ニンジャスレイヤー(キャラクター)とは (フジキドケンジとは) [単語記事]

ニンジャスレイヤー(キャラクター)とは、Twitterで連載されている同名小説の主人公である。

ドラマCD等での声優は森川智之。

概要

本名、フジキド・ケンジ。元はネオサイタマの中流サラリマンであり、平凡ながらも暖かい家庭を築き、幸せな暮らしを送っていた。しかし、クリスマスイヴの夜に妻フユコ、長男トチノキと共に訪れたマルノウチ・スゴイタカイビルで突如勃発した大規模なニンジャ組織の抗争が、彼の運命を一変させる。
妻子を無残にも殺され、自らも死の淵に立たされた時、謎のニンジャソウルが憑依。
フジキドは、「ニンジャスレイヤー」――ニンジャを殺すニンジャとなり、妻子の仇として全ニンジャへの復讐を開始するのだった……。

ニンジャ殺戮者にして復讐者である、ダークヒーロー。ヘッズからは主にフジキドと呼ばれる。

強力無比な戦闘能力を有する。その強さたるや、もはやサンシタ程度では相手にすらならない程（あるヘッズの調査によれば、2013年4月9日時点のフジキドの忍殺数は149忍）。実際、これまでに登場した200忍以上のニンジャの中でも、彼と闘って生還した者は僅か片手ほどの数しかいない。ニンジャに対しては一切の慈悲を持たず、彼等を探し出しては容赦なくインタビュー（拷問）し、スレイ（殺戮）していく恐るべき主人公。

それ故、他の人気ニンジャが重点されるエピソードでは、彼の存在にヘッズ達が戦々恐々とする場面も。

敵に対する舌鋒は鋭く、辛辣極まりない罵倒はイクサの前から敵を圧倒する程。その痛快な罵倒はヘッズからも高く評価され、「アオリ・ジツ」、「ドクゼツ・ジツ」などと呼ばれる。

その一方で、「自分の復讐が多くの人々を不幸にしているのではないか」と良心の呵責に苦しむ一面も持ち合わせている。自らが狂人めいた殺戮者だと自覚しながらも、人間性との間で葛藤する姿が彼の魅力のひとつと言えるだろう。

復讐を開始した第一部ではほとんど孤立無援の状態だったが、彼のヒューマニティによってか、徐々に仲間（ニンジャ含む）が増えていくことに。第二部、第三部では初対面のニンジャと共に行動することも。とはいえ、彼に憑依したニンジャソウル、ナラク（下記参照）の存在に加え、様々な組織から常に狙われる身である為、友好的なニンジャや人間とも基本的に距離を置いている模様。

普段はイチロー・モリタという偽名を使い、トレンチコートにハンチングというスタイルで、邪悪なニンジャやその組織に関する情報収集を行っている。

ナラク・ニンジャ

フジキドに憑依した邪悪なニンジャソウル。他のニンジャソウルと異なり明確な自我を有し、全ニンジャ抹殺を標榜するが、その正体は未だ多くの謎に包まれている。

性格は残忍で高圧的。憑依した当初はフジキドをジョルリ（浄瑠璃）人形めいて扱い、一方的に肉体の主導権を奪って七日七晩に渡って暴走を続けた。惨たらしい殺し方を好み、嗜虐衝動の赴くままモータル（非ニンジャ）にまで危害を加えようとしたことも。ドラゴン・ゲンドーソーに封印された後もその危険性は変わらず、フジキドに協力的なニンジャですら殺させようとする。その為、ニンジャ抹殺という目的では一致しながらも、フジキドとは衝突を繰り返すことに。ニューロンに直接語りかけるナラクに対し、フジキドが（（（黙れナラク！）））と返すのはお決まりのやり取り。

物語が進むにつれて両者の関係は少しずつ改善されていくものの、基本的に敵対していることに変わりはなく、常に油断のならないイクサを繰り広げている状態でもある。

多くのニンジャに関する知識を有しており、その助言がフジキドの危機を救うこともしばしば。特に初見殺しなジツ（術）を用いる強敵に対して有効な対策となる。ただし、肝心な事柄をド忘れしていたり、戦闘に関係のない薀蓄や自慢話を語り出すことも。その為か、一部のヘッズからはマスコットめいてカワイイなおじいちゃん扱いをされているらしい。どうしてこうなった。

