ソウル雑踏事故とは、2022年10月29日の夜に、韓国のソウルにある繁華街(梨泰院)で発生した群衆雪崩事故である。
概要
2022年10月29日、韓国のソウルの梨泰院で発生した事故。
2022年12月2日に韓国の行政安全部が発表した資料[1]によれば158人が死亡し、負傷者は196人(うち重傷者31人、軽傷者165人)という大惨事となった。
死亡者には日本人の女性2名が含まれ、他にも外国人が複数含まれている。また、事件後にこの事件に関連して自殺した人物が複数名いる(友人の死亡で心に傷を負っていた人物や、警備体制の不備に関連していた人物など)。
梨泰院という繁華街は日本でいう渋谷のような場所であり、この日はハロウィーンを2日後に控えていたために多くの若者が集まっていた。
事故発生前
2022年10月29日夜。この日は、営業時間などに関する新型コロナウイルス対策の規制が解除されて初めて迎えるハロウィーン前の週末だったこともあり、ソウルの繁華街・梨泰院には10万人を超える民衆が集まったといわれている。
事故の起きた現場は、幅およそ3m、長さおよそ40mの坂がある細い路地であった。事故発生の数時間前の時点で、事故が起きた路地には満員電車を想像するほどの人が密集していた。
事故発生
そして、午後10時15分ごろ、事故は起きた。誰かが転んだ瞬間、群集は雪崩のように一気に転倒した。特に坂の中間付近の、わずかおよそ18平方mの場所には300を超える人が折り重なり、最も死傷者が集中したといわれている。
本記事概要でも述べたように、死者158人、負傷者196人(うち重傷者31人、軽傷者165人)という甚大な被害を出している。
類似例
以上のような悲惨なことが起きてしまったが、同様の群衆雪崩はイベントなどにより人々が密集する場所ならどこでも、例えば東京の渋谷などでも発生しかねないものである。
事実、日本でも似たような事故は過去に何度も起きている。2001年の兵庫県明石市で、花火大会を見に来た見物客が歩道橋の上で転倒し、11人が死亡し247人が負傷した「明石花火大会歩道橋事故」や、1956年の新潟県西蒲原郡弥彦村で弥彦神社に初もうでに来た客が餅まきに殺到、玉垣が崩れて将棋倒しになり、 124人もの死者を出した「弥彦事件」がある。
世界に目を向ければ、2015年にサウジアラビアのメッカ近郊で巡礼に訪れていた群衆が群衆雪崩を起こして2400名以上が死亡[2]した「メナー群衆事故」などがある。
今回起きた事故は世界中の人々にとっても対岸の火事ではなく、適切な対策を講じなければ身近なところで類似の事故が起きてもおかしくない性質のものであると言えるだろう。
参考記事
- 韓国・ソウル雑踏事故で中国人死傷、中国外交部が緊急対応
- 韓国雑踏事故 なぜ大惨事が起きたのか
- ソウル雑踏事故、映像や目撃証言集め分析…「誰かが押した」証言多く意図的かが焦点
- 梨泰院雑踏事故:数時間前も同じ状況に…「下って!」女性の呼び掛けに群衆が協力、事故回避
- ソウル雑踏事故の死者 20代が102人=多数はソウル在住者
関連項目
脚注
- *서울 이태원 사고 대처상황보고서(12.2. 18:00) | 행정안전부> 업무안내> 장차관직속> 안전관리일일상황(ソウル梨泰院事故対処状況報告書(12.2. 18:00)| 行政安全部 > 業務案内 > 長次官直属 > 安全管理日常状況)
- *AP count: Over 2,400 killed in Saudi hajj stampede, crush | AP News
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