ニンジャ(ニンジャスレイヤー)とは (ニンジャシンジツとは) [単語記事]

■手作りの記事■この項目では、サイバーパンクニンジャ活劇小説『ニンジャスレイヤー』に登場するニンジャを重点して解説する記事です。実際に本編を読んだり、ニコニコでPVやヘッズ制作の動画を見た際に「俺の知ってるニンジャと違う」、「テストに出ないよぉ・・・」みたいななんかを感じるニュービー向けに作っています。しかし慣れないうちに一気読みすると、深刻な急性NRSを発症する場合がありますので、注意とかしなさい。　■あたたかみ■

概要

我々の知る”忍者”は、諜報や潜入工作、暗殺などを行う和製スパイのようなものである。漫画やアニメ、ゲームでは、その神秘性から超人的存在として活躍するものが散見される。しかし、それでも幕府や大名家などの主人に仕えたり、あるいは金で雇われたりする、従属的であるか、またははぐれ者というべき描写が多かった。
週刊少年ジャンプで連載されている『NARUTO』も、（最近忘れられがちだが）国の下に忍者の里があり、その下に忍者個人個人があるという体をとっている。

今までの”忍者”は、クローズアップされることは多々あれど、彼らそのものが支配的な立場を取ることはほとんど無かったのだ。

対して『ニンジャスレイヤー』に登場する”ニンジャ”は、大きく趣を異にする。

ニンジャとは、平安時代の日本をカラテによって支配した半神的存在である。

（書籍版PVより）

この言葉から、作中における”ニンジャ”は他者を支配する側であり、カラテを振るう者であり、そして何よりも神に近い存在であることが分かっていただけると思う。つまりニンジャを殺すニンジャ、”ニンジャスレイヤー”とは、『スパイ狩りのスパイ』というよりも『神を殺す死神』と考えるべきなのである。

ニンジャの能力・特徴

身体能力

ニンジャは総じて、人間を大きく超えた身体能力を持つ。たとえ、どんなにカラテの弱いニンジャでも、である。
実際、作中でもかつて「絶望的に弱い」とまでナレーションされた、カラテ最弱候補ともいうべきニンジャが、徒党を組んだヤクザを単独かつ素手で撃退した場面がある。

ニンジャの身体能力を指して、ニンジャ○○力と呼称する場合も多い。ニンジャ筋力、ニンジャ耐久力、ニンジャ反射神経、ニンジャ第六感などなどである。わざわざ別途の能力にカテゴライズしなければならないほど、ニンジャの能力は常人を上回っているのだ。それがアトモスフィアでお分かりいただけるだろう。

当然、生命力も桁違いである。ニンジャになった者は老化が極めて遅くなるか、あるいは完全に止まる。実際不老長寿である。このことから転じてか、ニンジャではないただの人間は”モータル（定命者、命限りある者の意）”と呼ばれる。

モータルがニンジャとの身体能力の差を覆すには、屋内などの限定空間を戦場にし、重火器で弾幕を張って嵌め殺すなどといった戦法が考えられる。この戦術でニンジャに対しキンボシを挙げているモータルがヤクザ天狗であり、サンダンウチ・メソッドを考案した武将・武田信玄である（ここにツッコんではいけない）。

ジツ

ニンジャが使う、超能力や魔法めいた特殊能力をジツと呼ぶ。炎を操るカトン・ジツ、光に関する様々な現象を起こすヒカリ・ジツ、目を合わせた相手の動きを封じたり殺したりするフドウカナシバリ・ジツ、幻の世界に敵を引きずりこむゲン・ジツ、などなどニンジャごとに多彩なジツが存在する。

中でも、そのニンジャにしか使えない、などの希少度の高いジツをユニーク・ジツという。ヤモト・コキのサクラ・エンハンスメントやデスドレインのアンコクトン・ジツがそれに当たる。また、通常のジツであっても特に秀でている場合、ユニーク・ジツに分類されることもあるようだ。ニンジャスレイヤーのナラク化、ナラク共鳴もユニーク・ジツであるとする見方もある。余談だがニンポ（忍法のことか）はジツとは区別され、フィクションのニンジャが使う荒唐無稽な物とされている。尤も、モータルの多くはニンジャの実在を知らないため、この区別も知れ渡っていないようだ。

カラテ

「ノーカラテ・ノーニンジャ」、「今も昔もニンジャはカラテを極めた奴が上を行く」とされる、ニンジャにとって最も重要な要素である。我々の知る”空手”とは違い、肉体を通じて発揮される戦闘能力、技術全般を指す。ジュー・ジツ（柔術）、ジュドー（柔道）、パンキドーなどといった徒手空拳から、刀を使うイアイドー、果ては二丁ボウガンで戦うフタツイシユミ・ドーまでカラテに含まれる。

