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  1. FPS = First-Person Shooterの略称。ゲームジャンルのひとつ。本稿で詳述
  2. fps = Frame per second … 動画の1秒あたりの静止画枚数を表す数値。詳しくはこちら ⇒ 60fps
    (明確な基準があるというわけではないが、混同を避けるためゲームの場合は大文字、フレームレートの場合は小文字で表記されることが多い。)
  3. ボーカロイドの楽曲 →【鏡音レン】 FPS 【オリジナルMV】

概要

Half-Life
目次

ファーストパーソン・シューター(First-Person Shooter)とは、プレイヤーもしくは主人公の視点(一人称視点、主観視点)でゲーム内の世界を任意で移動することができる3Dのアクションシューティングゲームのこと。

ニンテンドウ64世代の人なら「64のゴールデンアイみたいなゲーム」と説明するとだいたい通じるかもしれない。

基本的には銃器を扱ったシューティングゲームを指す言葉であるが、そのほかシューティングが中心ではなくても、近接武器による格闘を導入したものや、一人称視点による独自の演出を利用したアクションやアドベンチャー主体のゲームでも、単に一人称視点であれば「FPS視点」のように呼ぶこともある。なお、車両や航空機の操縦を扱うゲームの操縦席視点も広義では一人称視点のゲームと捉えることもできるが、一般的にそれらはシミュレーターと呼ばれている。

※狭義ではシューターのみがFPSに該当しますが、本稿では便宜上限定せずFPS視点といった具合で一人称視点に特化したゲーム全般をFPSという括りで扱います。

ジャンルの発祥元がPCタイトルであったことと、独自の操作方法から、かつてはPCゲームタイトルが主流であったが、現在では様々なプラットフォームで販売されており専用タイトルも数多い。

海外のゲームの中では一般的なゲームジャンルのひとつであるが、日本国内では国産タイトルがほとんどなく、他のジャンルと比べるとまだまだマイナーかもしれない。普段ゲームをよくプレイする人たちの間ですらもFPSというジャンルが正しく理解されず、他のジャンルのTPSやガンシューティングと混同されてしまっていることも珍しくはない。

そういった理由のためか、国内のコンソール(据え置き機)タイトルやアーケードゲームタイトル、オンラインゲームタイトルでは「3Dガンアクション」「ミリタリーアクション」などといった独自の呼び方をしている場合もある。ちなみに一部の国内のメディアやコミュニティで使われることのある「ファースト・パーソン・シューティング」は和製英語である。

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歴史

この項目ではFPSというゲームジャンルの起源と発展の過程を解説する。FPSは他の様々なゲームジャンルの影響もあって発展したものであるが、本項では便宜上FPSのタイトルを中心に扱う。なお、時代の分類はメディアやコミュニティの評価や当時の情勢を参考にした筆者の独自研究である。同時期のタイトル一覧の項目では発売当時革新的で後年のタイトルに影響を与えたものやシリーズ作品の原点などを取り扱い、マイナーではあるが時代を先取りしていた作品も一部紹介する。

揺籃期:~1991年

一人称視点で自由に移動ができるゲームが作られたのは1973年の「Maze War」がはじまりと言われており、のちに一人称視点で迷路状のダンジョンを探索するRPG、「3DダンジョンRPG」と呼ばれるゲームジャンルが誕生した(詳しくは該当記事参照)。一人称視点のRPGはFPSと互いに影響を受けながら発展しTESシリーズのように現代に受け継がれている。

1991年11月にid Softwareから発売された「Catacomb 3-D」は魔術師が地下墓地のダンジョンを探検する内容のゲームで、それまでのシューティングゲームで見られた戦車や戦闘機の操縦画面とは異なる、最初に人型キャラクターを扱った一人称視点のシューティングと言われている。画面中央下に武器を持った主人公の手が表示されている初期のFPSの画面構成は本作が原型である。

噂程度の話ではあるが、Catacomb 3-D開発中の当時、最初の3Dの一人称視点RPGと言われている「Ultima Underworld(1992)」の開発者と交流があり、技術的な面で影響を受けた…らしい。

黎明期:1992~1995年

1992年5月にid Softwareからリリースされた「Wolfenstein 3D」はCatacomb 3-Dを発展させたもので、よりシューティングに特化した設計になっている。本作が一人称視点シューティングというゲームジャンルを確立したと言われている。超初期のFPSタイトルではあるものの、1994年にはスーパーファミコンにも移植されて日本でも発売されたので意外とプレイヤーは多いかも。

そして1993年、同じ開発チームが発表した「DOOM」が爆発的に人気を博し、当時売り上げ総数1500万本という記録を叩き出した。DOOMの発売以降、その見た目を変えただけのような内容のゲーム、通称「DOOMクローン」が沢山制作された。これをきっかけに一人称視点のシューティングゲームは独立したゲームジャンルの一つとして定着していった。この頃は「DOOM系シューティング」とも呼ばれいた。

当時のFPSはまだ擬似3Dアクションであり、マップこそは3Dで作られていたが敵やアイテムなどのオブジェクトは2Dのスプライト画像が用いられていた。実際にDOOMにはポリゴンは一切使われていない。多くは照準を上下に動かすことはできず、敵がどの高さにいても方向さえあっていれば攻撃が命中する設計が基本的なものであった。


同時期の作品

Marathon 1994 Macintosh専用タイトル。設定が練りこまれた難解なストーリー、パズル要素のあるシングルプレイをはじめ、マルチプレイのチーム戦の人気もあった。高さや重力の概念を導入した革新的な作品で、エレベーターで高い場所に移動する、水中に潜る、グレネードは放物線を描いて飛ぶ…など、現在のFPSの基本的なシステムはこの作品でほぼ完成されていたとも言える。続編とWindows版も発売された。現在、PC版は無料配布、リメイク版「Marathon: Durandal」はXbox Live Arcadeで配信されている。この開発チームは後に「HALO」を製作する。 M1A1を普通にプレイ(その01)
System Shock 1994 本格的なストーリーが導入された一人称視点のRPG。後の「Bioshock」シリーズの原典的作品である。 「Ultima Underworld」を原型とする視点を上下にも動かせる自由視点(フリールック)は当時は革新的なものだった。また、音声記録を用いた演出は後世のホラーゲームに大きな影響を与えたとも言われている。特に続編の「System Shock 2」はPCゲームやホラーゲームのオールタイムベスト作品として今現在でもランキングの常連である。 System Shock
Rise Of The Triad 1994 5人の能力の異なるプレイヤーキャラクターを選んでカルト教団を倒しまくるFPS。実写を取り込んだグラフィックデザインで、ある意味では最初のフォトリアル路線のFPSとも言えるかもしれない。また、肉片があちこちに飛び散るゴア描写も後のFPSに影響を与えたとも言われている。3D RealmsのFPSタイトルの前身でもあり、カルト的な評価のある作品のひとつ。動画は2013年のリメイク版。
Descent 1995 3D空間として設計されたステージを360度自由に移動することができるフライトシューティング。当時における革新的なゲームのひとつであり、これが最初の3DのFPSであるとも言われている。1996年にプレイステーション版が国内で発売された。 DESCENT(ディセント) PS版
Duke Nukem 3D 1996 それまでは無名で無言の主人公が多かった中、フルボイスで喋る強い個性を持ったキャラクターを主人公に持ってきた点が斬新だった。ふんだんに盛り込まれたアダルト要素やジョーク要素も本作品の特徴で、アダルトビデオを鑑賞してるエイリアンがいたり、トイレで用を足したり…。同じ開発スタジオによる方向性が同じの「Shadow Worrior」も人気作のひとつ。様々な機種への移植版やリメイク版が作られている。苦節14年間の開発期間を経て発売された続編の「DUKE NUKEM FOREVER(2011)」は、いろんな意味で伝説。 Duke Nukem 3D

革命期:1996~1999年

完全な3DのFPSが作られたのは1996年にid softwareが発表した「Quake」が最初であると言われている。ゲーム内のほとんどのオブジェクトが3Dで描写されるようになり、Marathonよりも進化した高さの概念が導入され、高低差を生かした3Dアクションシューティングとなった。また、インターネットを通じたマルチプレイも非常に人気があり、この頃にマウスを使った現在における一般的なFPSの操作方法や、サーバーブラウザの導入といったマルチプレイの基礎が築かれたと言われている。また、柔軟なゲームエンジンは進化と派生を繰り返して現在の最新のFPSでも使用されている。(参考:Quake樹形図

そして2年後の1998年、Epic Gamesが発表した「Unreal」は、当時の常識を打ち破る驚異的なグラフィックで話題となった。それまでのゲームの舞台が屋内中心だったのに対し、広大な高地が描かれている点も新しかった。今となってはグラフィック技術は旧世代のものだが、洗練されたビジュアルデザインは現在でも十分通用するものであると言えるだろう。プレイヤーの攻撃を回避するなどといった高度なAIも導入されている。完成度の高い柔軟な「UnrealEngine」は改良を繰り返し、こちらも今現在でも多くのゲームで使われている。

