キハ130とは、JR北海道(北海道旅客鉄道)が保有、運用していた気動車の名称である。
概要
JR北海道が運営する路線は、営業区間が長いわりに閑散線区が多く、首都圏のように「面」で乗客を拾うのではなく、「点と点」を結ぶ都市間輸送という形態が多かった。
さらには、当時の路線で主に使用されていたのはキハ40やキハ22といった定員が100名近い車長が20m級の大型車輌であり、単行運転でも輸送力が過剰になるといった面があった。
そこで、更なる運転の合理化と、路線毎の乗客の数と運行する車輌の輸送力バランスの適正化を目的に閑散線区用に車体長16m級の軽量形気動車の導入をすることとした。これがキハ130である。
車輌の仕様はトイレこそ設置されたものの、本州で使用されている軽量形気動車とほぼ変わらないものであった。
その為、車体の薄い鋼板が災いし、主な運用先であった日高本線は海沿いを走る路線のため塩害の影響は深刻であり、さらには耐寒設備が不十分であった(一重窓の採用など、北海道の冬の寒さを考慮しない設計であった。)ため、乗客からは不評の声が上がっていた。
結果、導入から15年と持たずに全車廃車となり、日高本線を走る列車の後を受け継いだのはキハ130が駆逐したはずのキハ40系(350番台)であった。
・・・まさに「鉄道界のスペランカー」とも言える。
なお、ほぼ同型で北海道内陸部を走ったちほく高原鉄道CR70・CR75形は、2006年の同社廃業まで活躍しており、内陸部の路線ならばもうすこし長生き出来たと思える。
余談ではあるが、この系統の軽量形気動車はNDC、またはLE-DC(LightEconomy-DieselCarの略)と呼ぶらしいが、編集者的にはLC-DC(LowCost-DieselCar:安物気動車の略)と呼んだ方がいいような気もするのだが、気のせいだろうか?
JR北海道に与えた影響
キハ130は2度の大きな踏切事故を経験している。
そのうちの一度は車輌の前部を大破し、運転手は両足切断という大怪我を負うというものであった。
この事故が、後年導入されるキハ281系や789系をはじめとする特急形気動車・電車や、731系通勤形電車の設計(高運転台化・前面衝突に備えた衝撃吸収構造の強化)に大きな影響を与えた、と言われている。
そして、2010(平成22)年1月29日に函館本線の深川6号線踏切道において、L特急スーパーカムイ24号(789系特急形電車)が無謀運転の11トンダンプに衝撃し、1~2両目が大破全損、負傷者が多数発生した事故の際、死者や重傷者が出なかったという成果をあげた。
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