また「武器にカラテを込める」、「血中カラテを消費する」、「カラテ粒子」などとも表現されており、他の創作物でいう気や魔力のような存在としても捉えられているようだ。カラテの中には、カラテ攻撃を遠距離に飛ばす”カラテ・ミサイル”などが存在している。ここまで来るとジツと区別がつかないレベルだが、極まったカラテはジツに匹敵、凌駕するということなのだろう。スゴイ科学技術は実際魔法、という言葉もある。カラテとジツの関係も、そのようなものなのだろう。

強力なジツへの対抗手段は、多くの場合「カラテを込めた攻撃での相殺」、「その後、次のジツに掛かる前にカラテで倒す」とされている。このように、ジツに頼りきりではカラテを極めた敵ニンジャに勝つことは難しい。

物質生成能力（仮称）

ニンジャは身に纏う忍び装束やメンポ（訳注：面頬）、投擲武器であるスリケン（訳注：手裏剣）やクナイ・ダートを、自らの力で生み出している場合が多い。このためニンジャは飛び道具を、気力・体力・そしてカラテが尽きるまで、無限に使用できるのだ。

ただし、一部のニンジャは実力不足かそれとも元々の特性か、スリケンやクナイを作れる量に制限があったり、全く作れなかったりする場合がある。例としてオリガミにジツを掛けたオリガミ・スリケンを武器にするヤモト・コキは、持っているオリガミの枚数がそのまま残弾であり、シャドウウィーヴはクナイを自力で作れないために、切り札のシャドウピン・ジツの使用回数に制限が存在する、などである。

アイサツとアンブッシュ

　（参考推奨）→『ドーモ。○○○=サン。×××です』

ニンジャリアリティショック

　（参考推奨）→『アイエエエエ! ニンジャ!? ニンジャナンデ!? 』

ニンジャネーム

ニンジャネームはニンジャのコードネームのようなものである。多くの場合、そのニンジャの特徴をそのままニンジャネームとしている。例として、巨大なスリケンを武器にする”ヒュージシュリケン”、凧に乗って偵察や空中戦を行う”ヘルカイト”、超スピードのパンチで拳から真空波を放つ”ソニックブーム”、昆虫の蚊めいて吸血と同時に毒の汚染血液を送り込む”モスキート”、見た目がザリガニな”ロブスター”。そして、ニンジャを殺戮するニンジャ”ニンジャスレイヤー”などである。

大抵の場合は英語由来の単語、熟語であるが、時々日本語のニンジャネームを名乗る者もいる。”ボーツカイ”、”ケイビイン”、”ジュクレンシャ”など・・・・・・あれ？　英語から名付けた方が格好良くないかコイツら？　まあ、原作が英語なので的外れな意見かもしれないが。翻訳チーム＝サンのワザマエによるものと考えよう。

イクサの場や所属する組織内においては、本名や潜伏の為の偽名ではなく、ニンジャネームを名乗るのが常である。なのでフォレスト・サワタリやヤモト・コキら、ニンジャネームを名乗らない、または持たないニンジャは実際少数派となっている。

ニンジャネームを名付けられるパターンは、現在確認出来るものでは大きく分けて４つある。

　１．自分で名乗る（例：ニンジャスレイヤー、デスドレインなど）
　２．上司や造物主といった、目上の人物に名付けられる（例：スーサイド、レオパルド、ゾンビーニンジャ全般など）
　３．ニンジャソウルが憑依する際に言い残される（例：シルバーキーなど）
　４．■第三部ネタバレ回避重点■敵に勝手に名付けられる（例：ニンジャキラー）■ネタバレここまで■

また他人に付けられたニンジャネームが本人の気に入らない場合もあるが、それでも名乗りを変えなかったり酷い時には無意識に名乗ってしまうケースがある。その一方で、名乗るニンジャネームを変えてしまったニンジャがいたりと、不可解な点がある。ニンジャの名前には、まだまだ我々の窺い知れない真実が潜んでいるのかもしれない。

クラン、メンター

ある共通する特徴を持ったニンジャの集団を、クランと呼ぶ。苦痛を回復力に変えるニンジャの集まったイタミ・ニンジャクラン、冷凍・低温系のジツの使い手たちのコリ・ニンジャクラン、巨体と怪力を併せ持つニンジャの多いビッグ・ニンジャクランなど。多くのクランはニンジャが歴史の闇に葬られるとともに姿を消したが、最後のリアルニンジャ、ローシ・ニンジャ（ドラゴン・ゲンドーソー）率いるドラゴン・ニンジャクランが現在までドージョーを残し命脈を保っていたり、近年現れたニンジャソウル憑依者が、かつての同クランのソウルの持ち主を糾合して復活するなどしている。

