貴婦人と名づけられた才女が晴れの舞台を颯爽と駆け抜けた。
英雄と讃えられた父を彷彿とさせる瞬発力で牝馬三冠の栄誉を勝ち取った。
受け継がれた最強の遺伝子は想像を超える夢を描いていく。
ジェンティルドンナとは、2009年生まれの日本の元競走馬である。
日本競馬史上4頭目の三冠牝馬であり、GI七冠馬。アメリカ競馬めいたラフなレース運びや牡馬とも十二分に渡り合う爆発的な末脚などから、馬名の和訳をもじった「鬼婦人」の異名で恐れられた。これから年月が経ってもディープインパクトの代表産駒の一角に数えられるであろう一頭である。
主な勝ち鞍
2012年:中央競馬牝馬三冠[桜花賞(GI)、優駿牝馬(GI)、秋華賞(GI)]、ジャパンカップ(GI)、ローズステークス(GII)、シンザン記念(GIII)
2013年:ジャパンカップ(GI)
2014年:ドバイシーマクラシック(G1)、有馬記念(GI)
この記事では実在の競走馬について記述しています。 この馬を元にした『ウマ娘 プリティーダービー』に登場するウマ娘については 「ジェンティルドンナ(ウマ娘)」を参照して下さい。 |
概要
ジェンティルドンナ Gentildonna 貴婦人 |
|
---|---|
生年月日 | 2009年2月20日 |
馬種 | サラブレッド |
性・毛色 | 牝・鹿毛 |
生産国 | 日本 |
生産者 | ノーザンファーム (北海道安平町) |
馬主 | (有)サンデーレーシング |
調教師 | 石坂正(栗東) |
主戦騎手 | 岩田康誠 |
馬名意味 | 貴婦人(イタリア語) |
抹消日 | 2014年12月28日 |
戦績 | 19戦10勝[10-4-1-4] |
獲得賞金 | 17億2603万400円 |
受賞歴 | |
競走馬テンプレート |
父ディープインパクト、母*ドナブリーニ、母父Bertoliniという血統。
父ディープインパクトは説明不要レベルの日本のクラシック三冠を含むGIを7勝した名馬。種牡馬としても「ディープ系」と呼ばれる一大勢力を作る大活躍を見せた。
母*ドナブリーニはサンデーサイレンス系に合わせるべく輸入された英2歳GⅠチェヴァリーパークSの勝ち馬で、Winning Post7でもっとも勝ちにくい2歳重賞として一部で有名なGⅡチェリーヒントンステークスを勝っている。
母父Bertoliniはスプリント重賞のジュライステークス(G3)を勝利し、その後欧州G1戦線で善戦を重ねた英国のちUAE馬。Danzigを父に持っている。種牡馬としては*ドナブリーニが代表産駒になる程度で大きな実績は残していない。
全姉には2012年の関屋記念(GIII)と京都牝馬ステークス(GIII)を勝ったドナウブルーがいる。
来歴
~2012年
2歳~桜花賞まで
2011年秋のデビュー戦は1番人気に推されたが、不良馬場で逃げ馬を捉え損ね惜しくも2着に敗れた。その後、未勝利戦を勝利。
3歳初戦のシンザン記念(GIII)では力強い末脚で、牡馬勢に完勝。このレースで重賞初制覇を決め、クラシック路線に名乗りを上げた。
チューリップ賞・桜花賞
シンザン記念の勝利でクラシックに向けての賞金はバッチリ確保していたのだが、彼女はここで熱発を起こし倒れてしまう。競走馬にとっての熱発は非常に厄介なものであり、石坂調教師をはじめとした陣営は「桜花賞本番で納得いくまで仕上げよう」と考え、桜花賞トライアル・チューリップ賞(GII)に出走することに決める。結果は4着。シンザン記念で賞金を積んでいなければ累計賞金枠に入れず桜花賞へ出走できなかった可能性が高い。しかし、「本番前に一度使えたということが大きなプラスになった」と石坂調教師は語っている。
そして、桜花賞(GI)当日。1番人気は2歳女王ジョワドヴィーヴルに譲ったものの、彼女はシンザン記念でのパフォーマンスが評価され2番人気に支持される。レースは最後の直線でジョワドヴィーヴルが伸びあぐねる中、馬場の真ん中から黄色い帽子のジェンティルドンナがチューリップ賞からコンビを組む岩田康誠の手綱に導かれ、シンザン記念でも見せた末脚を爆発。ゴール前では内から抜け出しを図ったヴィルシーナ・アイムユアーズの2頭と競り合う形となったが、彼女はこの2頭を競り落とし、GI初制覇を成し遂げた。
