福島県道391号広野小高線とは、福島県の東辺に存在する巨大な迷路のことである。たまに何かの間違いで県道と表記されることもあるが、その実はやっぱり等身大な迷路なので注意が必要である。
福島県道391号広野小高線は、常に難攻不落をもってする不朽の迷路である…と言い切って構わないほど、非常に変なルートをツギハギしつつ走る道である。
そこには多種多様な「 罠 」や「 伝説 」が待ちうけており、ドライブ趣味を持つものが
「どーれ、一回ぐらい通ってみっぺ♪」
などと、生半可な覚悟で挑んでみようが決して完走する事なぞ出来はしない!と言えるだろう。時には、この迷路に挑んで数回となるはずの猛者たちでさえ、その目が欺かれてしまうほどこの道は手強い。
もしあなたが完走を望むのであれば、どんな些細なミスも許されない!
たとえどれほど方向感覚に自信の有る人物でも、素で超方向感覚の持ち主…例えば三浦あ●さとかアルラ・ナ●ナ・Lとか響●牙とか鳳●はやとかベーコン●暮閣下とか黒●ななことか更●剣八とかヨハン・アンデ●センとか音●兵吾とか佐●木由香とかランジエ・●ーゼンクランツとか鷺ノ宮●澄とかR・田●一郎とか水野●芽とか毛の蘭とか李絳●とか早川●おいとか宮田●んとかロ●ノア・ゾロ状態にさせられてしまう可能性が常に有るのだ!……って、いま何の話してたんだっけ?
…ともかく、ここがそう言う場所であるとだけは、走行中、常に憶えておく必要はあるだろう。
・起点/福島県双葉郡広野町折木、国道6号線交点
・終点/福島県南相馬市小高区塚原、福島県道260号北泉小高線交点
・総延長/約55.1km
・ダート/1…2ヶ所? ・未成区間/たぶん1ヶ所
果たしてあなたは、これだけのトラップをかいくぐり、全線走破を果たせるだろうか? 自信はどうあれ、この走行費無料の巨大迷路は、いつでも君の挑戦を待っていることだろう。Good Luck!
2011年3月11日、突然発生した「東日本大震災」により、この道筋のある地域は非常に大きな被害を受けた。大きな揺れと、次いで巨大津波に襲われたその後の様子は、「Googleマップ」において「 福島県南相馬市小高区村上 」「 福島県双葉郡浪江町請戸 」などを検索すればだれでも確認する事ができる。
また地震、津波に加えて、この地域は1500年に及ぶ日本の歴史上で最大の単独事故となった「東京電力福島第一原子力発電所事故」によっても致命的な被害を受けた。その結果「3重被災」と言う、単なるいち地方都市が担うには信じがたいほど苛烈な重荷を負わされた地域となった。
そのため震災や原子炉建屋の爆発から既に1年半が過ぎた時点においてさえ、復興への道筋を見出す事がほとんど不可能な状態に置かれ、数多くの人が避難を余儀なくされて苦しんでいる。その苦しみがいったいいつ終わるのか、当分、誰にも予測が付かないものとされている。
このような事情のため、この福島県道391号広野小高線は、今後も
「かなりの長期間にわたって走行不可」
な状態に置かれるものと思われる。次に一般人が、窓を全開にして海風を、土地のにおいを楽しみながらドライブできるのは5年先か、はたまた10年先なのか、現時点では全く分っていない。
かつてこの道を一度でも走ったことのある者であれば、この地域のもつのどかな雰囲気の再び戻る事の一日でも早いよう、どうしても祈らざるを得ないだろう。あまり遠くない将来、この地域が再び気持ちの良いドライブをし、アイスを食べ、楽しい一日を過ごせる場所として復活されることを願うばかりである。
2012年4月16日。この日、原発事故に伴う警戒範囲が再編され、約13ヶ月ぶりに南相馬市南部への立ち入り禁止措置が解除された。そのため現在は、南相馬市小高区の範囲内に限れば当県道も通行する事が可能となっている。
しかし現地は、東日本大震災の後、東京電力の事故のため約1年間に渡って放置せざるを得ない状態に置かれ続けた地域である。現在も見るにつけ心痛まざるをえない光景が広がっているだけではなく、道路に向かって傾いた電柱から電線が垂れ、路肩が大きく抉られるなど、危険が随所に存在している。
当県道も、動画「その1」の時点で走行不可能になるほどの路面荒れ、橋桁が流出し橋脚のみが残る、海水が残されて出来た池に道が没すなど、大きく害を受けた場所が続出。また住民や警察は懸命に努力をしているものの、一部では治安も悪化も伝えられるなどしている。
そのため正式に開放された部分に関しても、その「走行は非推奨」である。
また原発事故から1年半が過ぎた2012年11月末時点でもなお、浪江町部分など一部区間は立ち入りが厳重に禁止されているが、この区間についても12年4月に開放された部分と同様、未だ11年3月に受けた震災の修復もままならない、悲惨な状態のまま余儀なく放置されているものと思われる。
自然災害によって過去が奪われ、原発事故によって未来が奪われたかのような状況の中に有って、この道の全面的な復旧の成される日は、なおも不明なままとなっている。
この道の復興と共に、この地域に生まれ、育った多くの人が、愛する故郷を広く誇れる日が再びやって来る事を願って止まない。
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最終更新:2025/12/06(土) 04:00
最終更新:2025/12/06(土) 03:00
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