まるで将棋だなとは、相手の魔力を吸収することができる敵をあまりにも的確に表した表現である。
まるで概要だな
アニメ『異世界はスマートフォンとともに。』第3話のセリフ。
主人公・望月冬夜は、魔力を無限に吸収・再生し、こちらの魔法が効かない敵に言い放った。
「僕達の魔力を奪って再生か……フッ……まるで将棋だな」
この極めて的確な洞察が、敵の攻略法に気付くきっかけとなった。
「そうか……『王』を取れば!」
コメントは大量の「は?」で溢れた。
まるで補足だな
将棋は奪った相手の駒を使うことができるため、相手の力を吸収して回復という点が将棋に似ているというのは必ずしも間違いではない。
しかし、Aパートにあった将棋のくだりを強引にこじつけたようにしか見えず、かなり不自然な印象を受けた視聴者は多いことだろう。
少なくともWeb版原作においては、前述の敵の攻略に将棋を結び付けた描写は存在しない。将棋もこの敵も、同じ章内の各話で独立したネタであったことから、アニメ制作に際してシナリオが編集されたものと推測される。
そもそも、魔力を吸収する、再生する、という二つの特性を併せ持ってはいるが、吸収した魔力を再生に利用している描写は見受けられないのだが(最初に起動するトリガーにはなったようではあるが)。
また、本作の放映開始の2週間ほど前に藤井聡太四段(当時)が公式戦29連勝を達成するなど、当時は将棋ブームの真っ最中の時期であり、流行に安易に乗っかった(ように見えた)こともネタとして定着する要因となったと思われる。
なお、3話の脚本を書いた高橋ナツコは、以前原作つきアニメの製作時に、本作と似たような脚本で内部告発を受けたことがある。
まあ、 そんな点も含めて楽しんだ人の勝ちである。
楽しもう。
ちなみにこの第3話、『異世界はスマートフォンとともに。』全体に言えることだが、カットミスにも見える演出があったりと全体的にツッコミどころ満載。胸(肩?)を刺され大量に出血したヒロインが元気に走り回る姿を見ることができる。
なお原作の描写は、「右肩に深々と突き刺さった」「追撃から後方に飛び逃れた」の記述のみ。それなりの戦闘経験や痛みに強がるガッツはある為、火事場力と納得できなくもない。
また、残念ながら?原作にこのセリフはない。
ちなみに、魔法が効かない敵のコアを魔法で奪えた理由は、魔力を吸収する性質を持つのは敵の外殻部分だけであり、アポーツは対象(この場合は敵のコア)に直接作用する魔法なので外殻の影響を受けなかったというものである。本作にはこういった「理屈でルールの穴をすり抜ける」シーンが結構多いのだが、アニメ版ではその理屈をロクに説明していないため「は?」となってしまうのである。
現在では、(いい意味かはともかく)あまりに広まってしまったためか、原作の用法と違うものの、将棋関係の話でたまにこの台詞が飛び出すことがある。
まるで警告だな
関係ない動画で「まるで将棋だな」とコメントするのは、本当にまるで将棋なとき以外は控えましょう。
ネタを知らない人は「は?」ってなるだけです。
初めてこのセリフを聞いたときの感情を思い出してください。それです。
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まるで関連項目だな
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