優駿牝馬(オークス)
次走はオークス……ではあったが、ここでも問題が発生した。2週間前のNHKマイルカップでの走行妨害によって主戦騎手の岩田が騎乗停止となってしまい、オークスでの騎乗ができなくなってしまったのだ。急遽、ピンチヒッターとして川田将雅が騎乗することに。
姉であるドナウブルーがマイル路線で活躍していたことや、これまで(データ不足だったとはいえ)ディープインパクト産駒の長距離実績の少なさから、桜花賞からさらに人気を落とし3番人気に。1番人気はフローラステークスを快勝したミッドサマーフェアで、2番人気がヴィルシーナであった。「あれ?桜花賞馬がなんで桜花賞2着より低評価?」と思われそうだが、上記の不安要素だけでなく、ヴィルシーナはクイーンカップで東京競馬場を経験していた一方、ジェンティルドンナは東京コース未経験であったことも相まって評価を下げていたものと考えられている。
レースでは川田が中段より後ろにつけて脚をためると、直線で内から抜け出しを図りリベンジを狙うヴィルシーナを大外からあっという間にかわしていき、そのまま5馬身差をつけて圧勝。二冠に輝いた。
鞍上の川田は8年目で中央GI3勝目。ここまでそのすべてがクラシックと、ここぞというところで勝負強さを見せた。
夏~秋華賞: 牝馬三冠達成
夏は休養にあて、秋初戦はローズステークス(GII)。
ここでも、直線で前を行っていた馬をあっさりかわすと、ヴィルシーナ以下を問題なく抑え、あっさり完封。三冠に向けて上々の滑り出しを見せた。
貴婦人の進撃
まず桜の丘で乱を鎮め
樫の渓谷を平定すると
いま秋華の郷も制圧。
乙女の国を統べる者が
ここに誕生した。だが女領主は満足を知らぬ。
まだ見ぬ強敵を求めて
新たな荒野へ飛び出していく。
波の向こうへ漕ぎ出していく。
貴婦人の進撃は続く。
過去の二冠達成の実績から1番人気となるが、ジェンティルドンナとの対戦で三回連続で2番手になるという苦杯を舐めており、彼女への雪辱を晴らさんと挑むヴィルシーナが2番人気であった。
レース本番、チェリーメドゥーサが大逃げを打って他の馬が追う荒れる展開となったが、ジェンティルドンナは最後の直線で追い上げ、内側から追い上げてきたヴィルシーナとは写真判定にもつれ込む程の僅差でゴールに飛び込んだ。写真判定の結果、同タイムハナ差での勝利となり彼女は史上四頭目となる牝馬三冠を達成。なお、三冠戦全てジェンティルドンナ→ヴィルシーナで決着する珍記録のおまけ付きであった。
ジャパンカップ: 三冠馬vs三冠馬
牝馬三冠を達成し、自信をつけた陣営はジャパンカップ(GI)への参戦を決定する。
2012年のジャパンカップは凱旋門賞からソレミア、天皇賞(秋)からエイシンフラッシュ、フェノーメノ、ルーラーシップ、そして何より前年の三冠牡馬のオルフェーヴルも参戦し、好メンバーが揃った。このメンバーの中でも牝馬三冠での勝ちっぷりが評価され、彼女は3番人気に推される。
外枠と大幅な体重減で心配されたが、レースは斤量差を生かし果敢な先行策に打って出ると折り合い良く道中を進め、最後の直線で追い出しにかかる。外から追い込んで内にささってきたオルフェーヴルと一杯になったビートブラックに挟まれ進路を失いかけるが、牝馬とは思えない豪快なタックルでオルフェーヴルを外へふっ飛ばし進路を作ると、ラストスパートをかけ先頭に立つ。オルフェーヴルも態勢を立て直し猛然とジェンティルドンナを追いかけ、最後は三冠馬同士のプライドがぶつかった熾烈な追い比べになった。ラフプレーは審議になったものの、騎手の騎乗停止処分のみで降着は無しとなり、わずかハナ差でジェンティルドンナが三冠馬対決を勝利。牝馬三冠馬として初となる牡馬混合GI制覇を果たした。
GI4勝、特にジャパンカップでの勝利が評価され、彼女は3歳牝馬としては史上初となる年度代表馬に選出された。
2013年
ドバイシーマクラシック
