ゴルギアス(Gorgias、紀元前487年~紀元前376年)とは、古代ギリシアの哲学者である。「ソフィスト」とも呼ばれる。
シチリアのレオンティノイ(現レンティーニ)に生まれる。エンペドクレスの弟子であったとされる。
紀元前427年に使節団を率いてアテナイに派遣される。アテナイで弁舌を振るい、人気を博した。
ゴルギアスの思想を述べた本『非存在、もしくは自然について』は現存せず、セクストス・エンペイリコスの『数学者に対して』にその一部が引用で残っているのみである。
まず、1番については次のような論証がされている。
この論証は、パルメニデスが「あるものはある、ないものはない」と主張した存在論と非常によく似ている。そして、パルメニデスとは真逆の結論を導いている点が特徴的である。
次に2番の論証である。
少し分かりにくい論証だが、上記の論証により二つの可能性が棄却され、「存在するものは思考することができない」の可能性だけが残ることが分かる。
この論証も、パルメニデスの「思考できるものと存在するものは同一である」という議論と真逆の結論である。
次に3番の論証である。
この論証は、存在=クオリア、言論=色や匂い、と置き換えると、「クオリアの伝達」という現代でも解決困難な問題に繋がっている。
以上の主張から、ゴルギアスは相対主義・懐疑論の祖ともいわれる(ゴルギアスの議論を踏まえ、懐疑論を体系化したのは後世のピュロンである)。
ゴルギアスはプロタゴラス同様、プラトンに「詭弁家」と非難され、対話篇『ゴルギアス』において論駁の対象となった。
しかし、ゴルギアスは、パルメニデスと真逆の結論を導くことによってどちらにも証明ができることを示したという点で、後のカントの「アンチノミー」を先取りしているともいわれる。
ゴルギアスはレトリックの大家でもあり、『パラメデスの弁明』や『ヘレネ頌』では、レトリックや弁論術の重要性について論じている。
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最終更新:2024/05/05(日) 03:00
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