拝とは、頭を下げて敬礼するというような意味の漢字である。また以下のことを表す。
人名
漢字として
拜
- Unicode
- U+62DC
- JIS X 0213
- 1-57-33
- 部首
- 手部
- 画数
- 9画
- 意味
- 頭を下げる礼をする、おがむ、感謝の意を表する、(偉い人に)会う、(偉い人から)もらう・受ける、官位を授ける・授かる、(草花を)抜く。行為を表す語の前について謙譲の意を表す。
- 字形
- 拝は新字体。旧字体は拜。〔説文解字〕の本字は𢳎で、その異体字として拜が載っている。
- 拝(拜、𢳎)の字源については諸説ある。
- 𢳎について〔説文解字・巻十二〕は、「首、地に至るなり。手、𠦪に从ふ」としていて、頭を地につけてする礼のこととしている。
- 呉大澂は、𠦪は草花のことで、𢳎の初義は草花を抜く意味であるという。草花を抜く姿がお辞儀に似ていることから、礼をする意味となったとする。草花を抜く意味での例として、〔詩経・召南・甘棠〕に「蔽芾たる甘棠、翦ること勿(なか)れ拜(ぬ)くこと勿れ」がある。ちなみに華は、𠦪に草冠をつけた字である。
- ほかには、〔説文〕では楊雄の説として「拜、兩手の下るに从ふ」を引用する。拜は手+手+下の会意で、両手を下げて礼をする意味としている。
- 音訓
- 音読みはハイ(漢音、呉音)、訓読みは、おがむ、ぬく、うける。
- 規格・区分
- 拝は常用漢字であり、小学校6年で習う教育漢字である。JIS X 0213第一水準。1946年に当用漢字に採用され、1981年に常用漢字になった。
- 語彙
- 拝謁・拝賀・拝観・拝外・拝官・拝顔・拝啓・拝見・拝借・拝塵・拝呈・拝読・拝復・拝命・拝領・拝礼
異体字
- 拜は旧字体で人名用漢字である。JIS X 0213第二水準。2004年に人名用漢字に採用された。
- 𢳎は、〔説文〕の本字。
- 𣬓は、〔説文〕に「古文の拜」、〔五音篇海〕に「古文拜字」とある異体字。
- 𣬊は、〔集韻〕に「古、𣬊と作す」とある異体字。
- 𢰛は、〔集韻〕に「古、𢰛と作す」とある異体字。
- 𡴬は、〔集韻〕に「古、𡴬と作す」、〔字彙補〕に「古文拜字。〔六書精蘊〕𢫶と作す」とある異体字。
- 𢴽は、〔五音篇海〕〔字彙補〕に「古文拜字」とある異体字。
- 𢫶は、〔正字通〕に「拜本字」とある異体字。〔段注本〕は楊雄説の「兩手の下るに从ふ」字をこの字形としている。
- 𢷎は、〔康煕字典〕に「𢳎本字」とある異体字。
- 𢱭は、〔康煕字典〕に「𢳎字、譌して省す」とある異体字。
- 𢹄は、〔字彙補〕に「古文拜字」とある異体字。
- 𢮠は、〔字彙補〕に「古文拜字」とある異体字。
- 𨀲は、〔字彙補〕に「音義、拜と同じ。亦た𨀪と作す」とある異体字。
- 𨀪は、〔康煕字典〕に「按ずるに卽ち俗拜字」とある異体字。
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