小松式ドネーションとは、プロ野球における投手の「貢献度」を計る新指標である。
「小松聖式計算法」、もしくは単に「小松式」や「ドネーション」などとも呼ばれ、正式名称は定まっていないが、プロ野球ヌルデータ置き場に「小松式ドネーション(KD)」の名称で採用されたため、本項もそれに倣う。
計算式は以下の通り。
投球回数×3とは、即ち「獲得アウト数」のことである。この計算式によって求められたドネーション金額が高いほど、シーズンを通してのチームの勝利への貢献度が高いことを示す。
元ネタはオリックス・バファローズの小松聖が行っている「ONEアウトドネーション」。これは小松が一軍での成績に基づき、「1アウトを取る=1,000円、勝利・ホールド・セーブを挙げる=10,000円、リーグ優勝・日本一・タイトル獲得=100,000円」という計算方法で算出された金額を、愛犬保護団体に寄付するというもの。しかし、2011年の小松の成績は一軍登板1試合、0勝0敗0ホールド0セーブ、投球回数1/3回というもので、チームも4位だったためこの計算式に基づくと1000円しか寄付できないことがシーズン中から一部でネタにされていた。
ところが、シーズンも終わりに近付いた2011年10月13日、なんJに「小松聖式計算法 投手成績」というスレッドが立つ。小松のドネーションの計算式を用いた、2011年シーズンの主要投手のドネーション金額がまとめられ、それを見た住人から「印象度とばっちり」「妥当すぎてワロタ」「文句の付け所が見当たらん」「ぐうの音も出ない」と高く評価され、元ネタである小松のドネーション金額が最低額の1000円という見事なオチも決まって話題となった。
計算が非常に簡単であり、従来比較の難しかった先発投手とリリーフ投手を同列に評価することが出来るという点、また勝ち星に恵まれなくてもイニング数を稼ぐ投手(2011年のマキシモ・ネルソンなど)が高評価となる点がポイント。またその性質上、シーズンを通して活躍しないと高い数値をたたき出すのは難しく、離脱期間のある選手や、シーズン途中から台頭してきた選手は数字が低めになる。なお元ネタの「リーグ優勝・日本一・タイトル獲得=10万円」は計算時に省かれることが多い。
防御率や奪三振、WHIPなどは一切考慮されず、あくまで「選手の能力」ではなく「シーズンを通したチームへの貢献度」を計る指標である。もちろん、能力の高い選手ほど長いイニングを任されやすく、また勝ち星やホールド、セーブを稼ぎやすいので、ドネーション金額の高い投手は能力が高いということは言える。
「ホールドの評価が高すぎるのではないか?」という批判もあるが、下記の球団別ドネーション金額を見ていただければ解る通り、普通のセットアッパーはおおよそチーム内で4~5番目のドネーション金額になり、そう極端には跳ね上がらない。一部の投手の酷使が極端なだけで、基本的には先発投手>リリーフ投手となる指標である(たとえば、150イニングで8勝の先発投手(530KD)と同等の数字を中継ぎ投手が出そうと思ったら、60試合60イニングでも35ホールドポイントを稼ぐ必要がある)。
プロ野球ヌルデータ置き場にSABR系指標として採用されるなど、ネタから生まれた指標が、2chの枠を超えて広まりを見せつつある。2ch発のセイバーメトリクス(?)指標として一般に認知される日もいつか来る……かもしれない。もっとも、イニング数はともかく、「勝利・ホールド・セーブ」という「結果」を評価する小松式は、結果よりも「内容」を問うセイバーメトリクスの思想とは本来対極にあるのだが……。
なお、ほかの投手がどれだけのドネーション金額をたたき出しても、実際にドネーションして犬を救っているのは小松だけであることを忘れてはならない。
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最終更新:2024/04/23(火) 23:00
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