ちなみに、PCゲームにありがちな「グラフィックが凄すぎて(発売時点での)最高スペックのPCでも快適に遊べない」という話はUnrealが最初らしい。


同時期の作品

ゴールデンアイ007 1997 レア社が開発したNINTENDO64専用タイトル。世界で800万本以上を売り上げる大ヒットを記録し、それまではこのジャンルと縁遠かった家庭用ハード、そして国内でもFPSを浸透させた立役者となった。現在でも根強い人気があり、中古市場では高値で取引されている。対戦プレイに夢中になった人は多いはず。2000年には精神的続編の「パーフェクトダーク」が発売された。
Thief: The Dark Project 1998 System Shock 2の開発スタジオによって作られたステルス要素を初めて本格的に導入したFPS。リーンやカバーアクションという動作を導入した最初期のゲームであり、戦闘ではなく機密行動が重視されるそのゲーム性から「First Person Sneaker」「ステルスシューター」というジャンルを確立したとも言われている。中世と産業革命時代の両方を持ち合わせた独特の世界観も本作の特徴。現在は拡張パックが同梱された「Thief GOLD」がダウンロード販売で購入できる。2014年にはリメイク版が発売された。 T1 GOLD:01.Lord Bafford's Manor
Tom Clancy's Rainbow Six 1998 トム・クランシーの同名の小説が原作。戦闘そのものよりも作戦立案(プランニング)や戦術面(ストラテジー)を重視したゲームになっている。「Tactical Shooter」「リアル系」と呼ばれるジャンルの金字塔であり原型となった作品。以降はシリーズ化され、ゲーム内容を一新しながら様々なプラットフォームで発売された。特に初期の作品は2017年現在でもその評価は高く、再版希望ランキングの常連のひとつ。 RAINBOW SIX OP
Starsiege:TRIBES 1998 FPSにVehicle(乗り物)の要素を追加した最初期の作品。広大なフィールドでの対戦が特徴で、他にもジェットパックを使った空中戦、自動機銃の設置など、それまでにはなかった新しい要素を数多く取り入れている。初期の作品は無料化されており、2012年にはF2Pタイトルとして「Tribes: Ascend」が公開された。動画は続編の「Tribes 2」。 Tribes 2 Japan Festival - Fleet Battle
Jurassic Park: Trespasser 1998 映画ジュラシックパークを題材にしたFPS。恐竜の生態を再現したAI、オープンワールド、手を伸ばしてアイテムを拾う鍵を開けるといった人の手の動きをシュミレートした独特の操作、物理エンジンを利用したパズルなどいった、今日の物理演算が導入されたゲームやVRゲームのような要素を先取りしていたとも言える非常に斬新だったゲーム。しかし、当時の評価は低く失敗に終わってしまった。時代が早すぎた作品。後の「Medal of Honor」開発スタジオの初期の作品だったりする。女性主人公で視点を見下ろすとおっぱいに体力が表示されているのも特徴的。 米国製PCゲーム ジュラシックパーク「Trespasser」  1998年
SiN 1998 Half-lifeに先駆けて本格的なストーリーを組み込んでいた意欲作ともいえるFPS。UnrealやHalf-lifeといった大作に隠れてしまったが、ユニークなキャラクターやマルチプレイの評価が高かった。動画は2006年の続編「SiN Episodes」で3部作になる予定だったが、続編が作られないまま開発チームは解散してしまった。女性主人公や敵キャラのおっぱいも特徴的。

Half-Lifeの登場

1998年11月にValve Softwareから発表された「Half-Life」は、ムービーやカットシーンといった客観的な演出を一切使わず、ストーリー展開が全てプレイヤーが見るゲームの中で実際に起こる独自の演出により、それまでは単なる設定でしかなかったストーリーをゲームと融合させ、ゲームの中の世界をプレイヤーに体感させることに成功した。主人公はプレイヤー自身であるという一人称視点のゲームの最大の魅力を引き出したのだ。FPS界に革命を起こした本作は、多くのプレイヤー、ゲーム開発者に絶賛され、同年度の50種類以上のメディア賞、ゲーム賞を独占した。現代のFPSの原型となった作品といえるだろう。

また、Quake Engineを改良したゲームエンジン「GoldSrc」も完成度が高く柔軟なもので、MODから派生したタイトルも数多く、「Counter-Strike」「Team Fortress Classic」などといった現代の対戦FPSの基礎となった作品も登場した。

これらの理由から「Quake」「Unreal」「Half-Life」はFPSを代表する三大作品と言われることがある。


同時期の作品

Counter-Strike 1999 2チームに分かれて競う対戦専用のFPS。それまではステージのあちこちに散らばっている武器を拾うのが主流だったのに対し、試合で獲得したスコアによる武器の購入というシステムが新しく特徴あるものだった。Half-lifeのMODが製品化されたのが本作であり、初代は最終バージョンに由来して「CS1.6」と呼ばれている。後にシングルプレイヤーを追加した拡張版や、最新のゲームエンジンで一新したリメイク版、アーケード版も発表された。対戦FPSの代表作のひとつと言えるだろう。 FPS カウンターストライク LivingLegends
Team Fortress Classic 1999 チーム対戦専用のFPS。QuakeのMOD「Team Fortress (1996)」をHalf-Lifeのゲームエンジンに移植して製品化したのが本作。メディック、エンジニア、スパイ…といった異なる特徴を持った9種類のキャラクターを選択するクラス制を導入したチーム戦が特徴。このシステムは後の「Return to Castle Wolfenstein」や「Battlefield」のベースになったと言えるだろう。同年に続編の制作が発表されたが何度も延期されたのち、当時のバージョンはお蔵入りになってしまった。2007年になってグラフィックを一新した「Team Fortress 2」が発売され、現在ではF2Pタイトルとしてプレイされている。 Team Fortress Classic ムービー 「AngPangMang」
Sven Co-op 1999 その名の通りCo-op(協力プレイ)専用のFPS。通称すべこ。HLのシングルプレイをネットワークを通じて複数人でプレイするMODからはじまり、後に専用のマップやユーザー製のカスタムマップが導入され人気を博し、2000年代前半頃までは最もプレイ人口の多いCo-opタイトルだった。2016年にスタンドアローンタイトルとして無料公開されている。
Unreal Tournament 1999 Unrealから派生した対戦専用のタイトル。チームに分かれてミッションを攻略するゲームモード「Assault」の追加や、高度なAIを持ったNPCプレイヤーが高く評価され、同年のGame of the Yearを受賞した。発売された年代に由来して初代にあたるの本作は「UT99」と呼ばれている。あのキーボードクラッシャーがプレイしていたのは続編の「UT2004」。現在ではゲーム開発の教育目的としてグラフィックを一新した「Unreal Tournament(2014)」が無償で公開されている。 UT99 世界最強男vs無名上級者(最終スコア52対0)
Quake III Arena 1999 Quakeシリーズから派生した対戦専用タイトル。ストレイフジャンプやバニーホップといったテクニックを駆使するスポーツ系FPSを代表する金字塔的作品。2009年に本作をベースにしたオンラインゲーム「QuakeLive」が公開され、2017年にはグラフィックを一新した「Quake Champions」がF2Pタイトルとして発表された。 Quake 3 ムービー『mercurial』

成長期:2000年~2006年

基本的な操作方法、一人称視点を活かしたストーリー演出など、ゲームデザインの基礎が出来上がったFPSはその後、独自の要素、シューティング以外のジャンルとの融合など、様々なゲームデザインを持ち合わせた個性のある作品が多く作られるようになっていた。

それまではPCゲームでのタイトルが主流であったが、2000年前後になってからは家庭用ゲーム機(コンソール)でも「Killzone」「メトロイドプライム」などといった各種専用タイトルやマルチプラットフォームに対応した作品も数多く発表されるようになり、プレイヤー層がより幅広いものとなった。特に2001年のXbox向けタイトル「Halo: Combat Evolved」はコントローラーでのプレイに最適化されており、ほか、ダメージの方向を示すマーカーやシールド制の体力などといったシステムを導入している。本作はコンソールタイトルにおけるFPSの金字塔と言えるだろう。

2000年ゴア描写も話題になった 「Soldier of Fortune」 でQ・Eキーを使った体を傾けて物陰から覗き込む動作"Lean(リーン)"が導入。2001年のリアル系FPSの代表作 「Operation Flashpoint: Cold War Crisis」で銃の照準器(アイアンサイト)を覗き込む動作、 2003年の 「Vietcong」や 「Call of Duty」でAim Down Sight(ADS)の切り替えが初めて導入され、この時期に現代的なFPSのゲームデザインが形成されていった。

2004年に発表された「DOOM 3」と「Half-Life 2」は、ビデオゲームのグラフィック技術や物理エンジンを革新的に向上させ、当時は「次世代のグラフィック」や「グラフィック新世代」などと呼ばれた。

また、2005年ごろから韓国でサービスが展開されていた無料オンラインゲームが日本国内でも展開されるようになり、後述するオンラインFPSと呼ばれるタイトルも多く見られるようになった。