戦闘能力

ニンジャ固有の特殊能力である「ユニーク・ジツ」こそ持たないが、これと言った弱点も無く、カラテのワザマエは凄まじいの一言。原作中の戦闘哲学、「ノー・カラテ、ノー・ニンジャ」を忠実に実践しているニンジャの一人と言えよう。また、戦闘中の的確な状況判断能力にも秀でている。

だがその強さゆえに連戦も多く、蓄積した疲労や負傷が苦戦の原因となることもしばしば。さらに作中にはそんな彼と互角以上に渡り合い、時に敗北を喫するほどの強敵も数多く登場する。また、毒や各種拘束術を用いたアンブッシュを受けやすい傾向があるようだ。グワーッ麻痺毒！

ワザ

カラテ
『ニンジャスレイヤー』におけるカラテとは白兵戦全般を指す言葉である。その為、ニンジャスレイヤーもチョップやケリ・キックといった基本的な体術の他、ボティチェック（鉄山靠）やポン・パンチ（崩拳）、サマーソルトキック、アラバマオトシ（いずな落としめいた投げ技）、果てはメイアルーアジコンパッソ（カポエイラな）といった様々な体術を使いこなす。
戦闘時にはジュー・ジツの構えを取る。ジュドー（柔道）と区別されていることから、本来の意味の空手の構えに近いものと予想される。なお、サマーソルトキックはジュー・ジツ（カラテ）に含まれている。
スリケン
手裏剣。いわゆる飛び道具であり、空中や遠距離にいる敵等に用いる。複数枚の投擲もお手の物。代表的なワザは戦闘機すら撃ち落とす奥義ツヨイ・スリケン、強化版であるダブル・ツヨイ・スリケン。また、高速回転しながら360度全方向に無数のスリケンを投擲するヘルタツマキがある。
チャドー
『ニンジャスレイヤー』世界における、歴史の闇に秘匿された伝説の暗殺技術。後の時代で廃れ、精神修行の部分のみが現代の茶道（チャドー）として残っている。ニンジャスレイヤーはドラゴン・ゲンドーソーからこの技術を授かった。体力を急激に回復させ、解毒治療も行う「チャドー呼吸」の時間をフジキドに許すことは、敵ニンジャの死亡フラグの一つである。
ナラク化 （Ninjaslayer Abnormal Reaction Against Karate Urgency）
ナラクがフジキドに代わって肉体を支配し闘う。ニンジャスレイヤーの実質的なユニーク・ジツと言えるだろう。肉体の制御権をナラクに明け渡すと右目、完全に乗っ取られると両目の瞳がすぼまり、センコめいて赤く発光する。腕には赤黒い炎が現れ、敵を焼き滅ぼす強力な武器となる。加えてメンポ（面頬）が禍々しく変形し、ジゴクめいた蒸気を吐きだす。コワイ！
その実力はフジキドを上回る程に圧倒的だが、周囲のニンジャや人間の安全は一切保証されない。サツバツ！
第二部のとあるエピソード以降は、フジキド自身が意思を保ったままナラクの力を引き出す「ナラク共鳴」の使用が可能に。

副装備・道具

上記のスリケン以外にも、『オウガ・ザ・コールドスティール』で登場したドウグ社製の鋼鉄製ブレーサーとフック付きロープを装備している。特注の非人道兵器マキビシを使用することも。第二部では三種の神器の一つ、聖なるヌンチャクを入手。

また、敵ニンジャから鹵獲したセスナ機と、ヘルヒキャク社の大型モーターサイクル「アイアンオトメ」を所有。

変装・調査能力

邪悪なニンジャやその組織の情報を掴む為に変装して敵地へ赴くなど、独自の調査を行うことも多い。その辺りは世間一般のイメージする忍者らしい行動を取っていると言えるだろう。
第三部では「暗黒非合法探偵」という肩書きで探偵活動を行なっている。ニンジャ情報を得る為にデッカー（刑事）に成りすましたり、時には窃盗紛いの情報収集も辞さない。実際暗黒非合法な。その変装はワザマエなのだが、演技はそれほどでも……アババーッ！？
また、ハッキングを用いた調査は専門家であるナンシー・リーに任せることが多い。

