並行在来線とは新幹線と並行している在来線の事を指す。当記事では主に新幹線の開業に伴い発足した平行路線や経営分離予定の路線について記述する。
概要
1991年以降、新幹線に並行する在来線に関しては経営分離し国鉄の二の舞を避ける事となった。これが最初に導入されたのが北陸新幹線長野開業による信越本線の一部廃止及び経営移管である。現在においては新幹線開業に伴い分離される路線や分離された路線が並行在来線と呼ばれている。
その後東北新幹線八戸延伸や九州新幹線部分開業時にも適用されている。
(※但し、北海道新幹線と一部並行する津軽線は管轄がJR東日本である為、北海道新幹線開業後もJR東日本の路線として経営される予定である)
なお、並行在来線であっても走行区間が都市圏などで元々収益がよく新幹線開業後も一定の収益が見込まれる区間は経営分離が行われない。
経営分離された区間は第三セクター化されるのだが、これらの第三セクターの経営状況は厳しい。
JR貨物は経営移管以降もその区間を走る事となるが、東北新幹線八戸延伸時には地元自治体と一悶着あった。
(経営環境の厳しいJR貨物はアボイダブル=コスト=ルールという方式で在来線を保有するJRに線路使用料を払っている。これは、貨物列車が走ったことによって生じる最低限の経費だけが線路使用料にカウントされる方式でJR貨物に対する特例措置だが、原則としてJRにしか適用されていない。その為、第三セクター化に伴って線路保守の費用にも苦労する第三セクター会社が順当な本来の費用を求める事となり揉めるのである)
新幹線の開業によって分離され誕生した鉄道会社
北陸新幹線(長野新幹線)
- 信越本線・高崎駅~横川駅間はJR東日本のまま存続。
- 旧・信越本線・横川駅~軽井沢駅間は廃止されたが、復活させる構想がある。
- しなの鉄道 - 軽井沢駅~篠ノ井駅間(旧・信越本線)。
- なお、2014年度の金沢延伸後は長野駅~妙高高原駅間(信越本線)も転換予定。
- 信越本線・篠ノ井駅~長野駅間は特急「しなの」が通過するなど、ドル箱路線のように見えるが、実際に転換させると赤字路線に転落するおそれがあるため、転換予定は無い。
- えちごトキめき鉄道 - 妙高高原駅~直江津駅~市振駅(信越本線、北陸本線)。2014年度の金沢延伸後に転換予定。
- あいの風とやま鉄道 - 市振駅~倶利伽羅駅(北陸本線)。2014年度の金沢延伸後に転換予定。
- IRいしかわ鉄道 - 倶利伽羅駅~金沢駅(北陸本線)。2014年度の金沢延伸後に転換予定。
- 倶利伽羅駅はIRいしかわ鉄道管理。
- 金沢駅~福井県境(大聖寺駅・牛ノ谷駅間)は、敦賀延伸時に転換される予定だが、IRいしかわ鉄道が引き継ぐのか、新会社を建てるのかは未定。
- このほか、福井県でも敦賀延伸時に並行在来線(北陸本線)の転換が予定されているが、社名は未定である。
- 北陸本線・敦賀駅~米原駅間はJR西日本のまま存続予定。
東北新幹線
- IGRいわて銀河鉄道 - 盛岡駅~目時駅(旧・東北本線)
- 青い森鉄道 - 目時駅~八戸駅~青森駅(旧・東北本線)
九州新幹線鹿児島ルート
- 肥薩おれんじ鉄道 - 八代駅~川内駅間(旧・鹿児島本線)
- 鹿児島本線・博多駅~八代駅、川内駅~鹿児島駅間はJR九州のまま存続。
北海道新幹線
- 江差線・五稜郭駅~木古内駅間、函館本線・函館駅~新函館駅~小樽駅間が転換予定。
- 江差線・五稜郭駅~木古内駅間は、2016年3月の新函館延伸時に転換される予定。
- 函館本線・函館駅~新函館駅~小樽駅間は、札幌延伸時に転換される予定。
- 津軽線は運営会社の違いから「並行在来線ではない」とされるため、JR東日本のまま存続予定。
- 北海道新幹線はJR北海道が運営予定なのに対し、津軽線はJR東日本が運営している。
- 函館本線・小樽駅~函館駅間はJR北海道のまま存続予定。
九州新幹線長崎ルート
関連項目
- JR
- 新幹線
- 鉄道関連項目一覧
- JR貨物
- IGRいわて銀河鉄道
- 青い森鉄道
- 肥薩おれんじ鉄道
- えちごトキめき鉄道
- あいの風とやま鉄道
- IRいしかわ鉄道