同時期の作品

Daikatana 2000 DOOMやQuakeを開発した有名クリエイターが独立して作り上げた最新の超大作ゲーム…になるはずだったが、相次ぐトラブルで開発が遅れた結果、発売された頃には何もかも時代遅れになってしまい、理不尽な難易度やバグの多さと過剰な宣伝が裏目に出てしまって散々な評価に終わってしまった。海外では現代でもクソゲーの代名詞的な悪名高い作品。現在Steamで配信されているバージョンは難易度が調整されバグも修正されているのでわりと遊べる。 【発掘】ちょっと前のPCゲームを発掘する動画 五堀目 【調査】
Deus Ex 2000 サイバーパンクを題材にしたRPG色の強いFPS。ゲームプレイにはプレイヤーによる自由な選択が可能な作りになっており、ステルスプレイを重視するかアクションを重視するかはプレイヤーの任意であり、非常に多彩な攻略方法が用意されている。また、プレイヤーの判断や結果によってストーリーやエンディングが分岐するようになっている。現在でも評価の高い作品のひとつ。ちなみに上記のDaikatanaと開発スタジオがある会社が同じで、当時は同じ年に同じ会社から最高傑作と最低作品が登場したと言われていた。 【FPS】デウスエクス【DeusEx】PART1
No One Lives Forever 2000 スパイアドベンチャーFPS。60年代風の世界観に映画007シリーズに出てくるような秘密アイテムが多数登場する。当時はHalf-Lifeを超えるとも言われていた。独特の世界観やシングルプレイの完成度の高さなどが当時のプレイヤーとメディアから絶賛され多くのゲーム賞を受賞した。GOG.comの再販希望ランキングの常連のひとつで、女性主人公はFPSを代表するヒロインのひとり。 ノーワン リブス フォーエバー 01 【NOLF】
Return to Castle Wolfenstein 2001 Wolfenstein3Dの続編。ゾンビやクリーチャー、サイボーグ兵士が登場するため、他の第二次世界大戦を題材にした作品とは違いSFホラー風の作品になっている。クラス制を採用したマルチプレイの人気が高く、拡張パックとして発売される予定だった「Wolfenstein: Enemy Territory」は無償で公開され日本国内でも人気のあるタイトルのひとつであった。ちなみに本作のシングルプレイの開発元は後のTreyarchである。 【FPS】ちょっとお前らもRtCWやろうぜ!【プレイ動画】 - Part01
Serious Sam 2001 両手爆弾首なし男KAMIKAZEが無数に襲ってくるゲーム。初代DOOMのようなひたすら敵を倒すというFPSのスタイルを復興させたのがシリアスサムだ!ジーパンがあれば世界が救えるぜ!ahhhhhhhhh!!!時代を逆行したようなゲームデザインと見た目とは裏腹に、広大なフィールドで無数の敵を同時に登場させる技術は当時は革新的なものであった。現在でもグラフィックを一新したリメイク版や続編が数多く出ている人気作。(動画は2009年のリメイク版)
Operation Flashpoint: Cold War Crisis 2001 1985年前後の冷戦時代を題材にしたリアルな戦場をシミュレーションしたゲーム。一発の銃弾が致命傷となるシビアなゲーム性、広大なフィールドが特徴。リアル系FPSを代表する作品。2006年にはゲーム性を受け継いだ「ArmA」が発売され、現在でも続編や拡張パックが制作されている。また、軍事機関向けに開発された派生作品の「DARWARS」「Virtual Battlespace」は実際の戦闘シミュレーションに使用された。 Operation Flashpoint -Cold War Crisis- Part1 [Traning]
Medal of Honor: Allied Assault 2002 1999年にプレイステーション用タイトルとして発売された「Medal of Honor」シリーズの3作目。第二次世界大戦のヨーロッパ戦線や北アフリカ戦線を題材にしている。スクリプトによる映画的演出が組み込まれたシングルプレイや実銃からサンプリングされた効果音を使用しており、当時は非常に臨場感のある作りであった。FPSといえば第二次世界大戦…というイメージを創り上げたのは本作と言えるだろう。 【MoHAA】オマハビーチ 「オーヴァーロード作戦」 シングルプレイ part1
Battlefield 1942 2002 第二次世界大戦を題材にした対戦専用FPS。有名な戦場をモチーフにしたステージで連合国軍と枢軸国軍の戦いを再現している。搭乗兵器の多さも本作品の特徴で、有名な戦車、戦闘機をはじめ、戦艦や潜水艦も使用することができる。当時は画期的だった64人対戦も大きな特徴である。また、兵士と搭乗兵器のバランスが(いい意味で)適当で白兵戦も楽しめるため、プレイヤーからはお祭りゲーとも言われている。後にシリーズ化され、多くの続編や派生作品が作られた。 BFのお笑い動画
メトロイド プライム 2002 ゲームキューブ専用タイトル。メトロイドシリーズの外伝にあたる本作は、シューティングだけがメインではなくメトロイドの舞台設定の再現やキャラクターとの一体感を重視して作られており「First-person adventure」というジャンル名を掲げている。本作以降にはメトロイドシリーズから独立したプライムシリーズとして続編や移植作品が発売された。 と、いうわけでメトロイドプライムを実況したい part1
Call of Duty 2003 Medal of Honorの開発スタッフの一部が独立して製作されたのが本作品。ヒーロー的な主人公像ではなく、戦場に送り込まれた一兵卒を描くというコンセプトが本作の特徴である。スクリプトによる映画的演出、高度なAIをもったNPCによるシングルプレイが高く評価された。後にシリーズ化されて舞台設定やマルチプレイヤーなどゲームの内容は大きく変化しているが、シングルプレイヤーのレベルデザインは一貫して初代と同じ設計になっている。 【CoD】ソ連軍 スターリングラード戦 part1
Planetside 2003 400人近い対戦を実装したMMOFPSの代表作。当時のオンラインゲームの一般的な形式であった月額制のタイトルとして運営されていた。公式サイトには日本語フォーラムも設けられていて国内でのコミュニティも盛んであった。現在はサービスが終了してしまったが、2012年から後継作の「Planetside2」がF2Pタイトルとしてサービスが運営されている。
Farcry 2004 南国の島を舞台にしたオープンワールドのFPS。独自に開発されたCryENGINEによって広大なフィールドがシームレスに再現され、これによってプレイヤーが自由に行動できるようになった。当時は同時期に発売された「DOOM3」「Half-Life2」によって、やや隠れてしまったが、高度なグラフィック技術もあってプレイヤーの評価は高かった。同開発スタジオによるゲームエンジンを受け継いだ「Crysis」シリーズと、別のスタジオによりゲームデザインを受け継いだFarcryシリーズが作られた。 [洋ゲ普及促進] Far Cry やりすぎHDR Part01
Killzone 2004 プレイステーション2専用タイトル。PS2の性能を極限まで引き出した高度なグラフィックが特徴。宇宙開拓時代というSF設定もあって、当時はHALOキラーとも呼ばれていた。後にPS3やPS4での続編やスピンオフタイトルが数多く作られる人気シリーズとなった。 PS2 KILLZONE キルゾーン オープニングムービー、タイトルデモ
F.E.A.R. -First Encounter Assault Recon- 2005 モンスターではなく幽霊を題材にした異色のホラーFPS。NPCのAIが優秀であり現在でも語られることは多いだろう。マルチプレイも人気があり、後年にはマルチプレイ部分を独立させた無料版も公開されていた。続編の「FEAR2」では搭乗可能なメック型のロボットが登場したことも話題になった。
はし~りぬく、つよい~せなかが~♪
Red Orchestra: Ostfront 41-45 2006 第二次世界大戦の東部戦線を題材にしたFPS。弾道の計算が必要なリアル系よりのゲーム性が特徴。もとは「Unreal Tournament 2004」のMODとして開発されたもので、UT2004の開発元のEpic Games社が主宰したコンテストにおいて見事優勝して製品化の権利と100万ドルの賞金を得た。優秀なMODが独立した例の一つ。グラフィックを一新した続編「Red Orchestra 2:Heroes of Stalingrad」と、舞台を太平洋戦争に移行させた拡張パックが発売されている。 RedOrchestra マルチプレイ動画 〔Konigsplatz1/2〕
Prey 2006 元々は1995年に開発がスタートしたゲームで、後年の「Portal」に先駆けてポータルを使った空間移動というギミックを導入している。他にも重力移動やゲームオーバー時に死後の世界に移動するといった独特の内容になっている。日本国内では主人公の容姿に由来して「しげる」とも呼ばれている。続編を思わせるエンディングになっているが、実質的な続編は2017年現在作られていない。多数の種族が住み着いた宇宙船という設定を受け継いだ「Prey2」は一度キャンセルされてしまったが、一から開発がやり直されて2017年に「Prey(2017)」が発売されている。

変革期:2007年~2011年

2007年に発表されたCall of Dutyシリーズの「Call of Duty 4: Modern Warfare」は様々なプラットフォームで展開し合計で1400万本以上の売り上げを記録した。FPSが今現在よりもまだマイナーなジャンルであった国内でも日本ゲーム大賞2008の特別賞を受賞。また、インターネットを通じた対戦もPC版に限らずコンソール版でも大ヒットした。それまでのFPSの対戦では見られなかった永続的な経験値のシステムはプレイヤーの技量を視覚化するもので、本作の成功以降に他のFPSの対戦でも多く採用されるようになっていった。

本作の大きな特徴はストーリー演出を重視した一人称視点によるカットシーンで、言わばHalf-Lifeで確立された一人称視点ならではの演出をより発展させたものである。また、それまで主流だった回復アイテムを使う体力システム撤廃し、HALOでも導入されていたシールド制とも呼ばれる体力の自動回復を導入したことで、プレイヤーが回復アイテムを探して右往左往するようなことはなくなり、ゲームの進行をスムーズなものに仕立て上げ、FPSはより軽快なアクションシューティングに変わったと言えるだろう。

