TR計画とは、ガンダムシリーズの公式外伝『ADVANCE OF Ζ』における開発計画のことである。
この記事ではTRシリーズの簡易的な解説も行う。詳細は各機の個別記事を参照。
U.C.0083《デラーズ紛争》終結後に始動したティターンズによるMS/MA開発計画。
TR計画は決戦兵器「ガンダム[インレ]」の開発構想である。しかし[インレ]はサイコガンダムの倍以上にもなるサイズと複雑な構造を持ち、いきなり実機の製造に移るのは困難だった。
そのため、まず[インレ]のテストベッド・試作型を複数機作る(分散させる)開発計画が持ち上がる。
凍結したガンダム開発計画の残り予算もつぎ込んだと言われており、さらにティターンズへの優遇という形で予算リソースなどが賄われていた。
構想は宇宙世紀全体を見渡しても類を見ないほど壮大で、外宇宙への進出を視野に入れていたようだ。
計画で得た実証データは他の兵器・兵装の技術に繋がる物が多く、開発史にとって重要な存在となった。
なお、TRシリーズの機体名は小説『ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち』の登場キャラクターから取られている。
────U.C.0084.12 : ロールアウト。
ジム・クゥエルをベースに開発されたTRシリーズの試作型1号機。
“オプションパーツの換装による多様な作戦への対応”を目的に開発されたが、ガンダムヘッドがジオン兵に与える心理的影響の調査も並行して行われていた。
ただし最初のヘイズルは未だジムタイプであり、ヘイズル改への改修で真にガンダムタイプとなる。
Gパーツ「フルドド」といった強化パーツ、コア・ブロックの緊急脱出ポッド[プリムローズ]など、ガンダムヘイズルが装着するパーツは、将来的に万能化換装システムの一角を構成する重要なパーツに発展していく。
また、TR-1で得た大推力飛行の技術が「バイアラン」に、ガンダムのフラッグシップの構想が「ガンダムMk-Ⅱ」に、詳細は不明だが次世代主力量産機候補の「バーザム」にも昇華している。
バリエーションの一つ、ガンダムTR-1[ヘイズル・アウスラ]は、[インレ]のコア・モビルスーツに発展した。
────U.C.0085.07-12
先行量産型ハイザックを中核に据えたTRシリーズの2号機。
[インレ]の主兵装となるハイパー・ロングレンジ・ビームキャノンのテストベッド。
“MS/MAで運用可能な大型携行兵器の試験”に使用されるハイザックは、他の機体と比べて比較的ユニット化が進んでいた為、動力パイプの繋ぎ替えでエネルギーをロストさせることなく供給が実現した。
TR-2の主兵装はビグウィグキャノンとも呼ばれている。ハイザックはおまけ。
───U.C.0085.08-10
試作型アッシマーをベースに改修されたTRシリーズの3号機。
“[インレ]の艦載機となる小型可変機の試作機”であり、可変技術の実証もテストされている。可変技術はドラム・フレームという可動式パーツであり、後の万能化換装システムの真の中核となる内部機構である。
一説にガンダム試作0号機ブロッサムのドラム型フレームが前身とも…。
────U.C.0085.10~U.C.0086.02
RX-107 ロゼットをコア・モジュールとしたTRシリーズの4号機。
従来のバリュート・システムから発展した“単機での速やかな大気圏突入、並びにその後の最適な形態移行”の構想を実現させた。ただしTR-4の変形はあくまでも「形態移行」である為、パーツを廃棄しなければならない。これを解決したのがロゼットの強化プラン(ペーパープラン)から発展した「ダイダロスユニット」であった。
本形態の発展型は、[インレ]を構成する下部パーツとなる。
────U.C.0086.03~U.C.0088.02
ギャプランをベースにしたTRシリーズの5号機。
“長距離侵攻と拠点制圧、及び艦載機の搭載能力を備えた試作実験機”である。
弾道軌道による超音速侵攻をコンセプトとしている他、フルドドの発展型であるフルドドⅡをTRシリーズの完成型より一足先に装着している。
本形態の発展型は、[インレ]を構成する上部パーツとなる。
これまでのTR計画で得た技術から、二つの機体が生まれる事となる。
その内1機がヘイズル・フレアの再設計機、万能化換装システム「BUNNyS」を持つガンダムTR-S[ヘイズル・フレア]であった。
本来ガンダムインレのコアにはヘイズル・フレアが選ばれるはずだったが、「機種統合計画」の発動によってお蔵入りとなる。
グリプス戦後にエゥーゴが接収し、AOZ計画の「ZZZガンダム」に生まれ変わった。
ZZZガンダムはU.C.0090年代に実機が確認されている。
────U.C.0088.02
機種統合計画を反映して開発されたTRシリーズの6号機。
小型の可変機で、決戦兵器・ガンダムTR-6[インレ]のコアとなる量産型モビルスーツ。
用意されたパーツはティターンズのあらゆる機体の後継機で、量産化構想のある[ウーンドウォート]がパーツを装着することでそれらの後継機に変貌する。
全てを補完する統合機であり、総合マルチロール型の究極の到達点とすら言える。何を隠そうこのTR-6こそが、ガンダムMk-Ⅱに代わるティターンズの象徴的機体なのである。
機種統合計画の反映でロールアウトが遅れてしまい、ようやく投入されるも大勢は決した後だった。しかしその性能は凄まじく、ネモ6機を敗戦覚悟で相手取り、一瞬で壊滅させている。
なおこれ以前に、大勢が決した戦況を混乱させないためのガンダムTR-6の破壊命令(密命)が良識ある自軍上官から下されていたのは流石に触れておきたい。
ガンダムTR-6搭乗者のエリアルド・ハンター中尉は、遭遇したネモ隊に機体と運命を共にする(殉職)覚悟で戦闘を挑み、あえて自然な戦闘での撃破を任せたのだが………結果はご覧の通り。
ハンター中尉はその後、エゥーゴのガブリエル・ゾラ大尉に機体の破壊を依頼し、機体はさも戦闘で撃破されたかのように偽装爆破されている。
これで幕は下りたと思われていたが、完成した機体は他にも存在していた。
そして戦後にティターンズ残党によって火星ジオン残党「レジオン」へと本機が持ち込まれた。
───U.C.0091 : インレ、再起動。 輝ける星をもう一度。
全長100mを超える弩級の可変モビルスーツ。
TR計画の最終到達点。ティターンズの最終兵器。単機で戦局を左右する決戦兵器。
“外宇宙への進出と地球圏の支配”を目的とした構想で、軌道ステーション「SSD(スターシップダウン)」や専用母艦アスワン改による配備運用計画が構築されている。
ガンダムTR-6[ダンディライアンⅡ]とガンダムTR-6[ファイバーⅡ]の大型MAの合体機で、2機の性質を備える。
なお[インレ]は制式採用機となった場合、量産(もしくは少数生産)予定である。[サイコ・インレ]等の構想を含め宇宙世紀最強クラスのガンダムと言っても過言ではないだろう。
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最終更新:2025/12/14(日) 12:00
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