増え方だったが、後のGⅠ馬トウカイポイントを楽々と下し勝利。これに気をよくしたか、あるいは札幌記念の勝利でエアグルーヴの夢を見たか、陣営は古馬王道路線への挑戦を決定。天皇賞(秋)は1番人気に推される。しかし、結果は秋天13着、JC9着、有馬10着と散々なシーズンとなってしまった。

翌2003年は久々のマイルとなるマイラーズCに出走するが3着。金鯱賞はタップダンスシチーの前に9着。次走のマーメイドSでは自らの栄光の代償か、59kgの酷量を背負わされる。果たしてマーメイドS2着、クイーンS3着と勝ちは積めず、エリザベス女王杯を目標にしたが骨折が判明。引退の道を歩むことになった。

通算18戦7勝。4歳以降は振るわない戦績だったが、札幌記念なんかを見ているともっとできたような気もする。祖母エルプスがマイルまでの馬だったこと、いろいろとキョウエイマーチに似てること、この頃のマイル戦線が主役不在だったことから、「マイル戦線に進んでいれば…」という声が後を絶たない。こと2002年のマイルCSでは札幌記念で勝利したトウカイポイントが勝利。多くのファンが歯噛みしたとかしないとか…。まあ、この年のマイルCSは先行馬が枕を並べて討死にしているしダメだったかもしれない。ともあれ、実力はあるのに思うような実績を残せなかった、というのがファンの評価のようである。

繁殖牝馬として

生まれ故郷の川越ファームに戻り繁殖入りしたテイエムオーシャン。夢の配合を、という竹園氏の意向もあり5年連続でテイエムオペラオーを連続して付けられ3頭がデビュー。「10冠ベビー」と騒がれたが結果は芳しくなかった。オペラオーは08年で一区切りがついたが、基本的に社台をつけない竹園氏の方針で、その後もファンタスティックライト、ディープスカイ、メイショウボーラーと非社台系の種牡馬をつけたが、これといった産駒は現れなかった。オペラオーとの最後の産駒テイエムオペラドンは障害OPを連勝したが、上級戦では振るわなかった。2015年以降はオルフェーヴル、ロードカナロア、ドゥラメンテと社台系の一流種牡馬と交配されたが、活躍馬は出ないまま2020年にリアルスティールの牡馬を出産したのを最後に繁殖から退いた。その後は川越ファームで余生を過ごしている。

血統表を眺めていると、ダンシングブレーヴ、Riverman、Mill Reef、Droneなど血統派の競馬評論家が「欧州血統」を語るときによく出てくる種牡馬をまとめて突っ込んだような印象を受ける。先述の通り牝系は古いので、そちらをたどればトサミドリやプリメロなど往年の大種牡馬もいる。しかも5代前までにHaloどころかHail to Reasonもいない。要するに、サンデーサイレンス系の種牡馬が非常につけやすいのである。サイアーラインのダンシングブレーヴ~ノーザンダンサーという制約はあるが、それさえクリアすれば実質無制限。SS系をつけてくれと言わんばかりの血統なんだけどなぁ。

同期の牝馬にはローズバド、ハッピーパス、ポイントフラッグ、ダイワルージュなど母として活躍した馬が多いのだが、同期の主役だったテイエムオーシャンは復権なるか…。

血統表

*ダンシングブレーヴ
1983 鹿毛
Lyphard
1969 鹿毛
Northern Dancer Nearctic
Natalma
Goofed Court Martial
Barra
Navajo Princess
1974 鹿毛
Drone Sir Gaylord
Cap and Bells
Olmec Pago Pago
Chocolate Beau
リヴァーガール
1991 鹿毛
FNo.12
*リヴリア
1982 鹿毛
Riverman Never Bend
River Lady
Dahlia Vaguely Noble
Charming Alibi
エルプス
1982 栗毛
*マグニテュード Mill Reef
Altesse Royale
ホクエイリボン *イーグル
クインエポロ

クロス:Court Martial 4×5(9.38%)、Never Bend 4×5(9.38%)

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関連項目

  • 競馬
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  • テイエムオペラオー

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