このようなゲームデザインはのちに「レールシューター」などと呼ばれ、本作以降多くのタイトルが同様の設計を導入するようになっていった。また、模倣されるようになったのはゲームデザインに限らず、現代戦というテーマやビジュアルも後を追う作品が多く、それまでは戦争ものと言えば第二次大戦が主流だったFPS界隈の流れを大きく変えるものであった。第二次大戦ものの代表作であったMedal of HornorシリーズやBattlefieldシリーズも現代戦争もののジャンルとして続編が作られることになった。

これらの理由から主にコミュニティ間ではCall of Dutyシリーズと、対をなすBattlefieldシリーズは近年におけるFPSの代表作として扱われていることは多い。

Call of Duty4がFPSのゲームデザインだけでなく市場やコミュニティの形成にも大きな影響を与えた作品であることは確かだと言える。しかし、一方でコミュニティ内では、いわゆる一本道的なレベルデザインを筆頭にゲーム性が失われてしまっているという声も決して少なくはなく、レールシューターでは"ない"ことが評価されるタイトルも多かった。

同時期の作品

S.T.A.L.K.E.R.: Shadow of Chernobyl 2007 6年もの歳月をかけて開発されたウクライナ発の異色のFPS。東欧ならではの雰囲気、細部まで再現されたプリピャチ市内の廃墟、高度なAI、マイナーな銃器、弾道が計算されたリアルな銃の挙動など…多くの独自の要素を持っている。2つの続編が発売されてシリーズは完結したが、現在でも根強い人気があり数多くのMODが制作されている。 【FPS】S.T.A.L.K.E.R. 解説付きプレイ動画 part.1
Portal 2007 一人称シューティングを最大限に生かしたアクションパズルゲーム。アメリカの専門学校生が卒業制作で作った「Narbacular Drop」というゲームが原型となっている。専用の銃を使って壁に次元の扉(Portal)を開けて空間を繋ぐことで様々な仕掛けを突破していく。重力と物理エンジンをフルに活用した独特のゲームスタイルが高く評価された。2011年に続編の「Portal 2」が発売された。他にもユーザー製のMODやカスタムマップも数多く投稿されている。ケーキは嘘。 Portal Trailer
Bioshock 2007 System shock2の精神的続編。海底に築かれた都市Raptureを探検する。超能力の装備、お金を使いアイテムを購入するシステムなどRPGのような特徴が多い。水流のグラフィックをはじめ、60年代のレトロフューチャーをモチーフとしたデザインや秀逸したシナリオも高く評価された。 BIOSHOCK プレイ動画 テクテク海底記 part1
Crysis 2007 非常に高度なグラフィックが話題になったFPS。当時は最高画質で動かすと最も動作が重いゲームでもあった。オープンワールドに近い広大なマップやジャングルの地形を利用したステルスプレイの評価も高い。国内では日本語版の吹き替えが話題にもなった。続編の「Crysis2」「Crysis3」は舞台を都市部に移行しゲーム内容も大きく変わっている。 高画質を目指す 時々鬼畜な Crysis Part1
Mirror's Edge 2008 一人称視点で高層ビルを駆け抜けるアクションゲーム。パルクールというエクストリームスポーツを題材にしている。FPSのゲーム性にアクション要素を多く取り込み新たなジャンルを開拓したとも言えるだろう。エッジの効いた独特のグラフィックも本作の特徴。 えどさん”&ふみいちのゲームクラッシュ 『ミラーズエッジ』その1
Left 4 Dead 2008 無数のゾンビが徘徊する都市から脱出するストーリー仕立てのCo-op専用FPS。プレイヤーはゾンビ映画の登場人物という設定。ゲームシステムを改良した続編の「Left 4 Dead 2」は現在でも人気が高いFPSのひとつで、後に国内ではアーケード版も登場した。 Left4Dead 16人対戦をやってみた Part1/3
Borderlands 2009 敵を倒して経験値とより強力なアイテムを手に入れる、RPGにおけるハック・アンド・スラッシュのスタイルを採用したタイトル。ゲーム中で手に入るアイテムは自動で生成されるため、銃器だけでも1600万種類を超える。Co-opが人気の作品のひとつ。後に続編やスピンオフ作品が発売されている。
Killing Floor 2009 UT2004の人気MODの製品化。ウェーブごとに襲い掛かってくる大量の敵との耐久戦のCo-op専用FPS。季節ごとにアップデートがされるイベントがよく行われていた。2016年にグラフィックやゴア描写を一新した続編「Killing Floor 2」の正式版がリリースされた。

派生期:2012年~2014年

2012年に「ArmA2」のMODとして登場したリアリティを追求した対人サバイバル系シューター「DAYZ」はFPSというジャンルに限らず、ゾンビものやサバイバルものというジャンル、オンライン対戦ゲームそのものを大きく変えるものであった。

リアル系FPSのMODという形式から、一からプレイするまでのハードルが若干あったにも関わらず、ベースになったArmA2の月間の売り上げ率をそれまでの500%近く伸ばすまでに至った。本作の流行をきっかけにインディータイトルやアーリーアクセスを中心に、「Rust」「7 Days To Die」「H1Z1」後の「PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS」などといった、リアル系よりの大人数での対戦やサバイバル系の多くのフォロワー的タイトルが作られた。DAYZ自身ものちにスタンドアローンタイトルとして独立した。

DAYZのベースはFPSではあるものの、FPSとTPSを切り替えることが出来るゲームであり、フォロワータイトルはTPSベースのものも多く、純粋なFPSとはまた違うジャンルと言った方がいいかもしれない。例えるならRTSタイトルのMODから派生したMOBA(DotA系)のように、FPSから派生した新しいアクションシューターのジャンルのひとつと言ったところだろうか。

大人数での対戦ものが流行する一方で、対戦主体のゲームだけではなく「Bioshock Infinite」や「Metro 2033」のように一人称視点による演出を重視した物語主体の作品や、現代におけるThiefとも言えるステルスシューター「Dishonored」も高く評価されている。

2014年5月にPCゲーム界隈で大きな出来事があった。FPSというジャンルにおいても1996年の初代Quakeから利用されていたオンライン対戦用のサーバーサービス、つまるところマスターサーバーであったGameSpyの運営が終了した。影響は大きく、ひとつの時代の終焉とも言えるかもしれない。GameSpyを導入していたゲームの多くは新しいサービスに移行したが、BF1942やBF2のように販売終了してしまったタイトルもあった。ただ、一方で販売終了したことにより「ProjectReality」などといったMODタイトルが独立するきっかけにもなった。

同時期の作品

MASSIVE ACTION GAME 2010 プレイステーション3専用のMMOFPS。通称MAG。最大で256人同時対戦という類を見ない大規模な試合が楽しめるFPSであったが、2014年1月に惜しまれつつサービスが終了してしまった。続編を望んでいるプレイヤーの声は多い。
Metro 2033 2010 ロシアの同名小説を題材にしたウクライナ産のFPS。ストーリーと世界の表現を重視したシングルプレイ専用タイトル。当時の最先端のグラフィック技術も話題になった。2013年に物語の続編「Metro: Last Light」、2014年には両作品のDLCを統合しグラフィックを調整した「Metro Redux」が発売された。
Dishonored 2012 スチームパンク風の世界設定が特徴のステルスシューター。自由な攻略方法や多彩なAIの表現が盛り込まれていて、ThiefやDes Exなどの名作を現代風に再解釈した作品とも言われており評価が高い。2016年には続編の「Dishonored 2」が発売されている。
PAYDAY2 2013 銀行強盗や囚人の強奪をテーマにした犯罪系のCo-op専用FPS。2011年の「PAYDAY: The Heist」の続編にあたる。前作から数多くの要素が追加され、2017年現在でもコンテンツの追加やイベントが開催されており根強い人気があるタイトルのひとつ。
Titanfall 2014 元Infinity Wardの主要メンバーによって設立されたスタジオの一作目。パワードスーツや搭乗可能なロボットが特徴の対戦専用のFPS。ウォールジャンプなどのアクションが多く導入されており、スポーツ系FPSに近い作りにもなっている。2016年には実質的なストーリーラインのあるシングルプレイが追加された続編「Titanfall 2」が発売された。
Destiny 2014 MarathonやHaloを手掛けた開発スタジオBungieによるPS3・PS4専用タイトル。”First-person"shered world shooter”というMMOの要素を含んだゲーム内容が特徴。

現在:2015年~

2015年の「Tom Clancy's Rainbow Six Siege」は初期のRainbow Sixシリーズを思い起こさせるタクティカルシューターに近い作りになっており、近年の対戦系FPSの中ではプレイヤー数の増加が最も多かったタイトルとも言われている。2016年の「Battlefield 1」は、BF2以降続いていた現代戦から大きく変わって第一次世界大戦を題材にしており、高度なグラフィックやシングルプレイの評価も高い。

近年においては、世界大戦ものの復興や、新生「DOOM(2016)」「UnrealTournament(2014)」「Quake Champions(2017)」といった旧作のゲームデザインを受け継いだリメイクなどから、FPSにおける原点回帰的な流れが見えるかもしれない。

