ラキシス(Lachesis)とは、ギリシア神話に登場する女神。ラケシスと同義である。
ラキシス(Lachesis)とは、2010年生まれの日本の競走馬である。鹿毛の牝馬。
主な勝ち鞍
2014年:エリザベス女王杯(GI)
2015年:産経大阪杯(GII)
概要
血統
父ディープインパクト、母*マジックストーム、母父Storm Catという血統。
父は説明不要の三冠馬にして大種牡馬。本馬は3世代目の産駒である。
母は米国馬で12戦3勝。GII1勝のほかGI3着が一度ある。
母父は米国で一時代を築き、種付け料が当時北米史上最高となる50万ドルまで高騰した大種牡馬。父ディープインパクト×母父Storm Catは後にキズナ、アユサン、エイシンヒカリなど活躍馬が続出する好相性で、本馬の1歳下の全弟であるサトノアラジンも後に安田記念を勝利することになる。
~2歳
ノーザンファームで誕生した本馬は当歳でセレクトセールに上場、3000万円で落札された。購入したのは愛知県で製造業を経営する大島昌也氏。馬主になったばかりで本馬が3頭目の所有馬だった。
馬名の由来は前述の通り漫画「ファイブスター物語」のキャラクター。元はギリシア神話の女神なのだが、大島氏の所有馬の名前はレッドミラージュやレディオスソープなどいずれも同作品の用語ばかりなので間違いはないだろう。JRAでは単に「物語のキャラクター」とぼかされている。
2歳になり、名門・角居勝彦厩舎に入厩。角居師は馬格や大きなストライドからその素質を見込んでいたというが、一方で体質が弱く、またカイ食いが細い馬で調整に難しさを抱えていた。入厩当時は強い調教をする度に馬体を減らしてしまうような馬だったのでゆっくり調整され、デビューは2歳12月。しかしここを出遅れながら上がり最速でぶち抜き快勝。この1戦のみで2歳を終える。
3歳
年が明けても体質の弱さと食欲不振は改善されず、十分な調整が出来ない状況が続いた。2戦目となったOPすみれSは-14kgでの出走。3番手から伸びあぐね8頭立て6着に惨敗する。クラシック戦線へ一縷の望みをかけたGIIフローラSでは出遅れてまるで競馬にならず11着という結果。陣営は骨が固まるまで待つという決断を下し、長期休養に入る。
9月に自己条件の甲武特別(500万下)で戦列に復帰。+8kgと馬体も幾分戻り、中団から余裕で差し切り2馬身半差の完勝。登録していた秋華賞には賞金の関係で出走できず、同日の鳴滝特別(1000万下)に出走。断然人気に推され、道中掛かり気味になる場面もありながら直線半ばまで追い出しを待ち、軽く促されただけで先頭に立ち、最後は流すという余裕たっぷりの勝ち方。鞍上の川田将雅が「秋華賞に出してあげたかった」と悔やむほどの勝ちっぷりを見せつけた。
これで準OPとなったが、陣営は強気に格上挑戦でGIエリザベス女王杯へ挑戦。同年のヴィクトリアマイル馬ヴィルシーナと二冠牝馬メイショウマンボが人気を二分する中、前走の内容が高く評価され条件馬ながら単勝6番人気に推された。
大外枠からスタートし、早々に4番手の好位置を確保。一般にストライドが大きい馬には不利な重馬場であったがラキシスは難なく追走し、2番手で直線を向く。川田のムチに応えて懸命に脚を伸ばしたが、残り100m地点でようやく先頭へ立とうかという瞬間、外から飛んできたメイショウマンボに斬り捨てられてしまった。しかし後続の追撃は振り切って2着を確保し、一気にOPへ昇格。初GI挑戦で大きな存在感を放った。
このあとジャパンカップは疲労を考慮して回避。これで3歳シーズンを終える。
4歳
角居師が「エリザベス女王杯を獲りに行く」と意気込んで迎えた4歳。この頃のラキシスはようやくカイバ食いが改善され、初戦の京都記念は+10kgで出走。4着に敗れはしたが3着とはクビ差、1着馬ともコンマ3秒差と内容は悪くなく、ジェンティルドンナに先着する実績を解除。なおこのレースは12頭中4頭いた馬体重2ケタ増の馬が1~4着を独占するやや珍しい結果となった。
しかし続く中日新聞杯は末脚勝負で競り負けハナ差2着。ヴィクトリアマイルは再び調整の難しさが出たか、-12kgの448kgと新馬戦より軽い体重になってしまい、後方から何も出来ず15着に大敗。これで春シーズンを終える。
そのまま休養に入り、秋初戦はオールカマー。この年は新潟での代替開催となった。前走の負けに加えこれまで遠征で結果を残していなかったこともあり7番人気にとどまるが、先行策から踏ん張り半馬身差の2着に好走。陣営は手応えを掴み、大目標のエリザベス女王杯に向かう。