殺戮者のエントリーだ！

あまり感情を表に出すことのないニンジャスレイヤーだが、しばしば天然めいた言動を取ることも多い。

特に顕著なのが登場シーンで、

冷蔵庫の中から飛び出す（キルゾーン・スモトリ）
多羅尾伴内めいてタクシー運転手に変装し「行き先は地獄ですよ」（マシン・オブ・ヴェンジェンス）
屋台からスシ・ソバのドンブリを手に出てくる（ラスト・ガール・スタンディング）
痛セスナ機（赤黒いペイントに「忍」「殺」の文字入り）で現れ、別の飛行機に飛び移る（フジ・サン・ライジング）
川を流れてくる（スリー・ダーティー・ニンジャボンド）
他人のアジトのソファーに堂々と座って待ち伏せ（ヘイル・トゥ・ザ・シェード・オブ・ブッダスピード）
ショーユ工場に入庫するトラックの上で直立不動（ソイ・ディヴィジョン）
痛スノーモービル（赤黒いペイントに「忍」「殺」の文字入り）で現れ、200m級クレバスを見事ジャンプする
（ダークサイド・オブ・ザ・ムーン）
ビル屋上に設置された巨大招き猫の腹を突き破ってアンブッシュ（リヴィング・ウェル・イズ・ザ・ベスト・リヴェンジ）
アイドルのステージにエヴァンゲリオンめいて高速垂直リフト射出される（オイランドロイド・アンド・アンドロイド）
生放送トーク番組中に放送事故乱入。スタジオに気まずい沈黙が走る（レイズ・ザ・フラッグ・オブ・ヘイトレッド）

…等々、挙げればキリがない（括弧内はそのシーンのあるエピソード名）。そのためヘッズからは「出落ちスレイヤー」「エントリー職人」などの仇名をつけられている。もっとも本人は至って真面目であり、そのギャップも相まって腹筋を爆発四散させられるヘッズは後を絶たない。ごく普通に格好いいエントリーもあるのだが。

ふたつ名

復讐の為、強大なニンジャ組織を壊滅させてきたニンジャスレイヤー。その為、第二部、第三部ではニンジャ世界でその名が広く知られることとなり、なにかと物騒な（？）ふたつ名で呼ばれている。主人公らしくないといってはいけない。

ベイン・オブ・ソウカイヤ
ネオサイタマの死神
ジゴクの猟犬
狂った復讐鬼
スゴイタカイビルの悪魔
暗黒非合法探偵
時代遅れのロートル
カラテモンスター
グリムリーパー

決め台詞

「ドーモ、○○○＝サン、ニンジャスレイヤーです。」
忍殺伝統、イクサ前のアイサツ。ニンジャに無慈悲な彼も、アイサツとオジギは欠かさない。
「ニンジャ殺すべし。慈悲はない」
殺戮者としての彼を象徴する台詞。その復讐の先に待つのは果たして……。
「ハイクを詠め。カイシャクしてやる」
オタッシャ寸前のニンジャに対して、彼が与える最後の慈悲。しかし大抵のニンジャは死を覚悟出来ず、命乞いや悪あがき、あるいは混乱している間に殺される為、ハイクを詠めた者は少ない。それ故、強さ弱さにかかわらず、最後までハイクを詠めたニンジャはヘッズの中での評判がグッと上昇する。
「Wasshoi!!｣
彼が登場する際によく発するシャウト。気合いを入れる際にも用いる。原作者の一人であるブラッドレー・ボンド曰く、「日本人が大きな困難に立ち向かう際に自らを鼓舞する言葉」。彼がこの台詞を放つと、ヘッズが一斉に「Wasshoi！」とタイプするのがTL上でのお約束となっている。