またニンジャの師弟関係において師匠に当たるものをメンターという。かつての同クランの上位者をメンターとして仰ぐ、在野のニンジャをニンジャ組織にスカウトした際にそのまま師弟関係に移行する、などの経緯で成立する。前者の例がレッドゴリラとビッグ・ニンジャクラン系のソウル憑依者たち、後者がソニックブームと彼にスカウトされたスーサイド（険悪な例）、あるいはブラックドラゴンと彼のスカウトを受けたシャドウウィーヴ（親密な例）である。

ニンジャの分類

ニンジャソウル憑依者

主人公であるニンジャスレイヤーを始め、作中の多くのニンジャは、かつて存在したニンジャのソウルが憑依（ディセンションとも、ちなみにアセンションの対義語である）した結果、モータルからニンジャに変化した存在である。これと言った注釈が無い場合、ニンジャとは彼らのことを指す言葉になっている。

ニンジャソウルは、大怪我や重病で死に瀕したり、精神を発狂寸前まで追い詰められ、生きる意味を失うなどした、詩的に言えば人間が生者の世界に存在できなくなりつつある瞬間に憑依する。つまりニンジャは、憑依者とソウルを合わせた二重の意味で、”蘇った死者”と言うべき存在なのである。この時、ニンジャソウルは憑依対象のソウルと一体化する。このため、ニンジャソウルを喪失することは、逃れ得ぬ死を迎えるということである。ニンジャが死ぬときは、肉体という器にとどまっていたニンジャソウルが行き場を無くして暴走し、爆発四散する。

ソウル憑依者は大抵の場合、ニンジャソウルに精神を侵食されたり、ニンジャの力に酔ってしまい理性の歯止めを失うなどして、邪悪なニンジャに変貌する。ニンジャスレイヤーやシルバーキー、ヤモト・コキ、ネザークイーンなどといった、モータルに敬意を払う生き方をするニンジャは実際珍しい。またザ・ヴァーティゴはツイッター上のＱ＆Ａにおいて、上記の彼らの存在を踏まえた上で「正義のニンジャなんているのかね？」といった趣旨の発言をしている。

ニンジャソウル憑依者の力は、概ね（あくまでも概ね）憑依したソウルに準じる。が、それ以上に重点されているのは、カラテと憑依者の基本スペックである。名も無いレッサーニンジャ（ゲニンとも）に憑依されたニンジャが、カラテを武器に悪のニンジャ組織の大幹部にのし上がることもあれば、アーチニンジャ（名前持ちの上級ニンジャ）のソウルを得たニュービーが、力を扱い切れずに敗れたり死んだりすることもある。極端な事例では、糖尿病と各種合併症を発症した老人に強大なアーチニンジャが憑依し、直後にそのまま死亡したというケースもある。ニンジャソウルと憑依者は、融合してはいるものの決して同一の存在ではない、ということである。

リアルニンジャ

厳しい修業を積んで自らニンジャとなったものを、リアルニンジャと呼ぶ。人間が、半神的存在とまで言われるニンジャの力を得るには並大抵の修行ではまるで足りないため、リアルニンジャに至る者は極めて少ない。作中時系列では、ドラゴン・ゲンドーソーが最後のリアルニンジャであるとされている。平安時代以前のニンジャは（ほぼ）全てリアルニンジャであると考えられている。なので、作中で死亡したリアルニンジャのソウルがディセンションすることもあるかもしれない（が、その点を聞かれたザ・ヴァーティゴは、言葉を濁して明言を避けていた）。

アーチニンジャ相当のリアルニンジャは共通して”○○・ニンジャ”のニンジャネームを名乗る。ドラゴン・ゲンドーソーの場合は”ローシ・ニンジャ”である。ちなみにダークニンジャはニンジャネームに中黒を持たないため、リアルニンジャではない。第一部最大の敵であるラオモト・カンもリアルニンジャを自称している。

サイボーグニンジャ（サイバネニンジャ）

身体の一部をサイバネティック（義肢）技術で機械化したニンジャのこと。ソウカイヤやアマクダリといったニンジャ組織だけでなく、オムラ・インダストリ社などの兵器メーカー系のメガコーポにも所属している。というよりも、経緯から見てこちらの方が本場か。ザイバツにもそれなりの数が存在する。

ニンジャソウルによるニンジャ能力上昇はサイバネにも及ぶため、生身のニンジャより飛躍的に強化されている。サイバーパンク時代に適応した新たなニンジャと言うべき存在である。ニンジャは時代ごとにその時の最新技術を用い、新たなカラテやジツを生み出してきた。サイバネニンジャもその先例に倣ってか、実に様々な技術の応用を見せている。火炎放射器でカトン・ジツを強化するのは序の口、隠し腕を使って同時に何枚もスリケンを投げたり、レールガンを発射したり、馬鹿げた巨大義手を移植して大暴れしたり、果ては身体の95%をサイバネ化した挙句にバリアーやアームパンチ付きの強化ユニット、おまけで追加式巨大ロケットブースターを装備したりと、ニンジャというよりスーパーロボットめいた連中がうようよとひしめいている。一方で、サイバネに頼り切った挙句にブザマに負けて爆発四散してしまう、いわゆるサンシタも多い。

