マルダーとは、戦後西ドイツ連邦軍が作りだした歩兵戦闘車である。
バージョンアップを繰り返してマルダー3まで作ったが、現在では後継のプーマが誕生。徐々に数を減らしている。
戦後、NATOへの加盟と同時に再軍備を果たした西ドイツではあるが、NATOの防衛方針を聞いて愕然とする。
西ドイツ「東ドイツからソ連が攻めて来た時どうするの?」
フランス「ドイツ領内で遅滞戦闘(ホジホジ)」
西ドイツ「え?」
フランス「ドイツ領内で遅滞戦闘(ホジホジ)あ、核兵器使わないとスチームローラー止めれないのでよろしく^^」
さすがに西ドイツがブチギレしたので防衛線をドイツ領内→エルベ川まで東進させる事にしたのだが、かと言ってワルシャワ条約機構軍のスチームローラーをどう止めるか、という問題は残った。幸いにも、前大戦でSd.Kfz251に搭乗した装甲擲弾兵と戦車部隊による機動防御の経験を持つ西ドイツ連邦軍は、起こるであろう第3次世界大戦も同じように戦車と装甲車に搭乗した歩兵で機動防御を行い、スチームローラーの勢いを削いでNATO軍の反撃を有利にする方針を固め、それに沿って兵器開発を進めていくことになる。
と言ってもそこは前大戦を引き起こした&強力な兵器をバンバン投入しまくった前科があるのでおいそれと自主開発が出来る訳でもなく、外国の車両を導入する事とした。
この時に導入されたのが、スイス/イスパノイザ社製のHS30である。
が、軽戦車レベルの車体に歩兵6人が押し込まれ、20mm機関砲塔まで付いてくる極悪環境その他モロモロの欠陥が発覚して早々に調達数の削減が決定、折しも自主開発が解禁された事から西ドイツ連邦軍は1からの開発に舵を切る。
こうして誕生した歩兵戦闘車がマルダーである。
当時は核爆弾が炸裂する中や汚染地帯での戦闘が真剣に検討されていた時代であり、NBC防護がもちろんの事、乗車戦闘を可能とするガンポートや、洗浄を素早く行える角ばった車体などに反映されている。
大戦末期にSd.Kfz.251/17(2cm機関砲KwK38搭載型)やSd.Kfz.251/21(MG151 3連装砲塔搭載型)を運用していたドイツ軍らしく、武装にオーバーヘッド型20mm機関砲を搭載し、車体後部にはMG3のリモコン機銃座を設置するなどかなりの重武装&火力主義である。
車体の材質は、実は防弾鋼板であり、諸外国のようにアルミなどと言うヤワな材料は使用していない。(代わりに浮航能力はあきらめた。)
機動能力も良好で、レオパルト1と共にエルベ川東岸で機動戦を仕掛けられるだけの速度が出せた。
こうして完成したマルダーではあるが、永遠のライバルソ連がBMP-1を開発した事を受けてすぐに改良が始まる。
この改良はマルダーに対戦車能力を付与する事を主眼として、ミラン対戦車ミサイルを発射できるように砲塔キューポラに支持架を取り付けた…のが主な内容である。ハイそこ砲手が扱えないとか言わない!
実は小型軽量なオーバーヘッドマウントの砲塔を採用したのは良いのだが、小型すぎて拡張性が無く、対戦車ミサイルの発射装置を組み込もうとすると新規設計→時間がかかる為、手っ取り早く済ます為に車長キューポラからミラン対戦車ミサイルを発射できるようにしたのだ。このミラン対戦車ミサイルは命中まで射手が誘導する必要がある。車長ハッチから上半身むき出しで。
こうして対戦車ミサイルの運用能力を(曲がりなりにも)獲得したマルダーは冷戦期の西ドイツ連邦軍を支える主要車両となった。
その後は数々の大きなアップデート(とドイツ軍特有の後ろに細かい分類がどんどん付与されて行く小さい更新)が行われ、車体機器と武装の強化を行ったA1、暗視サイトの変更と車体後部のリモート機銃の撤去を行ったA2、防御能力向上の為に増加装甲とスペースドアーマーを付けたA3が誕生した。
その間に相棒の戦車もレオパルト2に更新されながらもがんばり続けていたが、後継のプーマ歩兵戦闘車の登場により置き換えが開始されている。
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最終更新:2024/05/03(金) 09:00
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