新しいFPSのジャンルとしては、非対称型対戦の先駆けとなった「Evolve(2015)」、MOBA風の要素を含んだ「Overwatch(2016)」が登場した。


オンラインゲーム / F2P

対戦専用のタイトルはインターネットが普及し始めた頃から製品としていくつか発表されていたが、ブロードバンド回線が普及してからは、無料のアカウントとクライアントを導入したいわゆるオンラインゲーム形式のタイトルも多く登場した。かつては月額料金制のものも一部存在したが、現在ではアイテム課金制やF2Pの形式が広く一般的である。国内では2005年ごろから主にオンラインゲーム事業が盛んな中国や韓国の企業によるサービスが展開されており、プレイヤーや広告上では「オンラインFPS」「無料FPS」とも呼ばれている。形式上、ローカル対戦やユーザーによるサーバー稼働が可能な一般的なFPSとは違い、運営側のサーバーやサポートが終了した場合はプレイ自体が不可能になる。

中国・韓国系オンラインゲームタイトルのゲーム内容はCounter-Strikeのゲームルールを模倣したCSクローンと呼ばれるものが大半である。アイテム課金制・無料オンラインゲームという形式や、日本語入力が中心のチャット、運営元の掲示板を中心にした独自のコミュニティが形成されていることから、一般的なFPSタイトルとは異なる文化や用語が形成されていることが多い。

MMO形式は大規模な対戦を実装するための技術的制約からか数は少なく、2017年現在運営されているのは「Planetside2」のみである。

詳しくは該当記事を参照

  • オンラインFPS
  • MMOFPS
  • F2P

アーケードゲーム

日本国内に限定した珍しい例で、国産タイトルや独自に移植を行った主に対戦専用のタイトルが一部リリースされている。ある意味では国産のFPSとも言えるかもしれない。特徴としてトラックボールやジョイスティック、足を使うペダルといった専用のデバイスが用意されていることが多い。また、PCタイトルの移植作品では、ルールの変更や流血表現が抑えられていたり、設定やキャラクターが独自にアレンジされている。アーケードゲームという形式上、機体の稼働やサービスが終了してしまった場合はプレイすることはできない。

アーケードタイトルの一覧

  • アウトトリガー
  • サイバーダイバー
  • Half-Life 2: Survivor
  • Counter-Strike:NEO
  • LEFT 4 DEAD -生存者たち-

マルチプレイ / Co-op

FPSは黎明期の頃からローカル対戦をはじめ、ネットワークを通じたマルチプレイ(対戦)やCo-op(協力プレイ)の人気があり対戦専用のゲームも数多く作られてきた。現在のFPSにおける対戦の基礎を築いたQuakeは開発途中の段階でスタッフが対戦プレイに夢中になっていたという逸話もある。ある世代にとってはゴールデンアイ007の対戦モードが馴染み深いものかも。

FPSの対戦の基本設計はプレイヤーの実力が試されるもので、その競技性の高さからe-sportsやゲーム大会で試合項目になっている代表的なジャンルのひとつであり、Twitchをはじめとする動画配信サイトでの配信番組や、試合中の高度なプレイや決定的瞬間を収めた「フラグムービー」の製作と投稿も盛んである。

基本的なルール

ゲームによって名称は異なるが、デスマッチ、チームデスマッチ、Capture the flag、Conquest…などといったものが代表的な例として挙げられるだろう。PvP(Player vs Player)ではなく協力して攻略をする対AI戦のPvE(Player vs Enemy)形式のCo-opも数多い。ほか有名な例を挙げるとCounter-Strikeの爆弾解除ルールが有名であり、無料オンラインFPSの多くはこのルールを採用している。

基本的には10人前後での対戦やチーム戦が多い。BFシリーズを筆頭に32人対戦や64人対戦、さらに一部のタイトルは100人対戦…といった大人数での対戦が楽しめるゲームもあり、MMOFPSの代表作である「Planetside2」では1000人以上の同時対戦を実現している。特殊な例として近年では「Evolve」や「Dead by daylight」のような1対4の非対称型の対戦ルールも注目されている。

主なルールの一覧

  • Deathmatch(DM), Free For All (FFA)
  • Team Deathmatch(TDM)
  • Capture The Flag(CTF)
     旗取り。相手陣地の旗を自分の陣地まで持ち帰る。
  • Control point(CP)、Conquest
     陣取り。お互いに陣地を争うものから攻撃防衛に分かれてプレイするものもある。
  • Domination (DOM)
     マップ上に3つ設置された旗を確保している時間で得点が入るルール。初代CoDの拡張パックが発祥元。
  • King of the hill(KOTH)
     時間制の陣取り。一か所だけの陣地に長く留まったプレイヤーやチームが勝利する。
  • AssaultObjective
     攻撃側と防衛側に分かれてマップの目標を攻略するルール。
  • Payload
     オブジェクティブ系の発展型。攻撃側は時間内に車両を目的地まで進めるのが勝利条件で、防衛側はそれを阻止するルール。
  • Last Man Standing
     復活無しのDM。最後に生き残ったプレイヤーの勝利。
  • DuelTournamentTourney
     一対一のDM。お互いに装備をそろえた状態で始まるものが多い。
  • Bomb defusal(de_)
     爆弾解除。一方のチームはマップの指定場所に爆弾を設置、もう片方のチームは爆弾設置を阻止するか制限時間内に爆弾を解除するルール。Conter-Strikeが発祥元。
  • Hostage rescue(re_)
  •  人質救出。片方のチームがNPCを指定された場所まで護送するルール、NPCが死亡した場合はペナルティが課せられる。同じくConter-Strike由来。
  • Gun Game
     主にDMで敵を倒すごとに自分の武器やキャラクターが変わるルール。
  • Instagib
     一撃必殺モード。攻撃を食らうと肉片(Giblets)になる。MODが由来。
  • Prop Hunt
     かくれんぼ。隠れる側のプレイヤーはマップ内のオブジェクトと同じモデルになる。GMODが由来。
  • Surf
     空中に浮いた足場や急斜面を進むアスレチックなマップのゴールを目指すルール。主にCS:SやTF2などのSourceEngine系のゲームのMODサーバーで運用されている。

Co-op

専用のマップやゲームモードをはじめ、シングルプレイやストーリーモードを複数人でプレイするものもある。プレイヤーごとに技能や役職が割り当てられたり、他のプレイヤーによる回復や復活が導入されていることが多い。Half-LifeのMOD「Sven Co-op」が草分け的タイトルと言えるだろう。「LEFT4DEAD」 「PAYDAY」 「KillingFloor」などがCo-op主体のFPSの代表作として挙げられる。近年ではCoDシリーズのおまけとして実装されているゾンビモードも有名である。


おおよそ2000年頃までは試合開始時は基本的な装備のみで、マップのあちこちに散らばった銃器や回復アイテムを回収する形式のものが多かった。他に多く見られたのはCounter-Strikeのような試合中のスコアで装備を購入するシステムや、Team Fortress、RtCWolfenstein、BF1942などの専門の技能と装備を持つプレイヤーキャラクターを選択するクラス制を導入したものもある。現在では試合の前にプレイヤーが使用する武器やアイテムをあらかじめ選択、カスタマイズして、それらを装備した状態で試合を行うという形式も多く見られる。

かつてはプレイヤーが持つものはスキン(使用するキャラクターの見た目)だけというものが多かったが、近年ではプレイヤーに数値化された経験値とレベルアップの概念が導入されたタイトルも数多く見られるようになってきた。ここでいう経験値やレベルは一般的なコンピューターRPGにおける能力の強化とは異なるもので、あくまで単なる称号だったり、使用できるアイテムのアンロックなど、直接ゲームバランスに影響するものではない。また、プレイヤーの技量を示すといった役割も持っている。

技量の格差

http://tn-skr3.smilevideo.jp/smile?i=2935602

ニコニコ動画で有名なキーボードクラッシャー。対戦専用FPS「UT2004」で対戦相手にキレるという"ネタ"。

FPSにおける対戦は基本的にプレイヤー自身の技量が求められるゲームであることが多く、それこそが競技性の高さであり楽しさの一つでもあるが、初心者と熟練者との差が顕著に現れて試合内容が一方的なものになってしまうなと、ゲームバランスが崩壊してしまう問題も存在している。

プレイヤーの技量に合わせた相手を見つけてくれるマッチングシステムや、チームメンバーを技量によって平均化したり、メンバーをシャッフルするオートバランスシステム、それらのゲーム内のシステムだけではなく、コミュニティによって初心者専用、熟練者専用サーバーなどとプレイする場所を分けることによってバランスを保とうとする活動は多くあるが、最終的な判断はゲーム内のプレイヤーやサーバーを選択する個々のプレイヤーに求められるものであるため、全てが解決したわけではないのが現状である。

技量の格差は個人戦や少人数でのチーム戦では顕著に現れてしまうが、大人数でプレイするルールを採用したものや、専門技能を持ったクラス制を導入し役割分担が可能なものなど、単なる戦闘だけではなく味方へのサポートにも焦点を当てたゲームであれば個人の格差は目立たなくなるだろう。個人同士の試合が苦手と感じるプレイヤーはそういったゲームをプレイしてみるといいかもしれない。

