中野剛志「で、もう一つあるのはですね。もうちょっと、その細かい経済的な話ではなくて、もっと単純に考えるべきなんですよ。何を単純に考えるか?よく「財政出動は無駄だ」とか「内需はないんだ」とかそう言うんですけど何を言っているのか全く理解できない。
震災があったわけですよね?あれだけの震災があったら早く復興しないと、ずーっと被災地放っておかれたら、すでに仮設住宅で老人の孤独死が増えてるって言いますけども、ああいう不味い状況になるので、どんな国だって、あれだけの大災害があったら、すぐに復興のお金を出して復興に取り組むんですよ。そうしないと時間が経つと取り返しがつかなくなるから。そうですね?後遺症が残っちゃいますよ、東北がこのままなら。
ところがこの国は、8月になっても二次補正がたったの2兆円。未だに本格的にやってないわけですけども。もう10ヶ月くらい放置してるわけです。凄いですねこれは、本当に凄い事です。本当は西田先生が仰られたように、財政危機でも何でもないんですけど、仮に財政危機がある、仮に経常収支が赤字で外国から金を借りてる国だって、例えばハイチ、そういった国だって、こういう震災が起きたら外国から借金をしても、国民を救うためにいの一番でやりますよ。で、その借金を返すためには「国民みんなで負担だ」って、こうなるわけですよ。
だけどこの国は外国から借金なんかする必要ないんですよ?外国にお金を貸してるんだから、世界で一番貸してるんだから。それなのに、この国は財政出動をする代わりに6月から財源の議論を始めたんですよ。信じられますか?その間東北はずーっと放置。で10月くらいになったら、今度は震災なんか無かったかのようにTPPの議論を始めたんですよ?震災っていう大きな事情の変更があって、しかも農家が多いんですよ東北は、なのにTPPの議論、今は消費税の増税の議論をやっている。狂ってるんですよ!
これは財政が大蔵省が理解してるとか、マクロ経済を理解してるとか、そのレベル以下なんですよ!凄い事で、私は「国力とは何か」という本で、冒頭「国力というのは、こういう震災があった時に、東北の人たちが赤の他人でも見捨てない事だ」っていうふうに書いたんですけど、「本当は見捨てるだろうな」って思って書いたんですけど、やっぱり見捨てたんですよ。つまり、この国はですね、「危機が起きたら目が覚めて立ち上がる国じゃない」って事が今年証明されたされたんだと、この国はもうダメなんですよ!「期待しろ」とか「希望を持て」とか言うけど、ダメな事を証明したじゃないか!1000年に一度の危機が起きたのに見捨てたじゃないか!そうでしょ?
いい加減「日本を信じよう」なんてふざけた事を言うのを止めろよもう。もう財政とか、細かい議論じゃないんだ!そういう事だと思いませんか?相当ヤバいですよこれは、と思います」
- 0
- 0pt
