SI基本単位 単語

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SI基本単位(SI base units)とは、国際度量衡委員会が定める7つの基本単位である。

概要

各単位を定める上で基本となる単位。

時間・長さ・質量・電流・熱力学温度・物質量・光度 において設定されている。
「基本」とは、伝統的に使われてきた物理量であることを表すに過ぎず、歴史的経緯から実際の定義づけは複雑である。例えば、「秒(s)」は、本来の定義は「地球の自転周期の1/3600」だったが、それでは正確に定義できないことから、現在ではセシウム周波数を元にしている。

また、物質量を表す「モル(mol)」であるが、これは平たく言えば「アボガドロ定数個」であり本来は「ダース」等と同様無次元であるべきで、こういったものを基本単位に組み込むのはどうなのか、という議論もある。

光度を表す「カンデラ(cd)」に至っては、視感効果度という「人間の目が感じる度合い」が基本単位に組み込まれており、普遍的な物理量を表すという国際単位系の理念に反するのではないかという議論もある[1]

このように各論での批判はあるものの、メートル法の制定以来長らく使われてきた単位系を急に変更することも難しく、一部を除いては伝統的な単位系からは大きく逸脱しないように設定されている。

2019年の定義変更によって「すべてのSI基本単位を普遍的な物理定数で定義する」という目的は達成されており、当面の間はこれらの単位系は揺るがないものと思われる。

物理量の定義値

現在(2019年以降)のSI基本単位は、特定の物理量を正確に特定の値に固定することで定義されている。

定数 記号 数値 単位
有効数字 ×10n
セシウム周波数 ΔνCs 9.192 631 770 9 s-1
光速度 c 2.997 924 58 8 m s-1
プランク定数 h 6.626 070 15 -34 kg m2 s-1
電気素量 e 1.602 176 634 -19 A s
ボルツマン定数 k 1.380 649 -23 kg m2 s-2 K-1
アボガドロ定数 NA 6.022 140 76 23 mol-1
周波数540×10¹²Hzにおける
視感効果度
Kcd 6.83 2 cd sr kg-1 m-2 s3

SI基本単位一覧

上記の物理量を定義し、そこから7つの基本単位を設定する。これをSI基本単位という。

現在のSI基本単位の定義は、すべて「[物理定数]を[単位]で表したときに、その値を正確に[数値]と定めることによって定義される」というフォーマットで書かれている。そのため、本記事では定義に使用される物理定数を挙げることによって記述を省略する。

単位

定義に使用される
物理定数

当初の定義
名称 記号
時間
(second)
s ΔνCs 地球の自転周期の1/3,600
長さ メートル
(metre)
m ΔνCs c 地球の子午線長の1/40,000,000
質量 キログラム
(kilogram)
kg ΔνCs c h 水1dm3の質量
電流 アンペア
(ampere)
A ΔνCs e 電磁単位[2]の1/10
熱力学温度 ケルビン
(kelvin)
K ΔνCs c h k 水の融点から沸点までの温度差の1/100
絶対零度を0と定める
物質量 モル
(mole)
mol NA 原子量や分子量をグラムで置き換えたときの、その原子や分子の個数
光度 カンデラ
(candela)
cd ΔνCs c h Kcd 一般的なろうそくの光度

したがって、以下のことがわかる。

  • 秒とモルはそれ自身単独で定義される
  • メートルとアンペアは秒に依存するため、秒を定義したのちに定義できる
  • キログラムはメートルと秒に依存するため、メートルを定義したのちに定義できる
  • ケルビンとカンデラはメートル・キログラム・秒に依存する[3]ため、キログラムを定義したのちに定義できる

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関連項目

  • 単位
  • 国際単位系
  • SI組立単位

脚注

  1. *一応、視感効果度および分光視感効果度の定義は数式で表されており、尺度が人間であるということ以外は普遍的な量で表されている。
  2. *真空中に1cmの間隔で同じ大きさの電流が流れているとき、両者の間に働く力が2dyn/cmであるような電流の大きさ。アブアンペアともいう
  3. *カンデラはステラジアンにも依存するが、これは単なる面積の比なので、メートルを定義すれば定義可能
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