明けて2013年。陣営は凱旋門賞挑戦を見据え、海外初挑戦となるドバイシーマクラシック(GI)への遠征を決断。放牧に出された後、国内で入念に調教を積み一週前に現地へ乗り込んだ。休み明け、ぶっつけ本番、長距離輸送を不安視する声もあったが、それを吹き飛ばすように現地の最終追い切りでは慣れない馬場に対応し抜群の動きを見せる。海外の関係者からもジャパンカップでオルフェーヴルに勝った事を非常に高く評価されており、ブックメーカーのオッズでは一番人気に支持された。
そしてレース本番、ゲートは外目の8番枠からスタート。積極的な逃げ馬がいない中でシャレータが鼻を切り、セントニコラスアビー、そしてジェンティルドンナが続き、有力馬で先頭集団が形成される。ただ本馬の道中は内に入れず外を回された上、掛かり気味なのか鞍上の岩田騎手が手綱をずっと抑えた状態でリズムを欠いていた。そしてそのままの大勢で4コーナーから直線へ入る頃、前にいたセントニコラスアビーが先に仕掛け、シャレータを交わし先頭に躍り出るとジェンティルドンナもそれを追う。直線、セントニコラスアビーを捉えようとラストスパートを仕掛けるが、道中リズムを悪くしたためか最後の伸びに欠き、日本で見せていた爆発的な末脚も出ず先頭のセントニコラスアビーとの差が詰められない。それでも持ち前の勝負根性で何とか食い下がっていたがそのまま決着、世界の壁の厚さを感じた2着惜敗だった。
勝ったセントニコラスアビーは昨年の凱旋門賞こそフランスの馬場が合わず11着と惨敗していたが、その後世界中のクラシックディスタンスを転戦しGI三勝、負けたレースでも堅実に着を拾って実績を積み重ねてきた有力馬であった。
宝塚記念
ドバイからの帰国後は、予定通り宝塚記念(GI)に出走。二度目の三冠馬対決となるオルフェーヴル、初対決となる同期の二冠牡馬ゴールドシップに、天皇賞(春)を制したフェノーメノを加えた四強決戦が期待された。しかし、オルフェーヴルが肺出血により直前で回避。残った3馬で最強4歳馬決定戦の様相を呈す中、彼女は単勝2.4倍の1番人気に支持される。
レース本番では大外の11番枠からジャパンカップと同様に先行策を打つ。大逃げを打つシルポート、実質上のペースを作るダノンバラードに続く3番手につけ、同じく先行策をとると想定されていたフェノーメノの機先を制することに成功する。思惑通りの展開であっただろうが、ここで予想外の事態が発生する。いつも通り最後方からレースを進めると思われていたゴールドシップが、内田騎手の出鞭と押しに応えて先行し、4番手につけてきたのだ。最後にスタートを出負けしたフェノーメノが5番手についたことにより、レースの道中は三強が順に並ぶ形で進んでいった。
レースが動いたのは第3コーナー。フェノーメノが前2頭を捉えるべく仕掛けたのを機に、各馬スパートを開始。内からジェンティルドンナ、ゴールドシップ、フェノーメノの順で三強は一団となりコーナーを曲がってゆく。そして、最後の直線。数日前の台風とレース直前までの雨により荒れていた内を嫌った岩田は、外に持ち出すべくゴールドシップを弾こうとしたが、これを読んでいた内田には通じず逆に弾き返される結果に。この時点で勝負は決し、彼女は荒れた馬場を苦にせず伸びてゆくゴールドシップに突き放されていく。最後はフェノーメノの追撃こそ凌いだものの、ダノンバラードを半馬身交わせずに3着。勝ったゴールドシップからは3馬身半離された完敗であった。
ドバイのメイダン競馬場、実質重の阪神競馬場といったパワーの要る馬場で連敗を喫したことにより、陣営は両競馬場より馬場が重くなることが想定されるパリ・ロンシャン競馬場で行われる凱旋門賞への挑戦を断念せざるを得なくなった。
天皇賞(秋)~ジャパンカップ
秋初戦は古馬中距離路線の天皇賞(秋)へ直行することに。ゴールドシップ不在ということもあり、彼女は1番人気に支持された。しかしレースでは前半1000m58秒4のハイペースで掛かり気味の2番手。直線で先頭に立ったものの、後方から突如覚醒したジャスタウェイの爆発力に差し切られ、4馬身差の2着に敗れた。
レース後の石坂調教師とオーナーの協議の末、鞍上をこれまで主戦だった岩田康誠からライアン・ムーアに変更して次は連覇の懸かるジャパンカップへ出走することに。
