岸辺露伴は動かないとは、漫画「ジョジョの奇妙な冒険」を題材とした短編ストーリーである。
ジョジョの奇妙な冒険・第4部「ダイヤモンドは砕けない」に登場するキャラクター・岸辺露伴をストーリーテラーとした、短編(読み切り)漫画である。これらの作品において、露伴は主人公ではなくナビゲーターという立場を取っているため、「動かない」というタイトルには『岸辺露伴は語り部であって、主人公ではありませんよ』という意味が込められている。
ストーリー(原作)を岸辺露伴が、作画を荒木飛呂彦が担当した、という構成も大きな特徴。
2013年現在、「岸辺露伴は動かない ~エピソード16:懺悔室~」「岸辺露伴は動かない -六壁坂-」「岸辺露伴は動かない ~エピソード5:富豪村~」「岸辺露伴は動かない ~エピソード6:密漁海岸~」の4タイトルが発表されている。
また、岸辺露伴が出演している作品には「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」「岸辺露伴 グッチへ行く」などといったタイトルもあるが、こちらは岸辺露伴が主人公のスピンオフ作品として扱われている。
2013年11月19日には、「岸辺露伴 グッチへ行く」を含めた5種類のエピソードが収録された単行本が発売。長年待望され続けていた単行本の刊行によって、リアルタイムでジャンプを買い逃した人も全てのエピソードが読めるようになった。
1997年にジャンプへ掲載された、「岸辺露伴は動かない」の題を冠した最初の短編作品。
後の1999年には単行本として収録された。
参照→「死刑執行中脱獄進行中」
上記の「懺悔室」発表から10年後の2007年に、新規に発表された読み切り作品。
「ジャンプスクエア」2008年1月号に掲載された。
作者・荒木に曰く『最初の「懺悔室」のエピソードをシリーズ化して何作品か描いてみたいという発想が既にあり、ジャンプスクエアから短編ストーリーの依頼が来た際にこのストーリーを「第2弾」として描くことにした』とのこと。
なお、雑誌掲載時はエピソード番号が振られなかったが、単行本化の際にエピソード#02と修正された。
作品中の時系列は現実の掲載時期と合わせ、「懺悔室」から約8年後の2007年となっている。
本作の岸辺露伴は、妖怪伝説の取材の為だけに山を6つ買収し、その土地に持ち上がっていたリゾート計画を潰すも計画の頓挫に伴い地価が暴落し破産した結果、家も財産も失い広瀬康一の家に居候している。そこへ編集担当の貝森が作品の打ち合わせに訪れた際、露伴に原稿料の前借りを相談され呆気にとられるが、露伴は「六壁坂の妖怪は今も存在する」と告げ、数年前に発生した事件と露伴の身に起こった奇妙な出来事を語りだす。
ちなみに本作の冒頭では、小林玉美と音石明らしき男が2人、露伴にサインを求めるシーンがあるが、彼らが玉美及び音石と同一人物なのかは不明。玉美(らしき男)は露伴とはまるで初対面のような口を利いているが、ギターを持った男は「音石」と名乗っているので恐らくは両者とも本人だろう。
また、同じく冒頭で露伴が「『るろうに剣心』単行本を全部売っ払った」と発言している件に関して、「るろ剣」作者・和月伸宏は『天国への扉が開いた気がした』とコメントしている。ちなみに和月はジョジョのファンでもあり、自身の作品『武装錬金』でも主人公・武藤カズキは岸辺露伴のファンであるという設定を付けている。
短編漫画の第3弾。週刊少年ジャンプ・2012年45号に掲載されたストーリー。「ジョジョの奇妙な冒険」25周年記念と原画展(ジョジョ展)開催記念として掲載されたストーリーである。荒木が週刊少年ジャンプに漫画を掲載するのは2004年のスティール・ボール・ラン(ウルトラジャンプへ移籍する前)以来およそ8年ぶりとなった。
作中の時系列は上記の「六壁坂」と同じく2007年だが、「六壁坂」よりも後の話である。
そのため、露伴は前作に引き続き絶賛破産中だが、漫画編集者・泉京香と打ち合わせの折に「別荘を買わないか」と提案される。露伴は勿論反対するが、別荘を購入するのは泉で、購入するまでの過程を取材してアイデアとすればいいのでは、と言われた事で露伴は彼女の付き添いとして別荘の購入に同行する。
その別荘地は送電線さえも引かれていない山奥の土地だが、そこに立っている別荘は11軒全てが豪邸であり、しかも所有者全てが世界でも有数の大富豪となったらしいが・・・
短編漫画の第4弾。週刊少年ジャンプ・2013年10月46号に掲載されたストーリー。
イタリアンシェフのトニオ・トラサルディーから「生涯最高の料理のため、日本にしか存在しない食材・クロアワビの密漁を手助けしてもらいたい」と話を持ち掛けられる露伴。そしてトニオが独自に調べ上げた「杜王町の密漁の歴史」を元に、アワビを誰にも気づかれず取りに行ける方法がある、と告げるトニオ。
何かキナ臭いものを感じつつも、満月の夜にトニオへ同行する露伴だったが・・・
作中の時系列については不明。(エピソード5(2007年)以降?)
また、第4部主人公である仗助の家系とは別に「東方家」なる地主の家系が登場するが、第8部の東方家とも繋がりがあるのだろうか。
短編漫画の第5弾。電子書籍「少年ジャンプ+」にて配信されたストーリー(2014年9月22日現在、公式ホームページにて無料配信されている)。
岸辺露伴の近所の家族、望月家(仮名)は毎年「中秋の名月」に家族全員で「お月見」をする風習がある。それは望月家の先祖は全員「中秋の名月」に何らかの事故で死亡しており、逆に家族でお月見をすれば100歳も長生きできる運命にある一族だからである。
そんな一家の2014年9月8日の「中秋の名月」、家族の外出を禁止して始まるお月見のエピソード。
今作では冒頭に岸辺露伴と、トニオ・トラサルディーらしき人物が出る以外、「ジョジョの奇妙な冒険」の人物は一切出てこない。まさしく「岸辺露伴は動かない」エピソードだろう。
短編漫画の第6弾。ジャンプスクエア2016年1月号に掲載された。「六壁坂」から実に8年ぶりにジャンプスクエアに発表された新作。
ある雨の日の杜王町。編集者との打ち合わせのためS市市内に向かおうと駅に着いた岸辺露伴だが、歩きスマホで前方不注意な人と駅構内で度々ぶつかる。最初は憤ってたものの、あまりにも周囲にスマホに夢中な人が多すぎる事に違和感を覚える。その中の一人である男に問い質すが、その最中に歩きスマホにぶつかって露伴は線路に落ちてしまう。これはいったい何者の攻撃なのか・・・?
作中の時系列は明かされていないが、最近問題になっている歩きスマホをもとに構想を練られたのは間違いないだろう。
余談だが、ジャンプスクエアの電子書籍が紙の雑誌と同時に販売開始となったのだが、スマートフォンで購読した読者は「ゾッ」としただろう。
急上昇ワード改
最終更新:2025/12/13(土) 03:00
最終更新:2025/12/13(土) 03:00
ウォッチリストに追加しました!
すでにウォッチリストに
入っています。
追加に失敗しました。
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。