Adobe Premiere Elementsとは、アドビシステムズが販売している動画編集ソフトウェアである。Adobe Premiere Proの廉価版に相当する。Adobe社での略称は「PRE」。「PE」と呼ばれることも。
概要
最新バージョンは10.0(2011年10月14日リリース)。
Premiere Proは(最新のCS5は)64bit専用アプリケーションで、Windows Vistaもしくは7のみの動作となっているが、PREも最新の10.0ではWindows7のみ64bitアプリケーションに対応した。ネイティブ対応はPRE Editor部分のみである。
なお、PRE10はwindows32bit、windows64bit、mac、付録*2の5枚組となっている。
32bit版はXPのSP3以降対応となっている。また9.0からMac OS Xにも対応している。
アドビストア価格は通常版が14,490円、乗換え・アップグレード版は10,290円、アカデミック版は7,140円。Photoshop Elementsとのセットは通常版が20,790円で乗換え・アップグレード版が15,540円、アカデミック版が10,290円。
1万円台で購入が可能ながら、ビデオ、オーディオを各99トラックまで配置可能なのが強み。エフェクト、トランジションなどの画面効果やオーディオエフェクトも豊富。Photoshop Elementsとも連携でき、クロマキーやビデオマージなどのエフェクトによりブル-バック素材も扱いやすい。フレーム単位で素材を細かく扱う操作にも長けており、慣れとセンス次第でかなり凝った作品が制作可能。ただ、ニコニコ動画用の動画を綺麗に出力するには多少の手順が必要。
バージョン7.0までは(動画編集ソフトとしては)安定性もあり、個人向け動画編集ソフトの代表格の1つであったが、2009年10月にリリースされた8.0が多くの不具合を抱え、人によっては起動すらままならないと言う有様で、評判がガタ落ちしてしまった。
バージョン8.0は最終的にPREでは異例とも言える不具合対応のアップデートが行われた。安定性が全く変わってくるので、8.0はインストール直後のアップデート必須である。(メニューバーの「ヘルプ」→「アップデート」)
バージョン9.0は地雷と呼ばれるほどの不具合はないが、8.0に比べ動作が重い。
あれこれ
- マシンスペックはリリース当時の平均以上の性能が要求される。もし最新版を導入するのであれば、なるべくならcore i7のCPU。メモリーは4GB以上、ハードディスクも数百GBの空きは欲しい。多いに越したことはない。また、特に8.0以降「最新版のドライバー」を備えたグラフィックカードも必要。PREに限らず、動画編集ソフトにはマシンやユーザとの相性があるため、購入前には体験版の試用を薦めたい。
- ニコ動の動画サイズにぴったり合う解像度やフレーム数の設定ファイル(プリセット)はない。PRE単体では制作出来ず、また動画制作中にこれらを変更することも出来ない。Premiere Proで制作・変更するか、プリセットを作れる外部サイトのお世話になるなどしてあらかじめ用意しておくのが望ましい。ただし出力サイズは設定可能であるため、16:9であれば1280×720などで制作して640×360で出力すればどうにかなるかも。
- mpegやH264、MP4素材は大抵読みこめる。swfはニコニコムービーメーカー制作であれば映像のみ読み込める。しかしFLVはそのままでは読み込めないため、aviなどに変換してから読み込む必要がある。
- 動画の可逆圧縮コーデック「Huffyuv」および汎用性の高いコーデックパック「ffdshow」との相性は良くない。そのためffdshowでは、Adobe Premiere Elements.exeをビデオデコーダーの設定で除外対象にするとよい。
- 出力の際はいったん無圧縮aviとして出力(「非圧縮AVI」ではなく「Microsoft AVI」→「None」)、その後、つんでれんこ・ニコエンコ・X264などでニコニコ動画対応のエンコードをするのが良いとされる。ただし無圧縮aviはファイルサイズが非常に大きくなるため(2分で1GBを超えることも)、UT Video codecなど可逆圧縮のコーデックを試すのも一つの手段。
- Premiere Pro用・After Effect用プラグインの一部が利用可能。ただし動作しないものや、起動しただけでソフトが強制終了になってしまう(入れてはいけない)プラグインもあるため、事前に情報を得てから使用を試みるのが望ましい。
- あまり知られていないが、Premiere Elements4.0以降からPremiere Proへのアップグレードが可能。ただし販売はアドビストアのみで84,735円。アドビストアの通常版と比べればおよそ1万4千円安いが、amazonで通常版を買った方が安い。
関連動画
ニコマスPを中心にチュートリアル動画がいくつかアップされている。
バージョンごとに紹介しているが、各バージョンで基本的な機能や操作感はあまり変わらないため、
新機能紹介がメインの動画でない限りバージョンの違いはあまり気にしなくてよい。
関連商品
関連リンク
フリーのプラグインはいずれも動作保証はないので、初心者には非推奨。関連動画をチェックし、動かなくても泣かない姿勢でご利用ください。
- Adobe Premiere Elements
- 9.0無償体験版ダウンロード(体験版では画面や出力される動画のまん中に帯が入る。)
- 8.0アップデート(メニューバーの「ヘルプ」→「アップデート」)
- preperset GENERATOR(プリセットを作成可能なサイト)
- Pre-ing(入門~中級レベルに対応したチュートリアルサイト)
- Burgers Tranditiion(フリーのトランジション。本来Video Studio向けであり、PREは正式には対象ではない。01、06、10、11、13、16~19、21~24以外は落ちる。)
- Peter's Plugin(After Effects Pluginが一部エフェクトとして利用可能。パラメータをいじると動かないものも。)
- debugmode WAX(フリーの画面効果をたくさん入れられるソフト。プラグインとしてVegasやPremiereとの連携が可能。追加で入れられるエフェクトやトランジションが大変魅力的で、パーティクルを飛ばすことも可能になる。メモリはGB単位で消費するし、マシンスペックもかなり必要。)
- 演算合成プラグイン・画像拡散プラグイン(アイマスMAD/PV制作TIPSまとめwikiより。動作確認は4.0以前のみなので7.0以降は各自で要確認)
関連項目
- Adobe Premiere
- Adobe After Effects
- Adobe Photoshop
- Adobe Systems
- 動画編集ソフトウェア
- SONY Vegas(近い価格帯の動画編集ソフト)
- VideoStudio(同)
- EDIUS Neo(同)
- Final cut Express(同)
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