ウィル・メイヤーとは、銀河英雄伝説の登場人物であり、作中の時代に数多存在するであろうありふれている悲惨な事実を象徴するキャラクターである。付随して(というよりそちらが主眼であるが)彼の祖母についても当記事で触れる
宇宙暦796年時点で五、六歳の少年。父を戦争で失っており、軍人になってその仇をとりたいと願っている、と、彼の祖母は語るが、彼は臆病そうに祖母の服にしがみつきながらヤンを見ていて一言も発しないので、本心かどうか不明
作中では「メイヤー夫人」と書かれている。上品そうな老婦人であるが、夫も息子も帝国との戦争で名誉の戦死を遂げており、その悲しみを帝国への怒りという形で表現している。
そのため、ただ二個艦隊壊滅という惨敗から民衆の目をそらすために、アスターテの英雄として持ち上げられただけのインスタント英雄ヤンの武勲ニュースに感激したようで、その顔をよく記憶しており、偶然会えたことを「望外の喜び」と表現した。
孫の将来の励みになると思い、ウィルをヤンと握手させようとしたが、ウィルが自分の服にしがみついて離れないので「そんなことで勇敢な軍人になれると思うの」と叱った。
ヤンはこの一家たいしてどういう表情をしているのか自信が持てず、また色々な感情からメイヤー夫人を直視することもできず、「ウィル坊やが成人する頃には平和な時代になっていますよ。無理に軍人になる必要はなくなるでしょう……坊や、元気で」と語って、そそくさと逃亡することを選んだ。
たしかに大多数の戦争であればヤンのいう通りなのだろうが、あのオリビエ・ポプランも銀河帝国亡命政府樹立の報道を見て、なんのために自分たちは曽祖父の世代から戦争を続けてきたんだと思わず激昂したように、同盟と帝国の戦争は異常なほど長く続きすぎているのである。
なのでメイヤー夫人など一般の同盟人からすれば、自分が生まれた頃にはすでに起きていた戦争で、自分たちの代はおろか息子の代になっても終わる気配が見えない泥沼の戦争なのである。
良き人を失った悲しみから、ジェシカ・エドワーズのように戦争を終わらせようと反戦活動をする者達がいるいっぽうで、帝国を憎むことしかできなくなった者達も存在し、それがヨブ・トリューニヒトをはじめ、主戦派政治家たちの支持に繋がっているという単純なようで複雑な側面もたしかにあるのである。
そして結局、この泥沼じみた状況は、帝国にラインハルト・フォン・ローエングラムという人物が台頭してきて、帝国の旧弊を破壊して人類社会全域を武力によって征服するまで打破されることはなかったのである。
掲示板
5 ななしのよっしん
2019/10/22(火) 20:32:07 ID: wZbFP7YwfK
後方の星系にも兵隊帰りの民間人けっこういるんじゃないかな
スタジアム事件の時に兵士から奪った銃を普通に扱ってる民間人がアニメにいたが
兵隊時代に訓練受けてたり実戦経験があるからかなあと
6 ななしのよっしん
2019/12/15(日) 17:18:34 ID: MCtlizQcbw
>>1
フジリュー版のキャラ改変は以前は好意的に見ていたのだがメイヤー夫人以降は微妙に思うことが多くなったな・・・
7 ななしのよっしん
2019/12/19(木) 00:50:26 ID: VshHdhdYFU
>>5
そうだろうけど、戦争の悲惨さそのものを認識している人は兵役帰りでもごく少数なんじゃないか?
アニメの銀英伝の描写見ると敵の攻撃をくらった艦はだいたい一撃で粉砕しているし石黒版のバーミリオン会戦でのグロ描写のような惨劇を間近で見て生きて伝えた人がたくさんいたとは考えづらい
そのせいで戦争はいけないという考えが根付きにくかったんじゃないかと思う
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最終更新:2024/05/01(水) 02:00
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