増山江威子とは (マスヤマエイコとは) [単語記事]

「増山江威子」（ますやま・えいこ）とは、セクシーでミステリアスに溢れた雰囲気を持つ「峰不二子」や「キューティーハニー」、包容力と優しさに満ちた理想の嫁「バカボンのママ」、お茶目で元気一杯な「パー子」「怪子」「U子」らの様な少女キャラなど、様々な声に定評のある女性声優・ナレーターである。

概要

1936年（昭和11年）4月22日生まれ。東京都出身。

児童劇団から劇団四季を経て1960年代より青二プロに所属しているベテラン声優であり、一般的には「峰不二子」の声の人。
実際ルパン三世は増山氏の代表作であるが、彼女自身はTVシリーズにおける峰不二子の「二代目」となる（初代は二階堂有希子）。…が、TVシリーズの前身となるパイロット版では増山氏が演じており、「二代目でありながら演じるのは二回目」という少々ややこしい事になっている。

前述の通り幼少の頃から演劇に通じており、あの劇団四季にて培われた演技の幅は広く、

峰不二子（ルパン三世シリーズ）

の様なセックスシンボルとも言える、小悪魔めいた妖艶な大人の女。

キューティーハニー／如月ハニー（キューティーハニー第1作目）

みたいなお尻の小さな流行の女の子。更には藤子不二雄作品に登場する、

怪子ちゃん（怪物くん）
U子さん（オバケのQ太郎）
パー子／星野スミレ（パーマン）

等々のお転婆なお嬢さんたち。そして、

バカボンのママ（天才バカボンシリーズ）
伊予の局／母上さま（一休さん）

といった母性あふれるご婦人など、多種多様な演じ分けができる技能の持ち主である。その上でキャラクターをより魅力的にする、その演技力は正に圧巻。若年層には「ルパン以外じゃあまり意識して聴いた事がない」という人も多いかもしれないが、是非とも昔の作品などを観てその演技に触れて欲しい、と言える役者さんである。

逸話

『ルパン三世』のパイロットフィルム版(TVサイズ版とシネマスコープサイズ版)、及びTV シリーズ第2期から2010年放送のTV スペシャルと、およそ30年の長きに渡って不二子を演じ続けてきた。
そんな増山氏であるが、第2期から不二子役を再び演じ始めた際、第1期で二階堂有希子演じる不二子で慣れ親しんだファンから「何故二階堂さんじゃないんだ」というキャスト変更への批判投書が相次いで寄せられた。この事実をスタッフから聞かされた増山氏は後年、当時のキャスト変更の批判を「こんな悲しいことはなかった」と振り返っている。
しかしこの一件は「こうなったら自分の持ち味で勝負するしかない」と自身を奮い立たせる原動力となり、それが功を成して新しい不二子のイメージ像が築き上げられたという。
これは、山田康雄が演じてきたルパン三世をものまねという形でイメージを保持して演じ続ける栗田貫一とは対照的と言える。
「天才バカボン」シリーズの「バカボンのママ」役について、原作者・赤塚不二夫の