前走で折り合いに苦しみ2着、天敵のゴールドシップも出走するとあり人気を落とすかと思われたが、当日は前年覇者ということもあってか1番人気。
レースは好スタート後に5番手付近で追走。エイシンフラッシュが逃げを打ち、スタート1000m62秒4という超スローペースで折り合いに各馬が苦しむ中、彼女はうまく折り合いをつけながら追走していく。直線で先頭に立つとゴールドシップが捲り不発で追ってこず、そのままデニムアンドルビーやヒットザターゲット、ルルーシュをねじ伏せ、史上初のジャパンカップ連覇を達成した。
その後疲労面などを考慮して有馬記念には出走せず、結局この年はジャパンカップの1勝のみに終わったが、ドバイシーマクラシックや天皇賞(秋)でも善戦したことが評価され、ジェンティルドンナはこの年のJRA最優秀4歳以上牝馬に選出された。
2014年
京都記念からドバイシーマクラシック制覇へ
陣営は前年同様ドバイシーマクラシックへの挑戦を表明し、遠征前の前哨戦に京都記念(GII)を選択。鞍上は福永祐一が務めることに。単勝1.6倍の圧倒的な1番人気に支持され、誰もが楽勝だと思っていた。しかしレースでは好位置につけながらも直線で全くといっていいほど伸びがなく、デビュー以来初めて掲示板を外す6着。ドバイ遠征を不安視する声も聞かれた。鞍上との相性が悪かったとも。
不安要素が募る中迎えた本番、ドバイシーマクラシックでは再びライアン・ムーア騎乗での出走になった。
彼女は同じく日本から遠征していたデニムアンドルビーと共に好スタート。デニムアンドルビーが先行するのに対して、彼女は控えようとする。その時内にいた馬と接触するも、特に影響はなく中団内側に付ける。
直線に向くと先行していたデニムアンドルビーが他の馬に交わされ、その後ろにいた彼女が囲まれる状況になってしまう。しかしそこから他の馬を押しのけるようにして外へ抜け出し、残り120mで先頭へ躍り出たままゴール。昨年敗れたドバイシーマクラシックを制し、 牝馬としては初のドバイG1制覇となった。
宝塚記念
帰国後は再び宝塚記念への出走を表明。騎手もオークス以来となる川田将雅とのコンビが復活。昨年はゴールドシップに完敗したものの、 今年こそはと陣営もかなり気合を入れて望んだ。
1番人気はやはり昨年優勝のゴールドシップ。前走GII勝利・前々走天皇賞(春)2着のウィンバリアシオンに次ぐ3番人気となったが、それでも彼女は単勝4.1倍とかなりの支持を集めていた。
スタートはまずまずだったものの、最初の直線でゴールドシップがジェンティルドンナの外に付け、スタート1000m62秒4のスローペースにうまく折り合えず。外に居たゴールドシップに3コーナー過ぎから先行され、そのまま直線へ。前にいるゴールドシップがロングスパートで先頭に立つものの、彼女は直線でも伸びがなく、過去最悪の9着と完敗を喫してしまったのだった。
天皇賞(秋)~ジャパンカップ
宝塚記念の完敗後は休養に入り、秋は天皇賞(秋)からの始動。そして彼女は今年一杯で引退となることが陣営から発表された。鞍上は初騎乗となる戸崎圭太に変更。1番人気は前走で完敗だったものの、ダービーも2着と善戦したその年の皐月賞馬イスラボニータ。彼女は彼に次ぐ2番人気に支持された。
レースは道中先行し、最後の長い直線でイスラボニータを振りきったものの、その後ろから飛んできたスピルバーグに差し切られ2年連続の2着。その後陣営は三連覇がかかるジャパンカップを次のレースとするも、ここでの結果次第では年末を待たず即引退の可能性も示唆した。
当日は得意の府中、騎手もライアン・ムーアに乗り替わりがあったものの、1番人気での出走。レースは前日に雨が降ったせいで良馬場発表ながら若干重めの馬場になっており、スタミナ勝負となり苦戦。好スタートからいい位置での競馬をするも、不良馬場の菊花賞で圧勝したエピファネイアに力負けし、4着となった。
ただ掲示板は確保する善戦となったため、陣営は即引退はせず年末の有馬記念をラストランに定める。
有馬記念、有終の美
有馬記念(GI)ではジャパンカップで騎乗したライアン・ムーアの短期騎手免許が切れ帰国してしまっていたため、再び戸崎が騎乗することに。彼女は事前のファン投票では1位のゴールドシップに続く55699票を集めた。
