私はバッタアレルギーのため、バッタに触られるとじんましんが出てひどい痒みに襲われる。
そんなの普段の生活には支障はなさそうだが、あろうことかバッタを研究しているため、死活問題となっている。こんな奇病を患ったのも、14年間にわたりひたすらバッタを触り続けたのが原因だろう。
全身バッタまみれになったら、あまりの痒さで命を落としかねない。それでも自主的にバッタの群れに突撃したがるのは、自暴自棄になったからではない。
子供の頃からの夢「バッタに食べられたい」を叶えるためなのだ。
バッタを倒しにアフリカへ (光文社新書)とは、前野 ウルド 浩太郎によるノンフィクション学芸書籍である。
第71回毎日出版文化省特別賞、第14回絲山賞受賞作品。
『ファーブル昆虫記』に感銘を受け、大量発生したバッタに緑色の服を食べられてしまったという観光客のニュースを知って以降、虫を愛し虫に愛される昆虫学者になろうと決めた少年は博士号を取得しバッタの研究についていた。
しかし、バッタの被害がほとんどない日本において、バッタの研究では生活が出来ず職にあぶれてしまう。
そんな折、アフリカではバッタによる飢饉が深刻な問題であることとそんな国際的な問題でありながら過去四十年間碌に研究が進んでいないことを知り、バッタの群れに巻き込まれることと食糧問題の解決、さらに帰国した際の就職という夢を叶えるため31歳の春、日本の国土面積のおよそ3倍を誇る砂漠の国・モーリタニアへと単身飛び立つ。
しかし、建国以来の大干ばつに見舞われた現地ではバッタが忽然と姿を消してしまっていた。
予算は持って1年。果たして著者は夢を叶えることができるのだろうか?
カラー写真満載の科学冒険就職ノンフィクションが今始まる!
前野・ウルド・浩太郎
主人公、というか著者本人。ルポ形式のため常時この人物の視点で進行してゆく。癖の強い人や過酷な環境にもめげず徐々に適応していく本作屈指の変人。
ティジャニ
ランドクルーザーを駆るスピード狂のドライバー兼ガイド。長い付き合いとなる相棒枠。主人公とはお互いの言語が通じないがジェスチャーや略語を駆使し何とか上手くやっていく。
ババ所長
研究所の所長。主人公にとって第二の父親とも呼ぶべき存在となる非常に懐の深い、モーリタニアの良心のような人物。
モハメッド
学生通訳をはじめ複数人登場。
キース
アメリカ人の研究者。
バッタ
恋い焦がれる本命。
ゴミムシダマシ
浮気相手。
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最終更新:2025/12/15(月) 23:00
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