参考:責任のあいまいな対象

FPSに限らず対戦ゲーム全般で見られることだが、プレイヤー同士の暴言を見かけることは残念なことに決して珍しくない。そのような行為はコミュニティの評判だけではなく、ゲームそのものの評価を下げることに繋がってしまう。もし、どちらかが一方的でフェアな試合ではない(uneven)と感じたら、熟練者の方から率先してチームシャッフルの投票など試合内容の改善を行っていくことが望ましい。

よく使用される略語・用語

  • ADS、Aim Down Sight
    アイアンサイト(照準器)を覗きながら撃つこと。現代のFPSの多くは命中精度が変化する設計になっているものが多く、対戦で使用される基本的なテクニックの一つ。エイム撃ちとも。対義語は腰だめ撃ちなど。
  • Aim[エイム]
    Aimingの略称。目標に対し狙いを定める事。
  • Auto Aim、Aim Assist
    自動的に狙いをあわせてくれる補助機能。Aimingが難しい家庭用ゲーム機向けのソフトに備え付けられていることが多い。
  • Boost、Boosting[ブースト、ブースティング]
    他のプレイヤーの上に登って通常では行けない場所まで登る行為(参考)。バグ技に近いテクニックで、サーバーや大会のルールによっては不正行為とみなされることもある。
  • Bunny Hopping[バニーホップ、バニホ]
    Quakeが発祥の一定方向にタイミングよくジャンプし続けることで加速するテクニック。同系列のエンジンのゲームで使用可能。他のゲームでは意味がない動きなんだけど単にぴょんぴょん跳ねることがバニホとも言われてたりするよう。
  • Camp[キャンプ]
    同じ場所に留まり相手を待ち続けること。ルールによってはゲームの進行を遅らせてしまうこともあり、サーバーによっては自動的にキックされる。またCampを行う人をCamperと呼ぶ。後述する「芋虫」に由来して「芋」とも。
  • Clear[クリア]
    ゲーム終了のことではなく敵が隠れていないか確認すること。制圧完了のあとに言われる。略称はclr。クリアリング。
  • Crosshair[クロスヘア]
    画面の中央に表示されている照準点のマーク。命中精度に応じて動的に変化するものもある。後述するReticleの項目も参照。
  • FF
    Friendly Fire、味方を攻撃する行為や、味方に対するダメージ設定のこと。「フレンドリーファイア」の記事も参照。
  • HS, Head Shot[ヘッドショット]
    高ダメージ(または即死)を与える頭部を攻撃すること。FPSの代名詞かも。該当記事も参照。
  • K/D(Kill / Death), Kill Ratio [キルレシオ]
    倒した数と倒された数の比較。
  • Killstreak[キルストリーク]
    一度も倒されずに連続して相手を倒すこと。ゲームによっては専用のアナウンスが流れたり専用のアイテムや効果が追加される。
  • Lean[リーン]
    体を傾けて覗きこむ動作。
  • Quick Scoping
    主に狙撃系の武器で照準の切り替えを瞬時に行うテクニック。略称はQS。国内の一部のコミュニティ間で使われている「クイックショット」はQSの誤読から派生した和製英語。
  • Recoil[リコイル]
    発砲時の反動で照準が元の位置からずれること。反動に対応して照準をあわせ直すことを「リコイルコントロール」と呼ぶ。
  • Reticle[レティクル]
    銃弾の拡散率(集弾率)
  • Respawn kill[リスポーンキル]
    復活した直後の無防備な常態を襲う迷惑行為。大抵のゲームでは行えないように設定されている。
  • Strafe-Jumping[ストレイフジャンプ]
    ジャンプ中に横移動キー(Strafeキー)と視点を動かして加速するテクニック。Quake系列のエンジンで使用可能。元はバグ技だったが正式にテクニックとして採用された。
  • TK
    Team Killの略称。味方を攻撃して倒してしまう行為。故意にTKをする人をTKerと呼ぶ。
  • ストッピング
    移動方向と逆の移動入力をすることで照準の揺れを抑えるテクニック。和製英語。本来の銃器用語でいうストッピングパワーとは意味が異なるので注意。
  • 芋虫[いもむし]
    狙撃銃を持った状態で動かない迷惑プレイヤーのこと。BF1942で伏せの状態から動かないプレイヤーが芋虫のように見えたのが由来。「芋虫スナイパー」の記事も参照。

※(2017年5月更新)おおよそFPS全般で使われている一般的な用語に限定(したつもり…)。オンラインゲーム全般の用語などは除いています。ゲームやコミュニティによって呼び方や解釈が違ったり独自のスラングなどもあるのでより詳しく知りたい方は各種wikiサイトを参照してください。

  • 参考:銃器用語

操作体系

現在のFPSはほぼ全てのタイトルが、視点の移動とプレイヤーの移動を同時に行う独自の操作方法を持っており、一般的にキーボードでのプレイヤー移動とマウスでの視点操作、もしくは二つ以上の方向入力のあるコントローラーを使用する。基本的にFPSというゲームは前者のキーボードとマウスでプレイするように設計されている。というのもFPSの操作体系はPCタイトルでのFPSそのもののゲームデザインの発展とともに作られたからである。だたし、全体での優劣があるかという話では決してなく、向き不向きはタイトルごとの最適化と、単に慣れといった具合だろう。

キーボードとマウス

黎明期のFPSである「Wolfenstein 3D」や「DOOM」のような高低差の概念がまだなかった頃は視点移動も同様で、視点の高さ、つまり上下の移動はなく、視点移動はプレイヤーを水平に旋回させることによるものだった。諸説はあるが、上下左右自由に見渡すことが出来る自由視点は「System Shock」とその前身となった「Ultima Underworld」で初めて導入されたと言われている。ただ、当時の視点の操作はキー入力のみで行うという現在の操作方法とはかけ離れたとても複雑なものだった。

同時期の「Marathon」によりマウスを使った視点移動「フリールック(もしくはマウスルック)」が導入され、そして「Quake」のマルチプレイにおいてキーボードとマウスを使用するその操作方法がコミュニティ間で一気に広まったと言われており、以降多くの3Dのアクション・シューティングゲームがその操作方法を導入した。現在ではPCタイトルのFPSやTPSはほぼ全てが同様の操作で統一されている。

(※FPSにおける視点移動は厳密にはプレイヤーの向きの移動である。プレイヤーの向きとは別にさらに視点だけの移動も採用したゲームもあるが、それは稀な例であり、ゴールデンアイ007のような特定のコンソール専用ソフトや、Operation FlashpointやArmAなどのより細かい操作が求められるリアル系タイトルにほぼ限定されている。)

参考:Free look

キー人力は左手の位置にある”W・A・S・D”キーが移動として使われているのが現在では一般的である。また、移動用のキーの周りで割り当てられるキーを増やすために位置を右に一つずらした”E・S・D・F”という設定を使用しているユーザーも多い。そのほか競技性の高いタイトルでは個々のプレイヤーのマウス感度やキー配列の設定を記録した「bind(バインド)」と呼ばれるファイルや設定方法がユーザー間で公開、共有されている。

W,A,S,D プレイヤーの移動 左Shift スプリント、ダッシュ
左クリック 攻撃 左Ctrl or C しゃがみ、Crouch、スニーキング
右クリック ADSやセカンダリ攻撃 数字キー,
マウスホイール
武器やアイテムの選択
R リロード Q, E リーン、もしくはアイテムの使用やUseキー

ゲームによって異なる場合もあるが、近年のPCタイトルは上記の操作方法で統一されていると言えるだろう。

一方で普段コンソールタイトルのゲームやコントローラーを使用してゲームをしているユーザーからはキーボードとマウスを使う見慣れない操作方法が敬遠されてしまうこともあるかもしれない。

コントローラーとゲームパッド

かつては先の項目で解説した理由から、FPSはコントローラーでのプレイは困難で使用が推奨されないとする声も多かったが、XBOX専用タイトルとして発表された「HALO」など、コントローラーでプレイするように最適化され独自の設計がされたゲームの登場や、コンソールでの「Call of Duty 4」のヒット以降、マルチプラットフォームタイトルやプラットフォーム専用タイトルなどで、コントローラーでプレイすることを前提にゲーム内容が調整されたFPSも多く作られるようになり、近年ではPC版でもデフォルトでコントローラーの入力に対応したものも数多い。現在ではコンソールタイトルやコントローラーでのプレイが中心のプレイヤーも一般的である。

コントローラーでのプレイの特徴としては、アナログスティックによる移動入力の強弱が可能であり、キー入力ではトグル入力かホールド入力を使うスプリントや忍び歩きといった動作がスムーズに行えることや、コントローラーの振動といった体感的なフィードバックが挙げられるだろう。

しかし、中には視点移動を自動誘導するアシスト機能を初めとする安直な難易度の低下、視点移動を減らすためのFOV(視野角)の縮小、視点移動の加速、前作や他プラットフォームにある機能の削除など、ゲームバランスに悪影響を与えるような設計をしているものもあり、また、マルチプラットフォームで展開しているタイトルや複数の入力デバイスに対応したものでは、対戦プレイにおいて入力デバイスによって技量の差が出てしまうのではと、コミュニティ上で論争になってしまうことも少なくはない。

参考:

