国際単位系(Système International d'unités/SI)とは、国際度量衡総会が定める物理量の単位系である。
メートル法の成立以来、様々な物理量を国際的に統一しようという議論が重ねられた。
長さの単位であるメートルに始まり、体積の単位であるリットル、質量の単位であるキログラム…と定められる中、基本単位の定義について、のちの知識からは正確な値を決めることが困難であることがわかったものが出てきたのである。
例えば、1メートルは「地球の子午線の長さの4千万分の1」と定められていたが、測量技術の進歩により、地球の子午線は正確に4000万mではないことがわかってきた。1キログラムは当初「水1リットルの質量」と定義されていたが、水の質量は温度と圧力によって変化し、圧力はその定義に質量が含まれるので循環定義になってしまうのである。
そうした中、すべての基本単位を物理定数、すなわちこの宇宙が続く限り未来永劫変わらない値を基準に決定しようという方向に動いていくこととなった。例えば、時間の単位「秒」はセシウム133の周波数で定義されることになり、「メートル」は真空中の光速によって新たに定義し直されることとなった。
長らく具体物によって定義されていたキログラムも物理定数によって定義し直されることとなり、2019年5月20日をもって、すべてのSI基本単位が物理定数を基準に定められることになったのである。
端的に言えば、地球で使われている単位系の定義を宇宙人にも説明できるようになった(カンデラのみ例外[1])。まだ若干の議論はあるものの、これをもって国際単位の定義についてはひとつの決着を得たといえる。
以下、2019年のSI単位再定義以降の定義について解説する。
現在(2019年以降)のSI基本単位は、特定の物理量を正確に特定の値に固定することで定義されている。
| 定数 | 記号 | 数値 | 単位 | |
|---|---|---|---|---|
| 有効数字 | ×10n | |||
| セシウム周波数 | ΔνCs | 9.192 631 770 | 9 | s-1 |
| 光速度 | c | 2.997 924 58 | 8 | m s-1 |
| プランク定数 | h | 6.626 070 15 | -34 | kg m2 s-1 |
| 電気素量 | e | 1.602 176 634 | -19 | A s |
| ボルツマン定数 | k | 1.380 649 | -23 | kg m2 s-2 K-1 |
| アボガドロ定数 | NA | 6.022 140 76 | 23 | mol-1 |
| 250×10¹²Hzにおける 視感効果度 |
Kcd | 6.83 | 2 | cd sr kg-1 m-2 s3 |
上記の物理量を定義し、そこから7つの基本単位を設定する。これをSI基本単位という。
現在のSI基本単位の定義は、すべて「[物理定数]を[単位]で表したときに、その値を正確に[数値]と定めることによって定義される」というフォーマットで書かれている。
SI単位系では、上記のSI基本単位を1ずつかけたり割ったりすることで得られる単位を「SI組立単位」という。SI組立単位は無限に存在するが、一部には利便性のため独立した名称が与えられている。
独立した名称のあるSI組立単位は全部で22種類。例外的にセルシウス度とシーベルトは、基本単位の単純な冪だけでは求めることができない[2]。
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最終更新:2025/12/16(火) 10:00
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