朽ち果てたヴァイオリン 色褪せた向日葵
西日の影法師 老いたけだもの
味気のないカーテン よく出来た砂糖水
飴塗りの王宮 老いたけだもの
ああ ああ ああ ああ
青い鳥は飛び立つ 無邪気な子供たちと
老いた彼のこと 見向きもしないで
赤い鳥達は鳴いた 彼の耳元で
歌が今もたらした 意味に気付けず
触れた 薄い膜は 何も 伝えはせず
伸ばした 五本指は 在り処が 行方知れず
呼吸の 羅列は 意味などなさずに
積み上げた 瓦礫の 価値も 忘れてく
赤錆びた あの雲の色 それは どうしようもなく 美しく
肥大した この魂も やがて 融けていく
雲の姿を追いかけて 生まれ変わるように辿りつく
赤い鳥は塵に還る 西日に燃やされて
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