PCタイトルはキーボードとマウスでの最適化、コンソールタイトルはコントローラーでの最適がされており、同じFPSというジャンル、場合によっては同じタイトルでも、それぞれは異なるゲーム内容であるとも言えるだろう。コミュニティ上で両者を区別せずに混同すると話が噛み合わなくなりがちなので注意が必要である。ゲームバランスの混同はコミュニティに限らず一部タイトルにも見られる話であり、コンソール版を調整せずにそのままPC版に移植したものや、他機種を考慮していないマルチプラットフォームタイトルは否定的な評価が多い。ただし、あくまで一部タイトルの話であって、プラットフォームごとに専用のチームが調整と変更を行っているタイトルも多い。

コンソールタイトルでサードパーティ製のマウスを使うプレイヤーは、通常のコントローラーのプレイヤーと区別して「マウサー」とも呼ばれている。ただし、一部の対戦専用のタイトルではそういった外部デバイスの使用はサポート対象外であり、特にオンライン上や大会では、いわゆるハードウェアチートという扱いで使用が禁止されている例もある。


珍しい例として、アーケードゲームのタイトルではジョイスティックやペダルなどのタイトルに最適化された専用のコントロールデバイスが用意されるため、おおむね快適な操作環境が用意されていると考えてもよい。


スポーツ系とリアル系

FPSのサブジャンルの代表例として「スポーツ系」と「リアル系」と呼ばれるものがある。爆風でのジャンプや加速しながら移動するテクニックといったアクションを重視した競技性の高いFPSはスポーツ系、一発が致命傷になるダメージ表現や現実的な銃の挙動を再現したものはリアル系と呼ばれてカテゴリー分けされることもある。ただ、そういったカテゴライズが多かったのは昔の話であって、現在ではFPSといってもジャンルは多種多様であり、厳密にどちらかに線引きをすることは難しく、後述する特定のタイトル群を指すときにおおよそ限定されている。

誤解されがちなのは、一般的にリアル系とは写実的なグラフィックデザインを指すのではなく、ゲームデザインを指して呼んでいる。例えば特に誤解されやすいCounter-Strike(CSクローン含む)やCall of Dutyは、アクション重視であり、どちらかといえばスポーツ系よりである。リアル系と呼ばれているタイトルはアクションシューティングというよりも、戦術シミュレーションに近い内容も含んでいる。

スポーツ系とリアル系という呼び方は日本国内のコミュニティ独自のもので、英語圏ではスポーツ系は「Arena shooter」、リアル系は「Tactical shooter」と呼ばれている。また、先述したようにやや古い言い回しであることと、誤解をされやすい呼び方でもあるためか、近年のメディア上では英語圏での呼称に倣って「アリーナ系」や「タクティカル系」と呼ばれていることもある。

スポーツ系

スポーツ系は初期のFPSに近い内容である。主にQuakeやUTなどの初期のFPSタイトルと似たデザインのゲームを指して呼ばれている。英語圏では「QUAKEⅢARENA」に由来して「Arena Shooter」と呼ばれている。基本的にはプレイヤー同士の対戦が主体になっている。

主な特徴として、レーザーやロケットといった派手な武器をはじめとするSF的な設定のビジュアルが多い。対戦に使用されるマップは、マップのあちこちに置かれた武器や回復アイテムを回収する作りになっており、アイテムの位置を記憶してお互いに回収する動きを先読みするテクニックが要求される。ワープポイントやジャンプパッドといったギミックが導入されているものも多い。

加速しながら移動する「ストレイフジャンプ(Strafe-Jump)」や「バニーホップ(Bunny hop)」、自分の足元にロケットを撃ち込んで自らの爆風で飛距離を伸ばす「ロケットジャンプ」、相手と同じ場所にテレポートして圧死させる「テレフラッグ(Telefrag)」などといった特殊なアクションやテクニックが盛んに使用されている。また、武器の弾道が遅く相手の攻撃を目視で避けることもテクニックのひとつである。特にストレイフジャンプとバニーホップは有名で、後年のタイトルでも同様のシステムが採用されていたり、プレイヤー間のテクニックとして使用されていることは多く見かけられる。

PCタイトルが一般的であり、コンソールタイトルでは視点移動やFOV(視野角)の制限から難しく不向きなジャンルであると考えられ、純スポーツ系のタイトルと言えるタイプのものはほとんど無かったが、近年ではTitanfallやCoD:AWのようにスポーツ系に近いアクションを導入したタイトルも出ている。

主なスポーツ系タイトルの一覧

  • Quake / QuakeIIIArena / QuakeLive / QuakeChampions
  • Unreal / UnrealTournament
  • TRIBES / Tribes:Ascend
  • Nexuiz
  • Warsow
  • Toxikk

リアル系

リアル系は現実での戦闘や戦術を再現したシミュレーションに近い作りのFPSである。初期のRainbowSixやOFPが草分け的タイトルと言えるだろう。銃撃戦よりも目的地までの移動行動や立ち回りだったり、実戦開始前のプランニングがゲームプレイの主体であることも多い。対戦に限らずシングルやCo-opでの対AI戦も盛んなジャンルである。

回復アイテムや自動回復は無いものが多く、ダメージのほとんどが致命傷である。出血や負傷の概念があり止血処理が必要なものもある。銃器の動作も弾道計算や、携行数に限りのあるマガジン単位のリロード、距離に応じた照準器の調整などといった実物を再現した設計になっている。そのほか、リーンや伏せといった身を隠す動作が導入されているものが多いのも特徴である。

一般的なアクションよりのFPSと比較するとシビアで難易度が高いジャンルかもしれないが、根強い人気があるジャンルでもあり、リアル系でないタイトルをリアル系として調整した(もしくは作り変えた)MODが作られることは数多く、BF2の「ProjectReality」、HL2の「Insurgency」、 W:ETの「TrueCombat:Elite」といったものが有名である。また、他のゲームではあまり見かけないようなマニアックな銃器類が実装、再現されていることが多い点も人気のひとつと言ったところだろうか。

スポーツ系とはまた別の理由で操作方法が複雑になりがちゆえPCタイトルがほとんどである。コンソール版がヒットしたCoD4以降はFPS全体でリアル系よりのタイトルが減少傾向にあった時期があり、例えばRainbowSixシリーズは開発元が移行しリアル系とは対照的なカバーシューターに変わっている。しかし、一方で近年ではDAYZをきっかけとするサバイバルものの流行や、原点回帰したとも言えるRainbowSixSiegeのようにコンソールプレイヤー間も含めリアル系が再評価されているとも言えるだろう。

主なリアル系タイトルの一覧

  • OFP / Arma
  • RainbowSix
  • Redorchestra / Rising Storm
  • Insurgency
  • ProjectReality / SQUAD
  • TrueCombat:Elite
  • America's Army
  • SWAT3, 4
  • Ghost Recon
  • Takedown: Red Sabre

リアル系と非リアル系の比較

※表に当てはまらないゲームはたくさんあります。大体の目安か、あるあるネタ程度のものだと思ってください…。

非リアル系 リアル系
体力(Health)の回復
ヘッドショットが致命傷
回復なし
負傷と応急処置の概念
跳弾や味方の誤射が致命傷
目標に即着する当たり判定(Hit scan)
真っ直ぐに飛ぶ銃弾
1発単位で何度でもできるリロード
照準器やスコープによって命中率が変わる
発射された銃弾ひとつひとつの当たり判定(Projectile)
落下や貫通をシミュレートした銃弾
マガジン単位のリロード
標的の距離に応じで照準器を手動で調整する
体力や銃弾、ミニマップやレーダーなどの画面表示 必要最小限の画面表示、別画面のマップやコンパス
HUDレスデザイン
お互いが向き合う近距離での撃ちあい 相手が豆粒みたいな距離から狙撃
目的地まで一秒でも早く走る 目的地まで一時間ぐらい歩く

非リアル系とリアル系の違いは、現代的なFPSによくある乗り物にも見ることができる。例えばアクションよりのゲームでは、戦車であればプレイヤー自身で移動しながら大砲を撃つことが出来るし、戦闘機でムチャクチャな曲芸飛行も出来るだろう。一方でリアル系よりのゲームでは、実際の戦車と同じように複数人での運用が求められたり、戦闘機であればフライトシミュレーターに近い作りになっている。


日本での認識

チラシの裏 この項目は独自研究です。
単なる一筆者による考察です。くだらなくても生暖かい目で見てやってください。
【MOH】インパルス板倉の脱!FPS初心者マル秘テク

エフ・ピー・エスとは…

記事の冒頭で触れたように日本国内ではゲーム市場、コミュニティも含め、FPSは他の一般的なゲームジャンルと比較するとマイナーな存在である。特に現代的なFPSの国産タイトルがほぼ皆無であることから国内でのゲームジャンルとしての定着具合が伺えるだろう。普段ゲームを多くプレイするユーザー同士のコミュニティ内でさえも、TPSやガンシューティングなどの別ジャンルのゲームと混同されてしまっていることは珍しくない。メディア上でも過去には海外タイトルを発売する際に国内の広報がわざわざジャンルの解説をする動画を製作していた例もある。

本記事の掲示板も含め、FPSの話題を扱うコミュニティではときおり国内でのFPSの認識についての話題が挙がることがある。この項目ではコミュニティ上でよく挙げられるユーザーの意見を参考にしつつ、国内での現状の理由を考察してみる。