この年の有馬記念は史上初めて枠順を公開抽選で決めることになったが、ジェンティルドンナはなんと1番最初に選択権を獲得。2枠4番の好位置での発走となった。しかし彼女は実は中山未経験。前走でも敗戦したことが祟り、4番人気にまで人気を落とした。そしてその出走メンバーであるが、
枠 | 番 | 馬名 | 主な勝ち鞍(当時) |
---|---|---|---|
1 | 1 | トーセンラー | 2013年マイルチャンピオンシップ |
2 | ヴィルシーナ | 2013年・2014年ヴィクトリアマイル | |
2 | 3 | ワンアンドオンリー | 2014年日本ダービー |
4 | ジェンティルドンナ | 2012年牝馬三冠、2012年・2013年ジャパンカップ、2014年ドバイシーマクラシック | |
3 | 5 | ラキシス | 2014年エリザベス女王杯 |
6 | トゥザワールド | 2014年弥生賞 | |
4 | 7 | ラストインパクト | 2014年京都大賞典、2014年金鯱賞 |
8 | メイショウマンボ | 2013年オークス、2013年秋華賞、2013年エリザベス女王杯 | |
5 | 9 | ウインバリアシオン | 2011年青葉賞、2014年日経賞 |
10 | フェノーメノ | 2013年・2014年天皇賞(春) | |
6 | 11 | サトノノブレス | 2014年日経新春杯 |
12 | デニムアンドルビー | 2013年フローラS、2013年ローズS | |
7 | 13 | エピファネイア | 2013年菊花賞、2014年ジャパンカップ |
14 | ゴールドシップ | 2012年皐月賞、2012年菊花賞、2012年有馬記念、2013年・2014年宝塚記念 | |
8 | 15 | ジャスタウェイ | 2013年天皇賞(秋)、2014年ドバイデューティーフリー、2014年安田記念 |
16 | オーシャンブルー | 2012年金鯱賞 |
実に出走16頭中GI馬10頭かつ残り6頭も全員GII馬という超豪華な面子が揃う夢のグランプリが実現した。スポーツ紙予想や評論家予想も割れに割れ、4番人気のジェンティルドンナも単勝オッズ8.7倍とまさに混戦の様相。
彼女はレース本番好スタートから道中3番手追走して直線で一気に抜け出し、ゴールドシップやエピファネイア、トゥザワールドを振りきって3/4馬身差でゴール。前年のオルフェーヴルに続き、2年連続で引退レースで優勝を飾る有終の美を飾った。
またこの有馬記念制覇によって、
- 中山競馬場未出走馬としては17年ぶり制覇
- 通算GI/G1勝利数7勝、当時の史上最多タイ記録達成 (シンボリルドルフ、テイエムオペラオー、ディープインパクト、ウオッカに並ぶ)
- 国内GIに限った場合、牝馬による通算GI勝利数6勝は当時の史上最多タイ (ウオッカ、ブエナビスタに並ぶ)
- 牝馬では史上初となるJRA主要4場 (東京・中山・京都・阪神) 全てでGIレース勝利
- 当時の通算賞金獲得額で歴代2位 (1位はテイエムオペラオー)
- 父・ディープインパクトとの有馬記念親子制覇 (どちらも引退レースで優勝。産駒としては初制覇)
引退後
2016年にはJRA顕彰馬に選定。2022年現在は自身の生まれ育った北海道安平町のノーザンファームにて、繁殖牝馬として子育てに勤しんでいる。
初仔のモアナアネラは準OP止まり、2番仔は未出走、4番仔は未勝利に終わったが、3番仔のジェラルディーナが2022年のオールカマー(GII)を勝利し産駒初の重賞勝利を挙げ、勢いそのままに同年のエリザベス女王杯(GI)も勝利し産駒初GI勝利も挙げている。
血統表
ディープインパクト 2002 鹿毛 |
*サンデーサイレンス 1986 青鹿毛 |
Halo | Hail to Reason |
Cosmah | |||
Wishing Well | Understanding | ||
Mountain Flower | |||
*ウインドインハーヘア 1991 鹿毛 |
Alzao | Lyphard | |
