ハードコアテクノ (Hardcore techno)は、「ハードコア」としてオランダの人々に知られており、1990年代初めから半ばにかけてオランダのロッテルダム、アメリカのニューヨーク、オーストラリアのニューキャッスルなど多数の場所で出現したエレクトロニック・ダンス・ミュージックの一つである。
ハードコア・パンクやハードコア・ヒップホップと区別するためにハードコアテクノと呼ばれるようになった。
四つ打ちを基本とし高速なテンポ(140-300BPM。時にはそれ以上)と、主張が強いビート、大胆かつリズミカルなサンプリングが特徴。
現在ハードコアテクノをはじめとする電子音楽はミュージックシーケンサーを用いて作成される事が一般的であるが、以前はMODトラッカーによりパソコンで作成されていたものも多かった。その手法は、用意された素材や既存の音楽・時にはアンダーグラウンドなカルチャーからのサンプリングや、シンセサイザーによる音作りとその演奏、ディストーション等によるそれらの加工など、様々である。ハードコアテクノのアーティスト達は、時に従来の音楽文化を度外視する前衛的なジャンルのひとつとして、コンピュータの持つ幅広い可能性を活用し、それぞれが形にとらわれない独自の作曲手法を考案し続けている。
ハードコアテクノは進化し続け、新しいスタイルが次々と出現し、よりポップに・あるいはよりコアになるにつれ様々な層の支持者を増やしていった。洗練され成長していくにつれ細分化されていき、それぞれに特徴が明確となって他の派生ジャンルとは明らかに異質なものへと進化していった。
今日ではハードコアテクノが発生して黎明期にあった90年代初期に作成された曲を指す言葉として広く知られている。けたたましいピアノロールと跳ねるようなベースライン、ブレイクビーツとチープ女性ボーカルの多用など、いわゆる「レイヴ」に通ずる特徴を持つ。日本国内ではジュリテク、デステクノなどの名称で流通した。
アムステルダム中心の音楽シーンへのカウンターとして生まれたガバの原型。歪んだバスドラムと下品でイリーガルなサンプリングが特徴的。国内ではロッテルダムテクノの名で広く知られている。
140BPM以上の高速な、アーリーレイヴから派生したハードコア。従来のものと比べよりハードコアとして洗練され、音数は少なくストイックなものへと変化している。今日において多く存在するハードコアテクノの基盤ともいえるジャンルである。ハッピーハードコアの要素を逆輸入し派生したハッピーガバなるジャンルも存在する。
オールドスクールレイブにおけるジャングル寄りの流派のひとつが、ガバの音楽性を吸収することで独自に成長を遂げ誕生したジャンル。高速なテンポにメロディアスなシンセリフが大きな特徴。「ハッピー」の名を冠しているのは「頭を空っぽにして踊ろう」という発露であり、必ずしもメロディやコードワークが明るくポップである必要は無い。
トランスのテンポを単純にタイムストレッチし高速化してプレイしたことから発生したスタイル。やがてハッピーハードコアを中心に他の様々なジャンルの要素を吸収し、トランスの持つメロディアスさとハードコアを両立したひとつのジャンルとして確立した。シーンの変化に伴いフリーフォーム・UKハードコアにそれぞれ吸収されており、近今ではトランスコアという通り名が使われる事は少ない。
元々はハードトランス/ハードエナジーから派生したジャンルであり、トランスコアの一種として広く知られていた。特徴的かつ伝統的なアシッドラインに加え、しばしばトランスらしいローリングベースやスーパーソウも用いられる。ムーブメントに逆らった独自の形態をとる傾向があり、その中でも大きく分けてハッピーハードコア/UKハードコア的解釈である「UK系」と、ハードトランス/ハードエナジー的解釈である「FIN系」という二つの派閥が存在する。
主なアーティストはKevin Energy, DJ Sharkey, Alek Szahala, Carbon Basedなど。
トランスコア、フリーフォームハードコアなどを経て、クラブミュージックシーンの変化に伴い主にトランス方面の音楽性を吸収して生まれたハッピーハードコアの派生。その形態は多岐にわたり、ハードトランス・トランスコアの正統進化系とも言えるようなものから、2010年代ではダブステップ・ドラムステップ等に影響を受け、ベースラインや変則リズムなどを前面に押し出した個性的なものまで存在する。それらはDubcore、国内では「変態UK」などとも呼ばれている。
主なアーティストはGammer, Orbit 1など。国内では、DJ Shimamura, DJ Norikenなど。
高速かつ攻撃的なガバキックが特徴的な、ハードコアテクノの中でもより人を選ぶ激しいジャンル。特に200〜400BPMから、中には更に高速なスプリッターコアや、エクストラトーンと呼ばれる1000BPMに至るものまで存在する。
主なアーティストはDelta 9, Komplexなど。国内では、m1dy, t+pazoliteなど。
ビートが高速化しすぎたガバ/スピードコアシーンへのカウンターとして発生したハードコアテクノ。ダンスミュージックとしての実用性を重視し、とにかくキックのアタック感・重量感が強調される。そのため、140〜170程度のBPMで、音数は非常に少なくまとめられており、代わりにブレイクは、映画音楽のようなオーケストラ等を用いて壮大なものに仕上げられているトラックも多い。特に最近主流である非常に特徴的な歪み方をしているキックを用いたものはメインストリームハードコア(Mainstream Hardcore)と呼ばれる。
主なアーティストはArt Of Fighters, Angerfistなど。国内では、DJ Myosuke, RoughSketch, Noizenecioなど。
ハードコアテクノをブロークンビーツ/ドリルンベースやIDM的に解釈したアプローチの音楽。細かく分解・再構築された複雑なリズムで鳴らされる激しく歪んだブレイクビーツが大きな特徴。イリーガルなサンプリングのスタイルなどはガバ/アーリーレイヴからの直系である。ヴェネチアン・スネアズなどが有名。
ベースと一体化した特徴的なキックを用いる、ガバともUKハードコアともつかない独特なジャンル。フランスではハードテックやteknoとも呼ばれる。さらにストイックな方向性に変貌を遂げたトライブ(Tribecore)などの派生ジャンルも存在する。
主なアーティストはTHE SPEED FREAK, Pattern Jなど。国内では、USAO, Dustboxxxxなど。
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最終更新:2024/05/10(金) 09:00
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