洋ゲーという印象

インディーゲームやMODの範囲であれば日本人や日本のコミュニティによって開発されたFPSは数多いが、企業による商業ベースのタイトルはほとんど開発すらされていない状況である。もちろん厳密に言えば過去に一人称視点のゲームが作られていた例もあるがそれも一部で、また当時の一般的なFPSのゲームデザインとは大きく異なり、ロボットの操縦画面などといった独自のジャンルに近いものが大半であった。

国産のFPSがほとんどない今日では、国内からしてみれば海外産のゲームがほぼ全てであることは事実で、コミュニティ上では「一つのゲームジャンル」というよりも「洋ゲー」という広く曖昧な括り、「海外のもの」「異文化のもの」という印象を持たれてしまっているとも考えられる。極端な例ではあるが「FPSは北米のゲーム」「北米で流行っているジャンル」と言われてしまっている場面を見かけることもある。(統計上北米が多くなりがちなのは単にゲーマー人口の頭数が多いからである)

ここで記しておきたいのは、現状日本ではマイナーなジャンルであるというだけで、北米だけではなく、欧州各国やCIS諸国、ロシアなど、オンラインゲームであれば中国・韓国も含め、ビデオゲーム産業が盛んな国では国内外という隔たりは関係なく一般的なゲームジャンルのひとつである。当然ながら特定の国や地域に属しているというゲームではない。

そして「海外」「異文化」という印象が影響していると思われる以下のような意見も見かけられる。

単に「銃が出てくるゲーム」と思われがち?

http://tn-skr4.smilevideo.jp/smile?i=17763747

一人称視点とシューティングを最大限に生かしたパズルゲーム「Portal」

国産のFPSがない、流行らない理由として「日本は銃に馴染みがないから」という意見がコミュニティ上で挙がっていることは多く見かけられるだろう。しかし、この意見には大きな疑問がある。国産タイトルでも銃器は多く描かれているはずである。そもそも逆に言い換えてみれば「海外は銃に馴染みがある」なんてのは諸外国へのとんでもない偏見である。

ビデオゲームにおける銃の描写の補足として、FPSに限らず銃器が登場するゲームでは基本的に商標の関係上で実在の銃ではなく架空の銃である方が多い。また、FPSにおいてはSFやファンタジーの世界観設定を持つものや、ストーリー主体のアドベンチャー的作品や独自のゲームデザインを持ったものなど、戦闘アクションがメインではない作品は多く挙げられる。

ただ、国内版が発売されるような近年のヒット作では現代戦争をモチーフにした写実的なビジュアルの内容であるものは多く、また国内でサービスを展開している無料オンラインFPSなどでは「銃撃戦ゲーム」や「ガンシューティング」(ややこしい…)という言葉を広告として使用していることも多くあり、現状ゲームデザインよりもビジュアルだけが目立ってしまうのは仕方がないことなのかもしれない。これらのことが別ジャンルのTPSやガンシューティングとの混同をされてしまう要因と考えられる。

銃器がアイコンとして登場する他のゲームとの大きな違い、FPSが持つ最大の特徴で大前提にあるものは「一人称視点」であることだろう。

一人称視点への理解

http://tn-skr2.smilevideo.jp/smile?i=21072617

「バイオショックインフィニット」ゲーム内でパートナーとなる彼女との交流は全て一人称視点で描かれる。プレイヤーが操作する主人公は明確なキャラクター像を持っており、文字通り"主人公の視点"で物語は進む。

「FPS」という名称の由来でもあるFirst-person(一人称)とは、ゲーム内の主人公の視点、もしくはプレイヤー自身がゲーム内にあるとして描かれたものでプレイヤー自身の視点であるということである。

国内のコミュニティ上ではFPSに対して「主人公の姿が見えない」「キャラクターが見えない」と言われてしまっていることもある。一人称視点の3Dゲームが稀で多くが三人称ないし客観視点で設計された国産ゲームに慣れ親しんでいる人からは、三人称視点で操作する客観的なプレイヤーキャラクター像を描かないということ自体に違和感を覚えられてしまっているのかもしれない。

ここで今一度考えてもらいたいのは一人称視点という描き方がFPSだけの特殊な例では決してないということだ。国産ゲームでも多く作られているノベルゲームやアドベンチャーゲーム、しいてはギャルゲーやエロゲーも、主人公もしくはプレイヤー自身の視点を一人称視点で描いているという点では同じではないだろうか。また、レースゲームのドライバー視点や、ロボットを操縦するゲームのコックピット視点などもFPSと同じ3Dの一人称視点によるゲームの描き方をしている。

ほんとあたりまえの話なんだけど、必ずしも三人称視点でキャラクター像を描いたり、もしくは主人公というキャラクター像がなくてもゲームプレイはもちろん物語や体験も十分成立するのである。今日の国産ゲームやコミュニティ間で最もポピュラーなジャンルとも言えるRPGも、ルーツを辿ればそこにあるのはプレイヤー自身がゲームをプレイすることで、原点である「Wizardry」や近年のヒット作である「Skyrim」もまた基本は一人称視点によって描かれたゲームである。FPSは一人称視点という広く大きなゲームの描き方の内、シューティングやアクションに特化したジャンルのひとつなのである。


http://tn-skr3.smilevideo.jp/smile?i=19348418

銃をリロードするモーションだけを集めた動画。現在のFPSではあたりまえのように見られるプレイヤーの手と装備の動きの描写。手や装備だけが画面に映るのはおかしい?このような描写は国内の一人称視点のゲームではどういうわけかオミットされていることが多い。

しかし、一人称視点であることが理解されたうえでも、そう設計されたゲームに対して「視界の一部しか画面上にないのはおかしい」「見えないところから攻撃されてしまうのは理不尽だ」などといった声を見かけることもある。

ここでまた国内でポピュラーであるゲームジャンルのRPGを例に考えてみよう。今日の国産RPGタイトルでも見かけられる"ターン制のコマンド入力の戦闘"や"ランダムエンカウント"といったシステムやルールは、普段そういったゲームをよくプレイする人であるならゲームとして自然と楽しんでプレイできるだろう。そこで「交互にしか行動できないのはおかしい」「ランダムエンカウントは理不尽だ」という野暮な疑問を投げかけることはないはずだ。

ゲームのジャンルとは数多くのゲームの開発の積み重ねの上でゲームとして楽しめるように設計され、多くのプレイヤー間でそのゲームデザインとルールが認識されたからこそジャンルとして定着したのである

ゲームジャンル、すなわち基本の設計やルール、その描写や演出自体が奇妙にそして適していないと思われてしまうのは、そのコミュニティやプレイヤーの中ではまだジャンルとして定着していないからなのだろう。じゃあ何で日本ではFPSというジャンルが定着していないのだろうか(あれれ?)。逆にそもそも何故日本以外ではFPSがゲームジャンルと定着しているのか、いつどこでどのようにして定着したのだろうか。

ここでFPSの歴史の話をおおまかに振り返ろう。

文化の基盤

http://tn-skr2.smilevideo.jp/smile?i=17763973

このマークは何でしょう

DOOMにはじまり、Quake、Unreal、Half-Lifeなど、新しいゲームジャンルを形成し現在のFPSの原型を作り上げたゲームは全てPCゲームタイトルとして作られたものであった。特に3DのFPSの原型で操作方法や対戦の基礎を作り上げたQuake、後にMODから新しいゲームも作り上げられたUnrealやHalf-Lifeは、当時のPCゲームユーザーがオンライン上で開発者との交流をしてコミュニティが一体となって築き上げられたものであった。FPSというゲームジャンルは当時のプレイヤーによって形成されたジャンルとも言えるのではないだろうか。

当時の日本ではそれらのゲームは輸入版という形でしか入ってこなく、コミュニティの形成も個人のファンサイトこそあったが、大きなコミュニティや開発者との交流の場は少なかったと思われる。そして何より、昔から今日に至るまでコンソール機が広く一般的であった日本ではFPSの主流であったPCゲーム市場とそのコミュニティは海外と比較すればとても小さく、決して国内におけるゲーム文化のメインストリームではなかっただろう。

PCゲームという大きなプラットフォーム、開発者とプレイヤーが一体化したコミュニティ、そしてFPSがひとつのゲームジャンルとして定着していくまでの過程、すなわちFPSの文化の基盤となる部分が、近年まで国内のコミュニティにはほとんどなかった、ということなのかもしれない。

今後の行方は

Shadow Warrior - 序章

舞台は日本!

国産はなくともゴールデンアイ007にはじまり、HALOやCODなどの国内向けタイトルのヒット作やオンラインゲーム、一人称視点のゲームそのものであればマインクラフトやスレンダーマンなどの海外インディーゲームも国内でも人気作として知られているはずだ。一昔前と比較すればFPSはコミュニティ間でも周知されて偏見や誤解も減ってきたと思いたい。

国内のコミュニティでもFPSの文化の基盤が出来上がり、一般的なゲームジャンルとして周知され理解されるようになれば、いつの日か名作と言われる国産FPSが生まれる日が来るかもしれない。


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※オンラインFPSタイトルは該当記事参照。厳密にはシューターではないが現代的なFPSと同じ設計の一人称視点のゲームも便宜上一応記載。

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