この年の主役はオークス馬ヌーヴォレコルト。ラキシスは前年覇者メイショウマンボ、秋華賞馬ショウナンパンドラと分け合っての3番人気に支持される。
最内枠から発走したラキシス。ゲートが今ひとつだったこともあって中団内まで下げ、ヌーヴォレコルトをマークする絶好位につける。馬群もほどよくばらけてどこからでも行けそうな展開。鞍上の川田はヌーヴォレコルトを見ながら手綱をガッチリと抑え徹底マークの構え。4角で前が仕掛けたのに合わせて追い出しにかかる。潰れた逃げ馬を避けて一列外に振った分やや後れを取ったが、そこから徐々に加速して先に抜けたヌーヴォレコルトを猛追。相手も脚を伸ばし続けていたが一完歩ごとに差を詰め、ゴール寸前でクビ差捕まえて勝利。1年間目標としてきたGIタイトルを見事手中に収めた。なお、この勝利で2014年秋のGIはスプリンターズSから5連続で重賞未勝利馬が勝つという珍しい記録が生まれた。
このあとは有馬記念に転戦。川田がエピファネイアに回ったためクリスチャン・デムーロが代打騎乗。GI馬10頭の超豪華メンバーもあって11番人気と低評価だったが早めの競馬から6着に踏ん張った。
5歳~
現役を続行し、初戦はGII産経大阪杯。長期休養明け2走目のキズナが単勝1.4倍の断然人気で、他にも同期の天皇賞(秋)馬スピルバーグ、秋華賞馬ショウナンパンドラなど本馬含めGI馬6頭が集まる豪華メンバー。牡馬の強豪相手とあって6番人気にとどまる。
鞍上にはこの年からJRA騎手になって早々に調整ルームでリツイートし1ヶ月騎乗停止を食らい制裁が明けたクリストフ・ルメールを迎えての参戦。不良馬場の中3枠3番から発走。いつもより下げた後方4番手からの追走となる。やや縦長の展開にも動じず、4角で一瞬馬群の内に振ってから直線入り口で再度外に持ち出すことで、仕掛け遅れを避けつつ大外も回さずに直線に入る。大外から飛んできた断然人気キズナと競り合いながら外を駆け上がり、2頭揃って先頭へ躍り出たところでキズナをも競り落とす。後方から追ってくる馬もなく、キズナに2馬身差をつけて完勝。重賞2勝目は鞍上ルメールにとっても嬉しいJRA騎手としての初勝利となった。
これで宝塚記念は2番人気に推されたラキシス。本命に推す馬券師も多かったが、前走同様の末脚勝負が超スローペースに封殺されてしまい8着に惨敗する。まあ、断然人気のシロイアレがそれ以上にやらかしたのであまり言われもされなかったが・・・。
このあとは馬場適性も見込まれ札幌記念に転戦したが5着。京都大賞典は-16kgも響いてか4着。連覇を狙ったエリザベス女王杯では直線で挟まれる不運に見舞われ11着。このレースを最後に引退となった。
引退後は生まれ故郷のノーザンファームで繁殖牝馬として繋養されている。
血統表
ディープインパクト 2002 鹿毛 |
*サンデーサイレンス 1986 青鹿毛 |
Halo | Hail to Reason |
Cosmah | |||
Wishing Well | Understanding | ||
Mountain Flower | |||
*ウインドインハーヘア 1991 鹿毛 |
Alzao | Lyphard | |
Lady Rebecca | |||
Burghclere | Busted | ||
Highclere | |||
*マジックストーム 1999 黒鹿毛 FNo.16-h |
Storm Cat 1983 黒鹿毛 |
Storm Bird | Northern Dancer |
South Ocean | |||
Terlingua | Secretariat | ||
Crimson Saint | |||
Foppy Dancer 1990 鹿毛 |
Fappiano | Mr. Prospector | |
Killaloe | |||
Water Dance | Nijinsky II | ||
Luiana | |||
競走馬の4代血統表 |
クロス:Northern Dancer 5×4×5(12.50%)
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関連項目
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