なお、サイバネを使用するニンジャが余りにも大量に登場するため、あえてこの分類で呼ばれるニンジャはよほど思い切った改造を施したキワモノであることが多い。

バイオニンジャ

バイオテクノロジー（作中では主にバイオテックと呼称）を用いて改造したニンジャ、あるいは胚の時点から培養した生物兵器にニンジャソウルが宿ったもの。製作元でもあるヨロシサン製薬に所属する企業ニンジャが多く、ソウカイヤ、アマクダリにもいくらか存在する。逆にニンジャを生体実験に用いることを好まないザイバツでは、ごく少数にとどまっている。またフォレスト・サワタリ率いるサヴァイヴァー・ドージョーは、全員がヨロシサン製薬から脱走したバイオニンジャの集団である。

生命力や身体能力を大幅に向上させた者、他の生物の能力を獲得しジツやカラテとして昇華した者など、総じて強力なニンジャが多い。だが、バイオテックを用いた部分が多いニンジャは、バイオインゴットと呼ばれる物質（見た目は緑色のヨーカン。藻のような味がしてヤバイ級に不味いらしい）を摂取する必要があるという弱点がある。これはニンジャを管理する企業側からすれば、裏切りを抑止する働きが期待できるためか、あえて対策を取っていない節がある。その上、ヨロシサンの技術で改造されたニンジャには、全てヨロシＤＮＡというヨロシサンへの服従を促す特殊なＤＮＡまで埋め込んでいる。・・・・・・が、その割にはヨロシサンを裏切るニンジャは後を絶たないという。

ゾンビーニンジャ（ズンビーニンジャ）

天才的研究者リー・アラキ先生が率いる研究機関、INW（イモータル・ニンジャ・ワークショップ）が『開発』するニンジャ。人間の死体にニンジャソウルを宿らせて蘇生させた、恐るべき怪物である。

この際、必要となるニンジャソウルは他のニンジャから引き剥がして使用している。前述のとおり、ニンジャとニンジャソウルは不可分な存在であり、無理に分離することはそのニンジャの死を招く。つまりゾンビーニンジャが一体出来るごとに、他のニンジャが一人死んでいる計算になる。このためバイオニンジャと同じく、いやそれ以上にザイバツからは忌避されており、ほとんど使われることが無かった。主にソウカイヤやアマクダリに提供される他、INWの拠点である”ツキジ・ダンジョン”に警備を兼ねて放し飼いにされている。

貴重なニンジャを必ず犠牲にしてしまう、というコストパフォーマンスの悪さが目立つが、反面使いどころの無いサンシタのソウルから強力なゾンビーニンジャが出来ることもある。また個体差はあるが素体となった死人のパーソナリティが保持される事例が見られており、研究が進めば死者の完全なる蘇生ができるようになる可能性がある。

単なる戦力として見ても、不死身（というかすでに死んでいる）の耐久力に加え、ネクロカラテと呼ばれる死体特有の異形のカラテ、更に強力なジツを持っている場合が多いという強力なニンジャである。

ロボニンジャ

主にオムラ・インダストリがリリースするロボット兵器。またの名をモーターシリーズ。厳密にはニンジャではないが、ニンジャに匹敵（将来的には凌駕）する戦力を目指して開発されている。機械ならではの火力と装甲、機動力を併せ持っている優秀な兵器。

・・・・・・と、言いたいところだが、初期の製品である”モーターヤブ”は足回りが異様に悪くすぐに擱座する上、AIに致命的な問題を抱えており、味方への誤射や投降を無視しての攻撃など、暴走が絶えなかった。第二弾である”モータードクロ”は、足回りを大幅に改善した上にダウンサイジングに成功。その上で火力やカラテへの対応力も向上させているという、（あくまでもモーターヤブと比較して）強力な兵器に仕上がっていたが、肝心のAIはもっと酷くなっていた。多分、マグロの所為。

このようにロボニンジャは登場するたびに酷いポンコツぶりを見せつけており、一見すると（というか確実に）単なる欠陥兵器にしか見えない。が、それでも機械ならではの冷酷さや死を撒き散らすような大火力は、力無きモータルを虐げるニンジャそのものであり、また後続機種の中にはニンジャを倒した実績のあるものも存在する。彼ら（？）もまた、ニンジャスレイヤーの前に立ちはだかる敵として申し分の無い存在感を発揮していると言っても過言ではないだろう。

ちなみに他企業の開発した亜種として、機械の体にクローンの脳を搭載した新型ロボニンジャ”ドラグーン”が存在する。