平岡大輔とは、テレビアニメ『SHIROBAKO』の登場人物である。CVは小林裕介。
『えくそだすっ!』終了間もない、年明けの武蔵野アニメーションに中途採用で入社した制作進行。5年目でムサニが5社目。(所属スタジオは順に、スタジオあみん→ルーインフィルム→鬼門プロ→チャペック)
実は矢野エリカとは専門学校の同期。
無気力そうな目つきと喋り方が特徴で、アンダーフレームの眼鏡をかけている。
一人暮らしで、ケメコという名の猫を世話している(飼い猫か野良猫かは不明)。
仕事は速い。また自分でも長所に挙げた通り顔が広く、人脈は2年目で初デスクの宮森を圧倒する。
だがしかし、以下に述べる二つの欠点が悪目立ちし、SHIROBAKO2クール目の憎まれ役を茶沢編集と二分した。
タローの評価が相対的に上昇するという二次効果も生み出した。
このようなやり方は一概に間違いとも言い切れない(いくらクオリティが高くても放送日に間に合わなかったら大惨事)が、少なくともムサニの気風には全く合っておらず、平岡への現場からの評判はタローと並んで最低だった。
ここから先は20話以降のネタバレが含まれます。
挙句の果てに20話で、設定制作をこなしつつ生き生きとライター修行に勤しむディーゼルさんに
「いいよな女は。おっさんにちょっといい顔すれば何でもやらせて貰えるし何でも思い通りになるもんな」
と暴言を吐き、また、演出の円と口論からの大喧嘩をやらかした平岡。
(興津さんが止めなければタローが大怪我していた)
さらに21話では、仕事の雑さに耐えかねた『三女』12話作監の瀬川さんから厳重なクレームを受け、12話の制作担当を降ろされそうになる。
しかし、彼は最初からこんな歪んだ人物だったわけではなかった。
専門学校時代の平岡は、真面目でリーダーシップがあり、将来作りたいアニメへの理想に燃える熱い青年だった。
(本人曰く、夢は「アニメ作品で初めてカンヌ国際映画祭の『ある視点』部門賞と国際批評家連盟賞を獲ること」 )
だがその後、制作進行としてアニメ業界に入った平岡を待っていた現実は、中々カットを上げてくれず、早く上げたと思えば露骨に手を抜いてくるアニメーターと、仕事の遅さを詰り、責任を押し付けてくるデスクとの板挟みだった。
(この頃、『三女』原作者の初アニメ化作『セーラー服とF3』のグロス請けを担当した。同アニメは酷い原作レイプだった模様)
理想と現実のギャップに打ちのめされた平岡はいつしか「アニメなんて上がりゃいいんだよ」と諦めるようになってしまった。だがそれでも彼は業界を去ることはなく、会社を転々としながら制作進行を5年続けている。20話で丸川社長に指摘されたように、本当は自分の振る舞いに後ろめたさを感じていたのだろうか。「まだ夢を諦めていない」宮森達に辛く当たったのはそれが原因だろうか。
筆者が思うに、平岡と宮森との違いは、周囲の助けの有無だけだったのかもしれない。
かつての平岡には、親身になって相談に乗ってくれる上司も、羊羹と的確な手助けをくれる先輩も、飲み屋で愚痴を聞いてくれる同僚も存在しなかったのだ。
作監からのクレームを聞いた平岡は「嫌なら降ろせ」と言う態度を取るが、平岡と同期の矢野先輩やACツチノコ(『三女』10話グロス担当)の磯川社長から彼の話を聞いた宮森は、担当を続投させ、もっとアニメーターと意思疎通をするよう平岡に告げた(その上で瀬川さんも仕事状況の改善を条件に説得した)
宮森に切られなかったことと、タローに無理矢理飲みに付き合わされた先で過去の辛い経験を聞いて貰えたことが原因か、その後の平岡の態度は以前に比べて軟化した。
相変わらず無気力そうにしながらも、朝礼には出席し、アニメーターと丁寧に話をして、後輩の仕事を何も言わずに手伝う平岡を14話の頃に想像できただろうか。
平岡がかつての情熱を取り戻せたかどうかはわからない。だが、『三女』制作終了後の武蔵野アニメーションにはきっと、彼の席が残っていることだろう。
掲示板
急上昇ワード改
最終更新:2024/05/01(水) 03:00
最終更新:2024/05/01(水) 03:00
ウォッチリストに追加しました!
すでにウォッチリストに
入っています。
追加に失敗しました。
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。