Lady Rebecca | |||
Burghclere | Busted | ||
Highclere | |||
*ドナブリーニ 2003 栗毛 FNo.16-f |
Bertolini 1996 鹿毛 |
Danzig | Northern Dancer |
Pas de Nom | |||
Aquilegia | Alydar | ||
Courtly Dee | |||
Cal Norma's Lady 1988 栗毛 |
*リファーズスペシャル | Lyphard | |
My Bupers | |||
June Darling | ジュニアス | ||
Beau Darling | |||
競走馬の4代血統表 |
クロス:Lyphard 4×4(12.50%)、Northern Dancer 4×5×5(12.50%)
産駒一覧
出生年 | 馬名 | 性 | 父 | 主な勝鞍 |
---|---|---|---|---|
2016 | モアナアネラ | 牝 | キングカメハメハ | 3歳以上2勝クラス |
2017 | (ジェンティルドンナの2017) | 牡 | キングカメハメハ | (未出走) |
2018 | ジェラルディーナ | 牝 | モーリス | '22オールカマー[GII] '22エリザベス女王杯[GI] |
2019 | マリーナドンナ | 牝 | ロードカナロア | (未勝利引退) |
2021 | エヴァンジェリーナ | 牝 | モーリス | (未勝利引退[1]) |
2023 | (ジェンティルドンナの2023) | 牝 | ドレフォン | (デビュー前) |
2024 | (ジェンティルドンナの2024) | 牝 | エピファネイア | (血統未登録) |
関連動画
関連項目
JRA顕彰馬 | |
クモハタ - セントライト - クリフジ - トキツカゼ - トサミドリ - トキノミノル - メイヂヒカリ - ハクチカラ - セイユウ - コダマ - シンザン - スピードシンボリ - タケシバオー - グランドマーチス - ハイセイコー - トウショウボーイ - テンポイント - マルゼンスキー - ミスターシービー - シンボリルドルフ - メジロラモーヌ - オグリキャップ - メジロマックイーン - トウカイテイオー - ナリタブライアン - タイキシャトル - エルコンドルパサー - テイエムオペラオー - キングカメハメハ - ディープインパクト - ウオッカ - オルフェーヴル - ロードカナロア - ジェンティルドンナ - キタサンブラック - アーモンドアイ - コントレイル |
|
競馬テンプレート |
---|
中央競馬の三冠馬 | ||
クラシック三冠 | 牡馬三冠 | セントライト(1941年) | シンザン(1964年) | ミスターシービー(1983年) | シンボリルドルフ(1984年) | ナリタブライアン(1994年) | ディープインパクト(2005年) | オルフェーヴル(2011年) | コントレイル(2020年) |
---|---|---|
牝馬三冠 | 達成馬無し | |
変則三冠 | クリフジ(1943年) | |
中央競馬牝馬三冠 | メジロラモーヌ(1986年) | スティルインラブ(2003年) | アパパネ(2010年) | ジェンティルドンナ(2012年) | アーモンドアイ(2018年) | デアリングタクト(2020年) |
|
古馬三冠 | 春古馬 | 達成馬無し |
秋古馬 | テイエムオペラオー(2000年) | ゼンノロブロイ(2004年) | |
競馬テンプレート |
脚注
親記事
子記事
- なし
兄弟記事
- ジャスタウェイ
- ヴィルシーナ
- フェノーメノ
- ホッコータルマエ
- ノヴェリスト
- ハクサンムーン
- サンビスタ
- サナシオン
- ハナズゴール
- ハタノヴァンクール
- アポロマーベリック
- ノーブルミッション
- シゲルスダチ
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