権藤正利単語

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権藤正利（ごんどう まさとし）とは、元プロ野球選手である。

概要

1934年5月1日生まれ。佐賀県鳥栖市出身。

幼少期に竹とんぼを作成していた際に左手人差し指の先端を切り落としてしまい、更に数年後に小児麻痺を患い一時左半身不随になってしまうなど少年時代は度重なる不運に見舞われたが、これらの障害を乗り越え野球をプレーできるまでに回復。

柳川商業高等学校に進学。エースとして活躍し、3年時に九州大会で優勝したものの、夏の大会では準々決勝で敗退し甲子園大会には縁がなかった。

1953年、大洋松竹ロビンスに入団。

初年度の1953年から先発として登板機会を得て、15勝12敗、防御率2.77という好成績を残し、新人王に選出された。

1954年、エースとして安定感を発揮し、オールスターゲームにも初出場。最終的には11勝20敗と大きく負け越しはしたが、防御率は2.83という数字を残した。

1955年、スタミナ不足が露見したことに加え、味方の拙守・拙攻にも泣かされ3勝を挙げて以降同シーズン全敗。3勝21敗で最多敗戦投手となってしまう。翌1956年、20試合に登板するも0勝13敗でシーズン全敗というまさかの成績に終わる。

このとき権藤は「何を投げても打たれる」という投球恐怖症のような状態となってしまい、首脳陣に打者転向を申し出るほど自信を喪失していたという。

1957年、6月上旬の阪神タイガース戦で敗戦投手となり、この時点で0勝7敗・連敗記録は28まで伸びてしまっていた。しかし、7月の読売ジャイアンツ戦で自身のタイムリーもあり完封勝利を挙げ、不名誉な連敗記録をようやく止めると復調。最終的には12勝17敗、防御率2.74という成績を残した。

1958年、再びスランプに陥り、3勝11敗と低迷。1959年はわずか3試合に登板に終わり、またしても自信を喪失し引退を表明するも、新監督に就任した三原脩の説得もあり引退を取り下げた。

1960年、三原監督は権藤にカーブ(ドロップ)を徹底的に鍛えることを命じ、リリーフへ転向させた。これが見事にはまり、12勝5敗と新人時代以来の勝ち越し、防御率も1.42と抜群の安定感で大洋初のセ・リーグ制覇・日本一に大きく貢献した。

以降もリリーフとして活躍し、1962年にはオールスターゲームにも出場したが、1963年1勝に終わり、東映フライヤーズへ移籍。東映では1964年の1シーズンのみ過ごし、主にリリーフとして25試合登板で1勝1敗、防御率2.25という成績であった。

1965年、阪神タイガースへ移籍。

阪神でもリリーフ中心に起用され、1967年には9勝6敗、防御率1.40という成績で最優秀防御率のタイトルを獲得。1968年にはオールスターゲームにも出場。1969年には10勝4敗で久しぶりの二桁勝利到達。

その後もリリーフとして阪神投手陣を支えたが、1973年、パチンコの景品としてもらったタバコを合宿所に持ち帰った際、それを見かけた金田正泰監督から「猿でもタバコ吸うんか?」と容姿を揶揄するような一言をかけられ、怒りを覚える。これがきっかけとなり金田との間に確執が生まれ、シーズン終了後に仲の良かった江夏豊に「もう我慢できない」と打ち明け、江夏に金田と一対一での話し合いの場を設けてもらったが金田から謝罪がなかったため、金田を殴打した。

この事件によりセ・リーグから厳重戒告処分、球団からは謹慎処分が下されたが、権藤本人は既に引退を決意していた。その後、球団から自由契約を言い渡され、そのまま現役を引退した(ちなみに実働20年の連盟表彰を捨ててまでの行為であった。また江夏は場を設け、人が来ないようドアの前に立ち様子を伺っていただけなので特に処分は無かった)。

引退後、実家の酒屋を継いだが1987年に倒産しているようである。

人物・エピソード

縦に大きく割れるようなカーブを武器に奪三振を量産した左腕。一方で制球面にやや難があり、与四死球や暴投数はやや多めである。またスタミナ面にも難があったが、これは元々胃下垂という体質的な問題が由来であった。

連敗記録を止めた際には、大洋の選手たちから胴上げされ祝福された。

長島茂雄がプロ入り初本塁打を放った相手投手でもある。

性格面では誠実で温厚な性格として知られたが、やや繊細な面も持ち合わせていたようである。

通算成績

投手成績

通算:21年	登板	完投	完封	勝利	敗戦	セーブ	ホールド	勝率	投球回	与四球	奪三振	失点	自責点	防御率
NPB	719	84	5	117	154	---	---	.432	2513.0	1019	1943	982	775	2.78

主な獲得タイトル・記録

• 新人王（1953年）
• 最優秀防御率：1回（1967年）
• 28連敗　※責任投手として28試合連続で敗戦投手、NPB記録

関連項目

• プロ野球
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• 東映フライヤーズ
• 阪神タイガース
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